牝獣(ひんじゅう)となりて女史哭(な)く牡丹の夜 ——日野草城
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15-06-14 05:04
解放されたので書きますよっと。 事務系の会社。 商社だからか女子社員の方が多い。 入社して一か月でなにが原因か判らないまま嫌われ、陰口叩かれ上司にセクハラだと告発までされた。
社内巡回書類は俺だけ回ってこない。 お茶も自分で入れる。 社内飲み会や催しでは呼ばれることはない。 上司が「あいつはどうした?」なんて聞こうものなら
「あぁ~そう言えば用事が出来たって言ってましたよ~」 で欠席扱い。 毎日辛かったけど、営業出ているときは気にしないでいられる。 でも電話の取次表とかは一切ないし誰が電話出たかもメモ一つすらない。
ある日どうしても聞かなきゃいけない事が出来てA子に聞いたら 「話かけないでもらえますか?」 とニッコリ顔で言われた。
「でもこれ大事な書類だから」と返しても 「ですから!机の上にメモつけて置いてもらえます?」 「わかりました」 その後は聞こえる様にぐじぐじねちねちと嫌味と悪口オンパレード。
会社はつらかったけど、彼女居たしそれが救いだった。 会社の近くのレストランやコンビニで待ち合わせて帰る。 こんなに苛められてるというか嫌われていても彼女がいればそれで幸せだった。
しばらくしてどこで嗅ぎつけたか俺が結婚するんじゃないか?という噂が流れて同僚の男性社員からはいついつ?とか聞かれたが、 その中のB男は女子社員にも人気があり、いつも誰かしらを食事に連れて行ったりしていた。まぁイケメンの部類で仕事出来る奴。
彼女と待ち合わせのコンビニに行くとA子を筆頭にC子D子とぞろぞろと取り巻きがいて彼女を囲んでた。 彼女は微妙に泣き顔で「違います」とか「嘘です」とか答えてるが、 他の周りの取り巻きが「本当だよwww」とニヤニヤしながら彼女を囲んでる。
俺に気が付いた彼女は囲みから抜け出し涙流しながら出てきたが、俺の横を素通りし走って行った。 何が何だか判らずに追いかける。
追いついて話を聞くと 「あいつは浮気性だからやめろ」とか 「この間違う女が迎えに来ている」とか あること無いこと吹き込んでいた。 挙句の果てには「男性社員と風俗三昧」
信用してほしくて必死に説明したけれど、彼女は時間がほしいと離れていった。 愕然とした。どうしていいかわからなかった。
上司に相談したが「被害妄想という名前までつけられて突っぱねられた。 それもA子取り巻きにバレて、逆にセクハラしてくると告発された。
もう辞める。そう彼女に伝えた。 彼女の父親が町工場を経営してる。 誘われてはいたがなかなか踏み切れずにいた。 彼女は歓迎してくれた。 立つ鳥跡を濁さず。判ってはいたけど怒りがもくもくと湧いてくる。
その頃になるとシカトとか全然平気でA子からの会話も全然ない。 だが、上司がいきなりB男を筆頭に今や男女関係なく出来る奴は登用する! だから今回のプロジェクトをB男に任せて人選もB男にまかす!と公言した。
B男は出来る奴だと思っていた。 私情に流されず他の優秀な奴らを登用すると思っていた。 だが、取り入ってるA子いか数名が選ばれる。 そして俺が選ばれる。「え?俺?」
B男を呼び出し、俺が女子社員と上手くいってない事や嫌われてる事、キモがられてる事を告げた。 B男は簡単に答える「知ってるよ」と。
B男は俺にすべてを投げつけ、自分はA子や取り巻きとデートを繰り返し、その中の何人かは会社のトイレで食う始末。 俺はもくもくと作業し、もくもくと顧客を訪問し続けた。 だが、A子プラス取り巻きはまったく我関せず。
B男は時々「どう?」と聞いてくるけど内容までは聞かない。 代わりに「A子ってエロいんだぜww」とかいう始末。 10段階のプロジェクトの8段階が終わる頃、後は客先のGOサインと社内の最終段取りをして仕上げ。
B男が「今までの資料全部見せてww顧客名もww」 ヘラヘラ笑いながら言う。 流石に頭来て「全部報告書に書いてあるよ」と言うと 「あぁ~そんなんいいわw客のサインだけもらいたいしw」 全部横取りか…
はい、とファイルを渡す。だが20冊は超えるファイル。 後から後から出てくるファイルにB男は 「ちょwww無理だよ、なんだよこれ」
「明日の社内の段取りお願いねwwんじゃ!」 とB男が出ていくとA子とりまきもぞろぞろと出てゆく。 昔は気にしていたけど今は全く気にならない。 廊下でA子が「きもいよね~」とか騒いでる。
この時ばかりは「死ねばいいのに」と初めて思った。 社内で上司に対する説明会では簡単な説明は全部B男。
「…であります。今回はA子さん、C子さんD子さんに 頑張ってもらって顧客開拓が出来ました!」
「え~そんな事ないですよ~B男さんの指示が徹底してるからですよ~」
上司は当然「俺君はなにしてたの?」といなる。 そこへ馬鹿共は 「何回も起こしたんですが…」とか「ファイルが無くて私が探しました」 とか言いまくりのチクりまくり。
そうすりゃ上司は「ちゃんとやれ!」となる。 「すいません」と謝ろうもんなら余計馬鹿にされるが まぁこれで最後だしな、後は結婚してこんな会社ともおさらばだしさ、 明るく生きようっと!と思ってた。
