牝獣(ひんじゅう)となりて女史哭(な)く牡丹の夜 ——日野草城
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15-06-14 05:32
当時、俺、大学4年生22歳。姉、就職一年目の23歳。 間違いなく、血は繋がっていない。 この時まで俺にとって姉は、姉として意識していた。 両親は自営業。 冬は暇になる職種で、毎年11~3月にかけて海外旅行に行くことが多い。 予定が合えば一緒にいったこともあるが、この年は二人で1週間程の留守番だった。 中学くらいから微妙な距離を取り出した気がするが、姉との仲はいいほうだと思う。 エロ話はしないが、たまにお互いの恋愛話もしたし、お互いの部屋にマンガを読みに行ったりもする。
姉は明るいけど少し影がある人らしい。姉と同じクラスの先輩から聞いた。 家ではそんなことはない。普通に話すし、両親の前では明るく話す。 でも、その姿に多くの男がボッキしたと、姉と同じ高校へ行った友人から聞いた。 そうは言っても、俺は姉としか意識してないから、全く気にしたことなかった。
チア姿は、高校が違ったからチラッとしか見たことはない。 男兄弟しかいない友人から、姉をオカズにしたことないのかと言われて、少し想像して激しく気分悪くなったことはある。 家では普通に転がってる姿を見て、興奮してたらきりがない。
俺にとってそんな姉だし、姉萌えなんて気持ち悪い言葉だ。 別に両親がいない間、二人で過ごすことに何も思うことはない。 両親は海外旅行以外にも普通に旅行好きで、二人で留守番することにも慣れていた。 もちろん、二人だからといっても何もない。
しかし、今回は違った。 姉は夜、一人で居ることができなくなった。 姉と一緒な布団で寝た上に、風呂も一緒に入ることになった。 トイレしてる時も、トイレの前までいった。 会社から帰ってきても、朝まで隣りにいた。 なぜこんなことになったのか、両親が旅行に行って早々の金曜日の晩に遡る。 冬は冷たい雨と、曇りの日が多くなる地方に住んでいる。 この日も冷たい雨が降る日だった。 バカな姉は夜にロードショーの有名なホラーモノを観た。
昔から俺も姉も怖いものが嫌いだった。 姉は克服したと思っていたが、完全に恐怖の世界に入ったようだ。 観終わって、俺が居間から出ようとすると、急いでついてこようとする。 居間のテーブルにはお菓子とグラスが置きっ放し。 きちんと片付けする人なので、行動がおかしいことに気付いた。 「もしかして、怖くなった?」 上目使いで呟く。
「…ゴメン。めっちゃ怖い」 俺は散々バカにしたが、姉は本気で怖がっていて、そのうち怒って頭叩かれた。 真剣さに気付いて、からかうのはやめた。 二人で部屋を片付けて、2階の各自の部屋へ戻るつもりが俺の部屋までついてくる。 この時も、家中の明かりをつけて移動する。 自分の部屋に取りに行きたいものがあっても、着いて来るように言われる。
この家には俺の部屋の外に、人ははいない。 外は雨、4人の家が2人になるだけで家の中は独特の静寂感に包まれる。 姉は部屋を出ると、自分一人になる感覚に怯えていた。 もう1時を回っている。 俺もそろそろ眠い。それを察する姉。
「もう寝る?」 「うん。眠い」
「あのさ、この部屋で寝てもいい?」 「…まあ、いいけど」
「じゃあ、布団取りに行こう」
しかし、俺も姉もベッド。 話し合いの結果、姉の部屋で寝ることにして、俺は客用の布団を敷くことにした。
二人で、両親の寝室から布団を取ってくる。 すでにこの時点で、姉との会話量はいつもの数倍に及んだ。 布団を取ってくるという作業や、洗面所で一緒に歯磨きすると、 何故か子供の頃の、お泊りのような感覚になり会話は進んだ。
廊下の電気はいつもより多く点けて布団に入る。 電気消して寝た。もちろん、寝付けない。 女を意識してない女と一緒に寝る。友達でもないし手を出すつもりもない。
