牝獣(ひんじゅう)となりて女史哭(な)く牡丹の夜 ——日野草城
大学時代にA子という女友達がいた。彼女とのちょっと悲しい体験談を書こうと思う。長いわりにあんまりエロくないのでエロ期待の人は真ん中辺りだけ読んでくれ。 僕とA子は一回生のゼミが一緒で、当時は学校ではそれなりによく会って他の友達と一緒に結構遊んだと思う。顔はちょっと田舎っぽいけどそれが逆に魅力といった感じで、笑顔のかわいい真面目で元気な子だった。二回生になってからは自然と会わなくなったけど、たまに会うと前と同じようにとりとめのない話をしていた。それでも会う機会はあんまりなかったけど・・・。 そんなありがちな男女の友達の関係を続けたまま4年が経ち、彼女は卒業し、僕は学校をサボっていたせいで一年留年する事になった。彼女が卒業してからは全く連絡はとっていなかったけど、ようやく俺が一年遅れの卒業を控えた3月に突然彼女から電話があった。「どう?元気にしてる~?卒業できそう?」「うん、何とかできそうだけど。どしたの?急に」「実はちょっと悩みがあってさ~○○(俺の名前)に聞いてほしいんだけど・・・。」電話では話せないからと、次の土曜日に会う事になった。当日、夜の9時半にA子の家に車で迎えに行った。A子はすぐに出てきて車に乗り込むと、「どこでもいいから適当に走って。」と言った。僕は言われたとおり車を出し、あまり交通量のない田舎の国道を走った。しばらく走ってから「どうしたの?悩みって」と聞いてみた。すると彼女は「あ~あれね・・○○の顔見たら忘れちゃった」と笑いながら言った。とりあえず彼女が話したがらないのに無理に聞いてもしょうがないと思い、その話はもうしない事にした。それからはお互いの近況報告のようなものをしたけど、久し振りに会ったせいでどうしても話が途切れてしまう。気まずい雰囲気を感じた僕は「A子は今彼氏とかいないの?」と聞いた。なぜか僕達は、大学時代はお互いの込み入ったことは話したことがなかった。「いないよ~。○○は?いるんでしょ彼女?」「いや、俺も半年ぐらいいないかな?A子はいつからいないの?」すると彼女から驚く答えが返ってきた。「え~ずっといないよ~~。彼氏いない歴もうすぐ24年だよ」僕はかなりビックリした。A子を好きだった男は大学時時代にもそれなりにいたのだ。「え~!?でも言い寄ってくる男はいただろ?」「うん・・でも私好きな人がいたから・・・」と彼女は答えた。誰だよそれ、と言いかけたけど、なんとなく聞けなかった。たぶん大学時代にそういった話をしなかったせいだと思う。それからまたしばらく沈黙が続いた。「じゃあ・・・」耐え切れなくなった僕は緊張のせいで変な質問をしてしまった。「Hとかもしたことないの?」「当たり前でしょ~!!何言うのよ!!」と彼女は顔を真っ赤にしながら答えた。「ごめん」しまったと思いながら謝る僕。余計空気を悪くしたかと思ったら、「じゃあ・・○○はもうしてるんだ・・・」と逆にこっちに話を振ってきた。「うん。だってもう23だぜ?」多少驚きながら僕はそう答えた。すると彼女は急に饒舌になりだし、「初めてのときはどうだった?」とか「やっぱり気持ちいいの?」などと聞き始めた。ちょっと恥ずかしかったけど話題がつながったと思ってそれに一つずつ答えていった。ウブなはずのA子がどうして急にこんな話をするのか分からなかったけど、彼女はお構いなしにどんどん質問を浴びせてきた。ところが急に静かになったから横を見てみるとなぜか彼女は泣き出していた。訳が分からなくなった僕は「どうした?気分でも悪い?」と聞いたが返事はなかった。仕方ないから車をどこか邪魔にならないところに停めてもう一度聞いてみた。「どしたの?大丈夫?」ぼそぼそっとA子がなにかを言ったが、聞き取れなかったので僕は彼女に耳を近づけて聞こうとした。するといきなり彼女が僕に抱きついてきた。彼女の状態が理解できない僕はそのまま何もせずにじっとしていた。「抱いて・・・」と彼女が僕の耳元で囁いた。僕は助手席にに移りシートを倒し彼女を軽く抱きしめ、そのままの状態でしばらく二人ともじっとしていた。次第に落ち着きはじめたA子は少しずつ、ゆっくりと話しはじめた。「私ね、さっき好きな人がいたって言ったでしょ?大学の間ずっと好きな人がいたの・・」僕は頷きながら聞いていた。「その好きな人ってね・・○○なの・・・」やっぱりと思いつつ僕は正直驚いた。大学時代、A子からは全くそんなそぶりは感じられなかった。僕はA子の事が気になっていた時期があったけど、その時でも相手にされてないと思っていた。「ぜんぜん気付かなかった・・・」「うん。