牝獣(ひんじゅう)となりて女史哭(な)く牡丹の夜 ——日野草城
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15-06-14 05:05
五年前に夫を不慮の交通事故で亡くしてから、息子と娘の三人家族で、生活はそれほどに裕福なものではなかったですが、3DKの市営住宅でどうにか倹しく暮らしていました。
私の年齢は四十六才で、息子の雄太が十九才になっていて、娘の美紀は十六才の高校一年生です。
私は医療事務の資格を持っていたので、昼間は小さな個人病院での医療事務仕事をし、夜は料亭の仲居として働き、子供たちをどうにか育て上げてきました。
しかし、この春の大学受験を息子の雄太が失敗してから、我が家に少しおかしな風が吹き始め、どこかに空気の遮断壁のようなものが出来てきていました。
予備校に通うこととなった雄太の生活態度が、それまでの素直な純真さがどこかに消えてしまい極端な内向的で鬱的な性格になってしまったのです。
原因の一つに、大学受験の失敗による家族への申し訳のなさがあることは事実なのですが、母の私も娘の美紀もまったく気にもしていないことなのに、息子の雄太一人だけがまるで世捨て人にでもなったかのように、拗ねたような被害妄想を大きくしていってしまっているようでした。
予備校にはどうにか通うのですが、帰宅してからはほとんど自分の室から出ようとはしなくなりました。 家族三人のありきたりの会話というものが、この二、三ヶ月の間に瞬く間に途絶えていってしまったのです。
私が帰宅するのはいつも夜の十二時前後で、娘の美紀から雄太の挙動についてを訊くのですが、内向的で鬱的な傾向は強まるばかりで、母としての心配は毎日募るばかりでした。
ある時、私は息子の雄太に問い質しました。 「雄太、どうして家族と交わろうとはしないの?何かお母さんにでも不満があるのならいってちょうだい」
この時の雄太の応えは、 「何にもねえよ」 だけの一言でした…。
そしてあの忌まわしい出来事は、八月下旬の雨の降る午後に起きてしまったのです。 私が帰宅したのは午後十一時過ぎでした。 狭い玄関口に見慣れない男物の靴が幾つも、まるで足の踏み場もないくらいに雑然と脱ぎ散らかされていました。
いつもなら居間にいるはずの、娘の美紀の姿が見当たりませんでした。 居間に並列して二つの室があり、ベランダ側の六畳の洋間が雄太の室になっています。
その雄太の室から妙に騒々しい音楽の音が聞こえ、時折、ひそめるような声での何人かのざわめきが耳に入ってきていました。 そのざわめきの中から、私は娘の美紀の呻くような声を聞き取り、唐突な不安感に襲われ、思わず雄太の室のドアを強くノックしていました。
一瞬、ざわめきの声は静まり、娘の美紀の断続的な呻き声だけになりました。 ただならぬ気配を感じ、ドアのノブを思い切り廻すと施錠はされていなくて、簡単にドアは開きました。 室の中一杯にタバコの煙が充満していて、アルコ-ルの臭いが強くしました。 息子の雄太を含めて男が四人いました。 その雄太が何か紐のようなもので両手足を括られた状態で、床の上に転がされていました。 口をガムテ-プで固く塞がれていました。
雄太以外の三人の男たちは全員が素っ裸になっていて、壁の横のベッドに群がっていました。 全員が二十才前後の若者でした。
そのベッドの上に娘の美紀がいました。 全裸にされて犬のように這わされていたのです。 私はあまりの驚愕に思わず声を失っていました。
全裸の美紀の周囲に男三人が群がっていて、一人は美紀の剥き出しの臀部に密着するようにして、膝を立てて腰を前後に律動させていました。 俯いた姿勢の美紀の顔の前でも、男が膝を立てていました。
あろうことか美紀の口の中に、その男の下半身の突起物が深く沈み込んでいました。 目を閉じて美紀は抵抗する素振りもなく、男のものを顔を自ら前後に揺すりながら咥え込んでいたのです。 美紀の浮き上がった腹の下に、もう一人の男が潜り込んでいて、仰向けになって下のほうから美紀の乳房を揉み込んでいました。 「やっ、やめなさいっ」 「やあ、お母さんですか?お嬢さんはもうこんなに楽しんでいますよ。お母さんもどうです?一緒に楽しくやりませんか?」 娘の美紀に下半身のものを咥えさせている、がっしりとした体格の男が私のほうを向いてにやけたような声でいってきました。
「な、何てことを…あ、あなたたちは」 「お宅の雄太君がね、予備校で俺たちに多額の借金をしていましてねぇ。 その利息代わりにお嬢さんを頂いているってことなんですよ」