いつもと違う布団に枕、天井も併せて、妙な違和感を感じる。 近い感覚としては、旅館に寝るような気分。 何度も寝返りをした。 それでも、黙ってると睡魔に襲われる。 姉も同じだったようだ。
「寝た?」 「…うん」
返事ができるなら寝てはないが眠い。 姉は頭を掻いてる。
「頭痒い…」
冬なので、毎日風呂に入っていない。 しかし、ここまできたら耐えられないようで姉は起きて風呂に入ることにした。 再び居間へ移動。 風呂のスイッチ押してしばらく待てば、風呂に入れる。 居間のコタツに入って待つが、一回冷えたコタツは寒い。 姉はここで隣りに並んで体を寄せてくる。
「う~、さむ。あんた、おかしいくらい熱いね」 「変な事いうな」
昔の彼女にも言われたが、俺の体温は高いようだ。 姉が隣りにいるからではない。
電子音が聞こえて風呂が沸いたことを知らせる。 姉は俺を脱衣室まで連れて行く。 脱衣室で待つ俺に、風呂場の中で着替える姉。 着ていた服は、少し扉を開けて器用にカゴに入れた。
「ちゃんといる?」 「いるよ」
1分も経たない内に確認される。 その後は2、3分おきに確認の声が入る。
「ほんとにいる?」 「いるって」
一度は扉開けて確認された。 することない、メチャクチャ冷える脱衣室で待つ俺。
「あのさ、ここ寒いよ」 「そう…ゴメン」
髪を洗う音とシャワーの音。 すぐ止まる。
「おーい」 「はいはい」
どうも、髪洗う時に目を瞑ると不安らしい。 俺はトイレしたくなってきた。
「トイレ行っていい?」 「ダメ!絶対ダメ!そこにいて」
「ちょっとだけ。漏れる。ここ寒いし」
磨りガラスの向こうに映る影が立ち上がり、中折れ式の扉が開く。 扉から顔しか出さないが、磨りガラスには体のシルエットがかなり鮮明に映る。 湯気の中から見える顔より、体の部分に目が行きそうになる。 当然、はっきりとは見えない、見る気もない。目を逸らす。 「あのさ、一緒に入ってよ」 「はぁ?」
「昔は一緒に入ったじゃない」
子供じゃないんだぞ。 この歳で風呂に一緒に入るのか。
「入れるわけないよ」 「いいから入れ。私、メガネもコンタクトもしてないし見えないから」
「…」 「あんたが風呂入ってる間、私もそこで待ってたら体冷えるでしょ」
「そんな問題か?」 「私怖いの!トイレもここですればいいじゃない。昔、母さんに怒られたことあったけど、今は内緒にしてあげる」
「その話はいい」
変な記憶だして引きとめようとする。 愛想つかそうとする俺をなんとか留まらせようとする姉。
「絶対に一人にしないでよ!」
表情はマジだった。 姉が洗い終わって湯船に入った時に、俺が入ることで話はついた。 しかし…、俺は何やってるんだ?
姉は前かがみになって体を隠していた。 無言で体を洗う。 視線感じて、湯船の方を見た。
「おしっこ大丈夫なの?」
そこか…。 正直、耐えれそうにない。 さらに、姉と一緒に入った挙句、おしっこまで見られてしまうのは屈辱だが…。 昔から知っている姉の前でならまだいいような気もしてきた。 大丈夫だと答えたが、俺はシャワーで体を流しながら、おしっこする羽目になった。 体を洗い終わって報告。
「もうしたよ」 「うん、見てた。顔がだんだんスッキリしてたよ」
笑い顔に変化しながら、言われた。 そんなところまで見られてるとは、俺、もうお婿に行けない…。 姉は湯船からでない。 体は器用に隠している。
「入りなよ」
そんなに広くはない浴槽だけど、体育座りして場所を譲ってくれる。 狭い浴槽に入る俺たち。 いきなり爆笑する姉。
「どうしたの?」 「さっきのアンタのオシッコを思い出したww」
俺、どうすりゃいいんだ? 落ち込む俺を励ます。
「昔はよく入ったのにね」
いろいろ昔のこと想い出す。 当然、お互い気まずい想い出もあるせいで、無言だった。 家の風呂に大人二人で入ったのは初めてだったので、狭さを感じる。
姉から上がるが、風呂と脱衣場の扉は開けたまま着替えた。 当然、俺は後ろ向いてる。 部屋に戻って姉は髪を乾かす。
<続く>
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