その帰り。もう辞めます。と辞表を出した。 切実に訴えたが「バカが!人のせいにするな!」とか 「女に負けたからって逆恨みするな!」と 逆上され即日退職みたいになっちまった。
一週間近く経つ頃。
客先を自社に招待する前日。 当然俺は会社に居ない。 彼女と旅行で慰めてもらい愛してもらい、もちろん彼女の事を愛した。 立派なホテルでシャンパン飲んでセレブ気取り。
自然と涙があふれてきた。 よく考えたら酒も飲まず、彼女にも合わず 帰ったら寝て、ろくに飯も食わずガムシャラだった。 やっぱり悔しかった。笑顔で接してくれたお客さん達。 疲れてるなぁとウナギ御馳走してくれた部長。 駅まで遠いだろ?と社用車に乗せてくれた課長。
缶コーヒー投げてよこして「めげんなよ」と励ましてくれた作業員のお兄ちゃん。 寒いですね~とホッカイロくれた受付のお姉さん。 違う会社でもみんな優しく接してくれた。 自分が頑張れば頑張るほど労わってくれて優しく話を聞いてくれた。
すべての会社がそうではないにしろ、殆どの会社の役員さんが、社員さんが「よぉ!」と言ってくれた。それがあったからこそくだらないB男にもA子取り巻きにも耐えられたんだと思う。
窓ガラスに映る自分が痩せてぼさぼさの髪で、その後ろに彼女が腰に手をまわしてバスタオルだけで立ってる。 泣いている俺を見て「うん、よしよし!頑張ったよ」と声をかけてくれる。 それが余計涙を誘う。「ほら、おいで」促されベッドに行き、膝枕でうぐうぐ泣いた。
「しょうがないかもしれない。でも貴男は一生懸命やった。 だから明日があるんじゃない?横取りなんて考えちゃダメ。 今までやってきたことは何一つ無駄じゃないんだよ」 こいつと結婚しようと思った。
彼女を抱きしめながらいつの間にか眠りについた。 翌朝、館内の床屋へ行きバッサリカット。 洋服もヨレヨレでないビシッとカジュアルな物を選んでもらい、デートに出かけようと部屋に戻る。
オールサイレントモードの携帯に手を取ったとき、何か異変を感じた。 ピカピカと光る着信履歴、着信件数は45を指していた。 だれだ?とパカっと開けた。会社からだった。 伝言は5件位しか入らないが5件全部会社で埋まっていた。
B男「ちょっとよ~電話位よこせよ!このやろう!」 A子「何逃げてんの?はぁ?電話してねB男さんに」 上司「ちょっと聞きたいことがある、必ず電話するように!」
まずは上司に電話した。 お客さんがお前がいないのを聞いてどうした?となる。 サボりまくりなので辞めさせましたと告げる。
お前らバカか?wwあいついたからこの書類出来たんですけどw
え?それは全部B男が… B男?誰だよそれwあいつしかしらねーしw
じゃA子!この書類はどうしたんだ? え?私しりませ~ん。
じゃB男!全体像説明してみて。 え?わかりません、あいつなにやってんだよ。呼んできます→逃亡
じゃ代わりに我社の有能な女子社員を! え?A子以下逃亡
お前の会社やる気あんの?おちょくってんの?ねぇねぇ? おぃ!誰か!あいつを呼び戻せ!
「と言う事なんで辞職は認めないから!すぐ社に戻るように!」 「イヤです。」
「給与の件も上に相談するのでなんとか…」 「イヤです。」
「ならどうしたら戻ってきてくれるんだ?」 「戻りません、失礼します」
次B男
「ふざけんなよおめー!!俺の手柄つぶす気か?はぁ?」 「もう辞めた身だからさぁB男の手柄とか意味わかんないww」
「ざけんなよ!」 「じゃ!」
「おめ!ふざけっ」ガチャ。
お客さんからの電話はちゃんと出た。
「解雇されたんだって!まじ?」 「まぁ退職勧告みたいな感じでほんとすいません。」
「あぁ揉めたらうちの弁護士つかっていいから!」 「いえいえ、ほんと今までありがとうございました。」
「残念だよほんと」 「改めてごあいさつに伺います」
この後プロジェクトは頓挫。 お客さんはどうして担当を一人にして、その一人を辞めさせたのか という疑問に答えがないと怒って帰る。
社内では唯一仲の良かった倉庫のおじちゃんに聞いた。 B男=大失敗を社内で大々的に公表され完全に白い目で見られるも、俺のせいにして逃げようとする。 さらにA子の他の取り巻きのせいにしようと再び画策しバレる。んで上司とともに地方支社へ左遷。その後退職。
A子=B男とのエロ話が漏れ、裏でC子、D子と取り合いをしていたことが判明する。で完全にシカト状態へ。いたたまれず一時私物残したまま失踪した。 後に会社の物品をヤフオクで販売疑惑。利益○十万で懲戒解雇。
C子、D子も同様にB男のおもちゃにされていた為社内では完全にキモ扱い。 で当然→退社。
その後。
そのプロジェクトはもともと生産管理や資材管理に関するものだったので製造業にも転化できる事がわかり、彼女の父親の会社へ行くと同時に前のお客さんがついてくれて新たな顧客を開拓。
B男から連絡があり、「雇ってくれないか?」と来たが 「どなたでしょうか?間違い電話こまりますよ」返しておいた。
また別の日には「A子知らない?」とか「A子とお前出来てんだろ!」とか、 なんか妄想的に妖しくなってきたので着信拒否。
あれから半年。 その商社の事業規模が半分になったと聞いた。 いろいろなところから手を引いてるらしい。 潰れるのも構わないし残ってても同じ体質なら無くてもいい。 それにもう俺には関係ないのだから、路頭に迷おうが知ったことじゃない。
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