「しゃ、借金って…い、いくらなの?」 「三十万ですよ」
「たったそれだけのお金で…ど、どうして娘なの?」 「何いってるんですか、雄太君からの提案なんですよ、これは。なあ、雄太」
「な、何てことをっ…お願い、娘を離してやって」 「もうかれこれ二時間近くも、お嬢さんと僕たちは交わっているんですよ。見てみなさい、こんなに僕たちに従順になっている。でも、お母さんが代わるっていうんなら離しますよ、どうです?」 それから二言三言の言葉のやりとりがありましたが、このおぞましい屈辱的な状況を打破するには答は一つしかありませんでした。 私は承諾するしかありませんでした。
「お、お願いです。息子と娘を室の外へ出して…出してください」
せめてもの私からの哀願でしたが、三人の男からの答はノ-という非情極まりないものでした。
娘がベッドから下ろされ、床の上に突っ伏したように寝転がされました。 ベッドの上に私は座らされました。 一人の男が私の前で仁王立ちしました。 男の剥き出しの下半身が、私の顔のすぐ前にありました。 男が上から見下ろすようにして、声には出さず目で私に何かを要求していました。 私の口のすぐ前まで、すでに固く屹立した男のものの先端が接近してきていました。
私は口の中にゆっくりと含みました。 私の背後にも男が一人座り込んでいました。
「むむう…ううっ」
背後の男の手が、私のブラウスの前ボタンをゆっくりと外しにかかってきていました。 口の中一杯に男の大きな屹立が入り込んできていました。 ブラウスが私の肩と腕から脱がされていました。 ブラジャ-のホックもあっけなく外し取られました。 背後の男の手が私の乳房に、強い握力で襲いかかってきました。 同時に首筋に男の舌の愛撫が這ってきました。
乳房を揉みしだく男の手に、私は思わず自分の両手を重ねていました。 正座していた私の下半身が、三人目の男によって横から唐突に足を崩されました。 スカ-トのホックが外される音がしました。 パンティストッキングが剥がされました。 両足を前に投げ出されるような姿勢にされ、太股のあたりから大きく割り裂かれました。 三人目の男の手の先が無遠慮に、割り裂かれた股間の中心をパンティの上から妖しげになぞってくきたのでした。
「むむうっ…むう…うう」
耐え難い屈辱と汚辱の責めに、私は意識を半ば以上喪失しかけていました。 男の屹立を口に含まされ、乳房を荒々しく揉みしだかれ、そして下半身の中心に男の乱暴な指の責めを、私は長く受け続けました。
夫を亡くして五年の女の身体には、若い野獣と化した男たちの攻撃は、あまりに強烈で淫ら極まりない刺激的なものでした。
「ああっ…だっ、だめ」
私の身体の中の感情の起伏が、大きく激しく波打つような事態に陥ろうとしていました。 気持ちのよさを私は身体の奥底のほうから、熱く煮えたぎるような感覚で体感し始めていました。
ベッドの上に私の身体は仰向けにされていました。 両足を高く拡げて持ち上げられ、間に入った男の屹立を、私は下半身の柔肉の中深くのところまでつらぬかれていました。
一人の男に口を吸われていました。 口の中で男の舌に、私の舌は熱く燃えて順応していました。 三人目の男に乳房の先端を噛まれていました。 「ああ…ああっ…い、いいわっ。…いいわっ」
目くるめくような忘我の境地に、私はすでに達していました。 息子と娘の前で犯されて、私は母親のすべてを捨てるような熱い思いで、全身を淫らにのたうたせていました。 三人の男たち全員の精液を、私は下腹部の奥深くにたっぷりと仕込まされ、はしたなく淫れ狂って屈服の声を幾度も上げ続けたのでした…。
どれくらいの時間が経過したのかわかりませんでした。 ベッドで全裸の状態で仰向けになった私の身体の上に、娘の美紀の裸身が覆い被さってきていました。
「美紀…」 「お母さん…」
私の身体の上で、美紀が背後から男につらぬかれていました。
「ああっ…」
十六才とは思えないような切なげな声で、美紀が上気した顔を妖しげに歪ながら熱く身悶えていました。 私の乳房に美紀の細い手が這っていました。 私たち母娘は自然なかたちで、唇を重ね合っていました。
唐突に美紀の身体が私から離されました。 ベッドに横に並ぶようにして、私と美紀は四つん這いにされ、二人の男から同時につらぬかれました。 私の背後にいる男の口から呻くような声が洩れました。
「かっ、母さんっ…ああっ」
