牝獣(ひんじゅう)となりて女史哭(な)く牡丹の夜 ——日野草城
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15-06-14 05:51
女の子が咥えていく順番は、女子のキャプテン任せになる。 目隠しをされているそれぞれの子の口を、女子キャプテンは、男たちのチンポの前へと持っていき座らせ、咥えさせる世話をするのだ。
この会に参加していた頃、俺はいつもいつも、この瞬間が一番昂揚した。 胸が高鳴り、女の子の口が待ち遠しくて胸が焦がれたものだ。 今はしかし、そのどんな時よりも、激しく鼓動が高鳴っていた。
男は声をもらせない。 しかし様子を見ていれば、咥えてもらったかどうかはすぐ分かる。 俺の右隣、5番目の位置に立つBがまず、その素振りを示した。 (次は俺か?)
しかし、続いて俺の左側、1つ向こうのAが咥えられたらしい。 Aは腰を前にせり出し、奥深くまで咥えてもらおうとしていた。 (バカ!お前が誘わなきゃ、こんなことにはならなかったんだぞ!) そして今まさに、俺の左隣のDが身悶えた。
残るは俺と木下… やがて、木下が腰を震わせた。 咥えられたのだ。 (俺がラストか…頼む、真奈美であってくれ。真奈美、俺のを咥えろよ!) 念じる俺の股間で勇ましく勃起するチンポが、温かい口にクチュっと包まれた。
咥えられる刹那、このゲームの記憶を俺は思い出していた。 (俺がラスト!?)
ラストに咥える女子は、必ずキャプテンなのだ! つまり真奈美は… (まっ、真奈美っ!真奈美は、真奈美はっ!?)
俺のチンポを咥えているのは真奈美じゃないっ!
俺は気が狂いそうだった。 (止めさせなければ!) なのに、腰から力が抜け、膝がガクガクと震えて動けない。
しゃぶられるチンポはとろけそうに熱く、ジュクジュクとガマン汁をしたたらせているのがわかる。 (だっ、誰が真奈美を…真奈美は誰のチンポをしゃぶってるってんだ…) 絶望に近い気持ちが湧き起こる。
じゅる、じゅぼぽ… ちゅっ、クチュクチュクチュ… ずちゅ、ずちゅ、じゅるる…
幾つものこもったフェラ音がこだまして聞こえる。 俺はもう、頭がおかしくなりそうだった。 (早く、真奈美…真奈美を…早くしないと…あっ!あぁ!おっ、あぅおぉぉ…)
唐突に、俺のチンポは射精を始めた。 物凄い勢いで、物凄い量の精液を噴出しているのがわかる。 (あ、あ、あ、あぁ…)
言葉にならない。 亀頭がふくらんで破裂したか思うくらい、とんでもない量の精液が出る。 それでも、俺の向こうのパートナーは唇を止めない。 温かい、柔らかい口で、俺の怒張のようなチンポを舐めしゃぶり、唇でしごき続けるのだ。 (あぁ、美穂、頼む。もう離してくれ…) 俺の向こうは、キャプテンの美穂に違いないのだ。
俺は、ようやく長い長い放出を終えた。 フラフラとした足取りで、サンルームへと這うように向かう。 どれほどの時間が経過したのかもわからない。
だがまだ、俺以外は4人とも果てていなかった。 (この中の誰かが、真奈美にしゃぶられてる…) 俺は、力を振り絞るようにサンルームへと出た。
そこには、既に美穂がいた。 「見て、アキラ!凄いよ」 美穂に言われるまでもなく、俺は確かめなければいけない。 (ま、真奈美は誰と…どいつが真奈美に…)
真奈美は、一番先頭にいた。
一番先頭の者の陰になるから、男女限らず、2番目以降の者の様子は、1番目の者の背中側から回り込むように見ないと、その様子を観察できない。 けれど一番先頭は、障子を挟んで咥える様子が、つぶさにわかる。 先頭だけが唯一、男と女の両方の様子を拝めるポジションなのだ。
俺たちはそれを、「ポールポジション」と言っていた。 そのポールポジションに、真奈美がいる。 咥えているのは、木下の巨根チンポだった。
(真奈美…) 俺の心は虚ろだった。 思考は無に落ちる。
木下の20センチほどもあろうかと言う長大なチンポを、目隠しをされた真奈美は、雁首のエラを丸々と猛らせた亀頭から逞しくぶっとい肉棒の根元近くまで、口を目一杯に開いて、懸命にしゃぶらされていた。