分かってる・・」それからまた彼女は黙り、再び沈黙が続いた。「ねえ・・・・・抱いて」「今こうして抱きしめてるだろ?」「そうじゃなくて、ねえ・・・分かるでしょ?」もちろん彼女が何を言ってるのかは分かっていた。ウブなA子は「やりたい」とか「Hしよ」などとはいえなかったのだと思う。僕は困った。彼女は僕のカラダではなく心を求めていた。でも僕にはそれに答える事は出来ない。「無理だよ。俺はA子のこと好きなわけじゃないから」と僕は言った。「分かってる。それでもいいの・・私じゃ嫌?」僕はますます困った。こういうのはどちらかと言うと苦手だった。「やってもいいけど同情だよ。それでもいいの?」こう聞けば彼女は引いてくれると思った。でもA子は「いいよ。おねがい・・抱いて」と言ってきた。僕は心を決めた。A子の髪をなで、頬に手をやった。見つめ合って軽くキスをした。キスしながら左手で耳を愛撫し、右手で背中をなでた。A子は緊張しているようだった。背中の手をゆっくり下ろしていって、服の下に入れた。「冷たい」と彼女は言ったが僕はやめなかった。唇で耳を軽くかみながら右手を前にやり、ブラジャーの上から胸を触った。しばらく軽く揉んでからそのまま一気にブラジャーの中に手を入れて、服ごと上に捲り上げた。A子の胸が僕の目の前に現れた。形はきれいでかわいかったが、小さくて多分Aカップだったと思う。乳首も小さくてまるで子供みたいだった。胸、小さいでしょ?」僕は何も答えず、代わりに彼女の胸に口をつけた。左手を腰に回し、右手で右の胸を揉みながら舌と唇で左の乳首を愛撫した。時折A子は「んっ・・」とか「あっ」と小さく声を漏らしていた。僕は右手を下にずらしていき、彼女のジーパンのボタンを外し、ファスナーを下ろした。以外にもA子は恥ずかしがらず、自分でジーパンを脱いだ。僕はA子の股の間に手を入れパンツの上から覆うように撫でた。既に彼女のパンツは少し湿っていた。お尻のほうに手を回し、パンツの間に指を滑り込ませる。ゆっくりと手を下げていった。彼女は抵抗せず、腰を少し浮かしてくれた。左足だけパンツを抜き、A子の股間の茂みが露わになった。軽く触れてみると既にグッショリ濡れている。クリトリスを指先で軽く触れると敏感に反応する。「ああっ・・そこ凄く感じる!」と彼女は腰をのけぞらせた。「濡れてるよ」僕がそういうと彼女は「うん、だって好きなんだもん・・・」と恥ずかしそうに言った。「A子の胸かわいいよ。俺は好きだよ」「ホント?嬉しい・・・。ねえ・・もういいでしょ?おねがい」A子は顔を真っ赤にしながらそう言った。僕は自分の服を脱ぎ始めて、気付いた。ゴムの用意がなかったのだ。「やっべえ。ゴムねえよ~」僕がそう言うと「私持ってきてるよ。カバンの中。」ちょっと用意が良すぎるA子に多少驚きながら僕は足元にあった彼女のカバンからゴムを取り出して付けた。いざ挿入しようとA子の足を開こうとするとA子が力をいれていて開かない。「怖い?」「うん、ちょっと」「大丈夫、痛かったらすぐやめるから。力抜いて。」「・・・・分かった。」A子の足をゆっくり開いて僕のチンポをあてがい、「いくよ」と言ってゆっくり挿入した。A子は眉間にしわを寄せ、緊張しているようだった。亀頭の部分だけ入ったところで「大丈夫?痛くない?」と聞いてみた。「不思議。全然痛くない」と彼女は言った。僕は処女とやるのは初めてだったから分からなかったが、処女でも痛がらない子は多いと聞いていたからそれだろうと思った。「○○だからかな?痛くないの。でもあんまり気持ちよくないかも・・・」と彼女は言った。「最初はそんなもんらしいよ。何回もやってるうちに徐々に気持ちよくなっていくみたい。」僕がそういうとA子は「そうなんだ・・」とちょっと残念そうな顔をした。「動いていい?」僕がそう聞くと「いいよ。でも痛かったらやめてね」と彼女は答えた。ゆっくりと腰を前後に動かす。緊張のせいか、彼女のおまんこは僕をきつく締め付ける。あまりの気持ちよさに僕は我を忘れて動いていた。このままA子と付き合うのもいいかもしれない。そう思ってふとA子を見ると、彼女は涙を浮かべていた。「ご、ごめん。痛かった?」彼女は泣きながら首を振った。「ううん、違うの。○○が気持ちよさそうにしてるから・・・嬉しくて・・。私ずっと○○とこんなふうになりたいって思ってたから・・・」今思えばあの時すでに僕はAこのことが好きになっていたんだと思う。夢中で抱きしめ、キスをし、そしてまた抱きしめた。「痛くないから動いていいよ。私も気持ちよくなりたい」僕はまた夢中で腰を動かした。その間キスしながらずっとお互いの名前を呼び合っていた。