息子の雄太でした。 しかし、私のほうに息子から逃れようとする理性感はもう残ってはいませんでした。
「ああっ…もっと、もっと突いて」
私は、思わず息子に求めてしまいました。 息子の雄太のただがむしゃらなだけのつらぬきに、私は娘の美紀と三人の男たちに見られているということも忘れて、ついには悶え果てたのでした。 おそらく息子の雄太は三人の男たちに強制されての、母である私へのつらぬきの行為に及んだのでしょうが、はっきりと記憶しているのは、雄太を受け入れるまでに、すでに私は三人の男たち全員の肉棒とそこから出る粘い樹液の大半を、身体の中にどっぷりと注入されていたということです。 無論、野蛮なだけの男たちの行為に、愛情のかけらさえあるわけがありません。 身体が…四十六才の生身の女としての身体が、心の中の拒絶の意思とは別に、仕方なく裏腹に淫らな反応をしてしまうのでした。 ベッドにうつ伏せになって茫漠とした目でふと横を見ると、娘が仰向けにされて一人の男に覆い被さられていました。 上になっている男の上体が、前後に激しく動き続けていました。 「ああっ…あっ…ああ」 男の身体の動きに呼応するように、娘はあきらかな女としての喘ぎの声を、長く連続的にあげ続けていました。
長い髪を乱れさせ、額と首筋のあたりに薄く汗を滲ませながら、十六才の娘が男の行為にはっきりと順応し、女としての反応をあからさまにしているのでした。 母である私にどうしてやることもできないのが、ひどく哀しい現実でした…。
「腹減ったな」
三人の男の内の一人がいい、私は全裸のまま台所に立たされ、食事の用意をさせられました。 壁の時計を見ると、午前二時を過ぎていました。 一人の男が私の見張り役につきまとっていました。
流し台に立っている私に近づき、背後からいきなり乳房を揉みしだいてきたり、屈みこんでお尻の下から唐突に指を差し込んできたりされながら、冷蔵庫の中のもので男たちのための食事をどうにかこしらえ終えました。 二人の男が台所に入ってきた時、私は椅子に座った男に正面を向かされて抱きかかえられながら、下半身に男のものを突き刺されていました。 この時にも、私は抱かれている男に順応していました。 「ああっ…」
自分の理性の琴線のすべてが、いつからかどこかへ切り飛ばされてしまったかのように、私は淫ら極まりない牝犬に成り果てていました。 身体の中に下から突き上げられるように、男のほとばしりを受け、私は汗を滲ませて喉の奥から搾り出すような昂まりの声をあげさせられ、どかりと床の上に全身を投げ出されました。 そのままその場で身動きできないでいる私に、食事をしていた男の一人が、 「あっちの室へ早く行ってやったほうがいいんじゃない?」
と妙な笑い混じりの声でいってきました。 息子の雄太と娘の美紀がいるはずでした。
「俺が連れてってやるよ、お母さん」
男の一人がいって椅子を立ち上がり、私の片腕を持ち上げるようにして抱き上げ、引きずられるようにして雄太の室に戻りました。 私の目の前に驚愕の光景が飛び込んできました。 ベッドの上で雄太が仰向けになっていました。 雄太の腰のあたりに、紐のようなもので手を背中にして縛られた美紀が、股を開くようにして腰を深く落としこんでいました。
「あ、あなたたちっ…」
続きの言葉が私には出てきませんでした。 実の兄妹が身体と身体の部分を密着させ交わっている光景の、あまりのおぞましさに私は声を失くしていました。 美紀の目と私の目が合いました。 「こ、この人たちが室に…室に戻ってくるまで、こうしていろと…」 すすり泣くような声で美紀がいいました。
十数分ほどの時間が経過し、三人の男たち全員が室に戻っていました。 私がいた場所は、ベッドに仰向けになっている雄太の顔の上でした。 私の下腹部に雄太の口と舌の感触がありました。 娘の身体を括っていた紐が解かれ、私の肩に手がおかれ、私の手が娘の肩におかれていました。
娘の唇に私の唇が重なっていました。 口の中で母と娘の舌がもつれ合っていました。 床に胡坐をかいて座り込んでいる三人の男たちの前で、母と息子と娘の三人が、まるで地獄絵図のような淫ら極まりない恥辱の行為を、長く長く続けさせられたのでした。
理性が戻った時、果たして私たち親子は生きていられるだろうか、と私は頭の隅のほうでふと思いながら、娘の口から出される唾液を喉の奥深くに飲み込んでいました…。
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