じゅじゅ、ずるると、木下のチンポを飲み込んでは、唇をめくり返すように亀頭まで吐き出していく。 木下の長大なチンポの肉棒が、真奈美の唾液で濡れ光っていた。
ずぽぽ、っと音をさせ、真奈美は、とうてい口にはおさまりきらない大きさの木下の巨根を、舐めしゃぶっていた。 俺は、気が遠くなっていくのを感じた。 (どうして…なんで…真奈美…)
一気飲みした酒のせいか、顔を高潮させフェラチオする真奈美の顔が、俺の知らない真奈美のような気がする。 俺の全身の力が抜けていく。
「すごいね、真奈美。あんなおっきなちんちん、しゃぶりこんでる…」
囁いてきたのは美穂だった。 美穂はひざまづく俺の後ろに回りこみ、背中側から、俺のチンポを手コキしてきた。 (勃ってるのか?俺…)
俺は、真奈美が木下の極太長大チンポをしゃぶるのを見て、ついさっきおびただしい量の射精をしたくせに、股間のイチモツに血をたぎらせていた。
「アキラのちんちんも、すっごく固くなってるね」
美穂の手コキに、俺はビクンと体を震わせてしまう。 真奈美の口は、木下のふくれあがった亀頭部分をスポっと咥え、どうやらねっとりと舌を使って、舐めしゃぶっているらしい。 (なんで、どうして…真奈美、そんなにまで…あっ…)
俺は2度目の射精をした。 美穂が、ゴシゴシと勢いよく俺のチンポをしごく。 俺のチンポの先っぽから噴出した精液は、真奈美の足元まで飛んだ。
脱力した俺は、視線を感じて目をあげた。 そこには、勝ち誇ったような木下の顔があった。 「ちっちゃ」、と言われた言葉が、俺の頭にガンガンと響く。
「うっわ、真奈美ちゃん、すごっ…」 「やだぁ。あんなにおっきなの、しゃぶってるんだ」 「舐めるねー、あの子。凄いじゃん」 「真奈美ちゃん、淫乱おしゃぶり姫みたいだな」
次々と、放出を終えたペアがサンルームに集まり、口々に、真奈美の木下へのフェラを賞賛する。 木下が、自分の両手を障子に突き刺した。 そして、真奈美の顔を自分の股間に引き寄せる。
亀頭しゃぶりはもうそのくらいで、もっと深く咥え込んでくれ、という意志表示らしかった。 真奈美の唇が、再び、木下の長大な怒張を飲み込める限りスロートする。
「うぉー、真奈美ちゃん!いくねー!」 「わー、あんなに奥まで、頑張るなー」 「羨ましいぞ、木下」
囃し立てる声に俺は、 (やめろ!無理やりに真奈美の口にそんなモンを押し込むな!) 怒りらしき感情が、ようやく湧きかけたその時だった。
木下はその手を離し、ホールドアップしておどけた。 真奈美の唇は、木下の手が離れても滑らかに動いていた。 (ぶっとくて逞しいチンポが好きで、真奈美センパイは好んで自分からフェラしてるんだぜ!) 木下の顔は俺に向かい、雄弁にそう物語っていた。
「ぬぉっ!いくぜ!」 口を封じられていない木下がそう言うと、腰を突き出して、真奈美の口を求めた。 一瞬、真奈美の口の動きが止まった。 が、すぐにまた動き出し、木下のチンポを咥え込んでいく。
木下のチンポが脈打つのがわかる。 口に入りきらないほどの怒張を咥え込んでスロートする真奈美の口からは、真奈美の唾液と木下の精液がまじった、白く濁った粘液がトロトロと垂れた。
「アキラ…」 Aだった。 Aが俺の肩に手を置き、俺を見つめていた。 俺はその時ようやく、涙を流して泣いていることに気付いた。
木下がサンルームに出てきていた。
「提案!もう1回戦、しません?今度は、女の子は立ちバック体勢でお尻向けてもらいまーす。男はチンポを突き刺して、女に挿入してもらうのを待つ!どうっすか?」
うな垂れた俺と、俺に同情するA以外、全員が賛意を示していた。 真奈美は、まだ目隠しをされたままだった。
○ェリスの女の子たちの目当ては木下の巨根の味わいのようだ。 男たちはどいつもこいつも、ハメたいということしか頭にないのだろう。
「よっしゃ!多数決で決定!」 「真奈美、いい?」
美穂が訊いていた。 真奈美は頷いた。
「それではぁ…もいちどクジ引きフォーっ!」 木下の雄叫びが、愉快そうに響いた。
俺の相手は、またも美穂だった。 今度も一番先に果てた俺は、夢遊病者のようにしてサンルームに辿り着く。 そこには同じ光景があった。 同じ以上の、真奈美の媚態が繰り広げられていた。