もうどうにでもなれと思った。ただA子の温かさと、柔らかさが気持ちよかった。それだけだった。やがて彼女も少しだけ感じ始めたけど、その時にはもう僕が限界だった。「もうイキそう・・・A子、イってもいい?」「いいよ。私の中でイって!!」「ああ~もうだめだ、イクっ・・・・」僕はA子の中で大量に射精した。ビクッビクッと20秒ぐらい射精したと思う。と言ってもゴムは付けていたわけだけど。「○○の、ビクビクしてるよ。イッちゃったの?」「うん。ごめんな」「ううん、気持ちよかった?」「サイコーだったよ。ありがとう」彼女は笑いながら「・・・嬉しい」と言った。それから二人で裸のまま抱き合いながらしばらくキスしたり髪を触ったりしていた。「でも結局あんまり気持ちよくなれなかったな」「一回目だからしょうがないよ。また何回もやればよくなってくるよ。あのさ、こんな時に言うと勢いだと思われるかもしれないけど・・・やっぱり俺A子の事好きかも・・・。付き合ってくれない?」と僕は言った。とうぜんOKをもらえるものと確信して言ったつもりだった。でも彼女は黙ったままうつむいていた。「どしたの?やっぱり俺じゃ嫌?」彼女はやっぱりうつむいたままだったが、しばらくしてまた泣き始めた。最初は「ウッウッ」といった感じで、やがて「ウワァーン!」と泣きじゃくりだした。俺は黙って彼女を抱き寄せ、背中をさすっていた。10分ぐらい泣いていたと思う。ひとしきり泣き終えた後、彼女は僕にキスしてきた。「私も○○のこと大好きだよ。ずっとずっと大好きだったから、付き合えたら言いなって思う」「じゃあいいじゃん。付き合っちゃえば」しばらくの沈黙の後「私ね・・・・・・今度福岡に行くんだ・・・しばらく帰ってこれないと思う」と、彼女は途切れ途切れに話した。「なんで・・・」僕はそう返すのが精一杯だった。「仕事の都合でね・・・4月から・・・」僕はその続きを待ったけど、続きはなかった。A子はまた僕の胸で泣き出した。嗚咽の混じった、今度は前よりさらに激しい泣き声だった。僕は彼女を抱きしめながら、今日一日の彼女の行動を思い返していた。だからA子はこんなに積極的だったのか・・・。考えてるうちに涙が出てきた。4年間同じ大学に通いながら、お互いに両思いの時もあったのに、A子の気持ちに全く気付かず、今こうしてようやく分かり合えたのに、A子は来月には遠くに行ってしまう。やっと好きになれたのに・・・・。「○○~・・好きだよ~・・・・」A子はずっと俺の胸の中で泣いている。気が付くと俺も声を出して泣いていた。「福岡に行っても、ずっとずっと○○のこと好きだよ。ずっとだよ」A子は何度も何度もそう言っていた。二人でずっと泣きながら抱き合っていた。結局朝になって、「もう帰らなきゃ」とA子が言うまで抱き合っていた。帰りの車の中では二人とも何も話さなかった。僕はただ、車が家に着くともう彼女とはサヨナラなんだと思うと、どうしても、ゆっくり、ゆっくりと車を走らせてしまっていた。それでも無情にもA子の家が近づいてくると、僕はまた自然に涙が溢れてきた。「着いたよ」家に着くと僕は車を停めてそう言ったけど、彼女は黙ったまま下を向いていた。彼女の目に涙はなかった。ただ、黙って下を向いているだけだった。しばらくして突然彼女は僕のほうを向き、僕の目を見つめると明らかに無理して作った笑顔を僕に向けて「ありがとう。今日は楽しかった。今日のことはもう忘れてね」と言った。「忘れないよ・・・忘れられないよ」僕は彼女のほうに向き直り、そう言った。彼女の顔から一瞬笑顔が消えて、また今にも泣きそうな顔になった。とっさに彼女は下を向き、もう一度僕のほうを向いたときには昔の、大学時代と全く同じ笑顔がそこにあった。「サヨナラ」そう言ってそのままドアを開け、車から降りて家の門の中に消えていった。振り返ってくれるかと思ったけど彼女は一度も振り返らなかった。僕は彼女が消えた後もしばらくその門を見つめ、ため息をつき、そして車を走らせた。帰る途中、涙で前が見えなくて大変だったのを覚えてる。それから1週間ほどしてA子に電話してみたけど、A子は出なかった。福岡に行く日も聞いてなかったから見送りにも行けず、何度か電話したけど一度も連絡は取れなかった。あれからもう4年になる。僕はその後一年ほどして、新しい彼女が出来た。今でもその子とは順調に交際を続け、この秋に結婚する事になった。ただ、毎年この時期になるとA子のことを思い出す。あの、二人で泣きながら抱き合った夜を。 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