一番手前に、真奈美は立ったまま後ろから、木下に貫かれ、快楽に揺さぶられていた。
「あぁっ!あん!あぁぁ…すごい、すご…あうぅ、もう、もう…あぁ、はぁぁ…」
木下のチンポに悶える真奈美の悦び声が、別世界の出来事か悪夢のように、俺の耳に遠く聞こえた。
真奈美は、白いお尻を障子に密着させ、木下のチンポを、より深く秘肉の奥へ欲しがっている。
呼応するように木下は、またも両手を障子の向こうへと突き破り、真奈美のその尻を押さえ、猛り狂ったように太く逞しい怒張を出し入れする。
「真奈美ちゃん、また木下となのかよ」 「ねぇ見て!すごっいよ!ちんちんズブって入ってる」 「すごーい!ほらほら、腿まであんなに濡らして…」 「真奈美ちゃんのアヘ顔、そそるな~」
ハメ終えた奴らの素直な感想が、一言ごとに、ひと突き、ひと刺し、俺の心臓をえぐっていく。
「真奈美センパイ、手!手ぇ、こっちによこして」
木下が言うと、真奈美は従順に手を後ろに差し出す。 木下がそれをつかんだ。
「あーーーっ!あ、あぁ…いい、すごい深い…あぁ、いいっ、すご…」
両手首を木下に握られて後ろに引かれ、全身を後ろに預けて木下を受け入れる真奈美は、背をのけぞらして喘ぎ悶えた。
「真奈美センパイ、すっげー!締め付け最高っすよ!」
もう、俺に理性はなかった。 木下を殺そう、そう思った。
「やめろっ!木下っ!」 Aが、木下の腰に体当たりしていた。 けれど、ガッチリした体躯の木下に、小柄で細身なAは余りに非力だった。
挿入したまま仁王立ちの木下はビクともせず、飛び込んでくるAへ膝蹴りをぶつけ、Aをあっけなく弾き飛ばした。
「あー、駄目だ!いくいく、出る!真奈美センパイ、出すよ!」 「あっ、あぁっ、すごっ、あぁぁ…あ、う、あぁ…」
真奈美の体内奥深くまで精液を注ぎ込むように、木下は長大なチンポの全てを真奈美の股間に埋めこみ、ドクドクと放出していた。
射精を終えた木下に手を離された真奈美は、崩れるように、四つん這いの恰好で床に落ちた。 頭をグッタリと床に下げて放心する真奈美は、自然、尻を掲げる恰好になる。
その逆さの秘肉の合わせ目は、俺たちのいるサンルームを向いていた。 真奈美の媚肉の合わせ目から、木下の放った白濁した精液が、ドロリ、ドロリと溢れ出てくる。 じわじわと溢れ出しては、ドロリと垂れ流れていた。
俺の記憶はそこまでだ。 その先はもう、覚えていない。
ゲームの3日後、俺のアパートにAが来た。 クジの順番など無視して最初から真奈美を陥れる、木下と美穂に操作された姦計だったことを、俺はそこでAから聞いた。 Aは、木下に多額の借金があったらしい。
「それをチャラにしてやる替わりに、真奈美センパイと交わらせるチャンスを作れ」、と迫られたらしい。
Aは渋った。 「じゃ、俺と真奈美センパイを一緒に障子ゲームに参加させろ。そうすれば後は、俺と美穂センパイで上手くやる」 と持ちかけられた。
Aが手配したのは、もともと呼ぶつもりのなかったCを除く全員への召集令状と、キャプテンを決めるアミダクジにそっと目印をつけたことだけらしい。
「アキラ、すまん。許してくれ…」
俺の前でAは、嗚咽し、落涙していた。
俺はAを3発殴り、 「呪い殺すまで憎んで、恨む。お前が死んでも許さない」 そう伝えた。
Aが自殺したのはその1週間後だった。 「ゴメン」、とだけ書き置きがあったらしい。 俺がAの死を伝え聞かされたのは、通夜も葬式も済んでからのことだった。
Aが死んで、ちょうど半年になる。 真奈美は木下の部屋で同棲し、今も木下のチンポの虜でいるらしい。 美穂は、たった1度の中出しで俺の子を身ごもった。 卒業したら間もなく、俺は父親になる。
許したわけじゃない。 許せる時はこないだろう。 でもあの時、木下にぶつかっていったAの気持ちを、俺は親友のそれだと信じる。
Aはゲームを悔やんでいた。 俺も、Aへぶつけた言葉を悔やんでいる。 許せるわけじゃない。 けれど、Aはもう二度と戻ってこない。 真奈美も戻らない。
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