牝獣(ひんじゅう)となりて女史哭(な)く牡丹の夜 ——日野草城
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15-06-14 07:12
旅館に着き、ひと休みすると次は夜の宴会が待っていました。 女子社員やパートのおばさん連中もいるので、接待の時のように妻が動かされる事は無いのですが、当たり前のように妻の席は叔父の隣でした。 その時31歳、温泉に入り少し上気した顔に、髪をアップにした妻はとても艶やかで、自分の妻ながらそそられるようでした。
実は、私と妻が夫婦だという事を特別公表していなかった為、叔父と妻の隣り合う姿を見ている社員達の中には、妻を『社長の愛人兼秘書』と見ている者も多かったのです。
その時、私の隣に座っていた男性社員も、妻の事を『妾さん』などと表現し、厭らしい誉め文句を並べていました。 宴も進み、いよいよ盛り上がってくる頃には、叔父と妻のカラオケデュエットが連発され、肩から廻された叔父の手は、明らかに妻の胸元に潜り込み、乳房をまさぐったりしていました。
私は居たたまれなくなり、何度もトイレに立ちました。 叔父と妻の、何回目かの歌が終わった頃宴会場に戻ると、叔父は妻に何か耳打ちしていました。 妻が首を横に振っているのは見えました…叔父はそれを無視するかのように、妻の肩を軽く叩いてから、一人立ち上がり宴会場から出てしまったのです。
後に残された妻は、なにか考え込んでるような表情で、心がそこに居ないかのようでした。 心配になった私が立ち上がり、妻に近寄ろうとした時。 やや先に妻の方が立ち上がり宴会場から出て行ったのです。 気分でも悪いのか…そう思って後を追おうとしました。 しかし隣に座っていた男性社員が呟いたのです。 「いいなぁ、社長はこれからお妾さんとお楽しみかぁ…俺たちも、場所変えてハメはずしますか?」
その言葉に鳥肌が立ち、一気に血の気が引いていくのを感じました。「まさか…」 その一語だけが頭の中を駆け巡って、すぐには立ち上がる事もできませんでした。 社長が中座した事で場はお開きムードになり、何人かずつのグループで二次会に繰り出す事になりました。 私はその時点でやっと立ち上がる事ができ、二次会の誘いも耳に入らない状態で、叔父の部屋へと歩きだしたのです。
叔父と妻が宴会場を出てから、すでに30分位は経過していたでしょうか。 私は叔父の部屋をめざして旅館内を歩きました。頭の中は宴会場で男性社員に言われた、「社長と妾さんはこれからお楽しみか・・・」の言葉でいっぱいになり、押し潰されそうでした。
叔父の部屋は廊下一番奥にあり、入り口に格子戸、その奥にさらに襖が見えます。 ほかの部屋より間口も広く、豪華な造りでした。 心臓が飛び出してしまうかと思うほど高鳴るのを感じながら、私は格子戸を静かに開けました。 周囲にはほとんど雑音が無く、遠くから時々笑い声と喋り声が聞こえる程度です。 格子戸を開け、襖に近づいて耳をつけてみました。叔父と妻の会話位は聞き取れるかと思ったのですが、驚くほどに襖の奥は静寂に包まれていました。
もしかしたら部屋には戻っていないのか・・・そう思って立ち去りかけた時、奥から微かな人の声と、気配が感じられたのです。 意を決して襖を小さく引きました。 そこは常夜灯が灯っているだけで誰もいない繋ぎの間のようになっていました。 その奥にさらに襖があり、それを開ければ叔父と妻がいるはずです・・・ 男の低い声が、さっきより大きく聞き取れるようになりました。 内容までは聞こえないのですが、間違い無く叔父の声でしょう。 私は繋ぎの間に足を踏み入れ、奥の襖に手をかけました・・・
襖を少しずつ開けます。 電気はついていました。 私の目の前には、布団に仰向けに横たわる叔父がいます。 襖を開けた事には気付いていないようで、私はさらに襖を引きました。 妻がいました。
叔父の股間に顔をうずめ、上下させているのは間違いようも無く、私の妻でした。 初めて見る他人の性行為…しかもパートナーは自分の妻です。 厭らしい音をたてながら、必死にフェラチオしていました。 なによりも怒りと嫉妬が、私の心を支配します。 しかし、手を掛けている襖を思い切り開く勇気も無く、私は見続けました。
叔父と妻は無言のまま、かなりの時間フェラをしていました。 叔父が「やめろ」と言い、妻は顔をあげます。 そして叔父はなにやら妻の体を動かし、妻は叔父の顔に性器と肛門をあらわにして、叔父の体にまたがった状態で、またフェラを始めました。 69の体勢です。
また無言の時間が続き、しばらくすると、叔父は妻に言いました。 「澄江、自分で入れろ。」異常な事態を目の当たりにしながらも、私は食い入るように覗いていました。 妻は叔父のペニスに手をかけ、自分の体を移動して膣にあてがったのでしょう。 ゆっくり腰を落として妻は大きく息を吐きました。 そして、叔父の体にまたがり激しく上下運動する、自分の妻の姿を延々見続けました。 かなり長い時間見ていたと思います。
妻は小刻みに喘ぎ声を発し、叔父は唸るように息を吐いていました。 「澄江、いきそうだ…」 叔父がつぶやくように言います。 続けて、「どうだ、旦那の存在を近くに感じながらするのは?」と、問い掛けました。 妻はただ首を横に振るのが精一杯でした。 小振りな乳房を揺らしながら、妻はかすかな声を発します。 「カズくん(私の事)の事だけは言わないで…」
叔父はその言葉を無視するように下から突き上げ、さらに妻をよつんばいにして責めました。 妻の声は少しずつ抑制がきかなくなり、部屋の外にも漏れそうな程です。 妻の尻を掴んだ叔父が言いました。 「澄江、そろそろ本当にいくぞ、今日こそは種付けするか?」 薄ら笑いを浮かべています。
妻は必死で頭を横に振り、「お願い、それだけはしない約束じゃないですか…」と囁くように言いました。 叔父は「まだダメか?」と笑いながら、さらに激しく、妻の体が揺さ振られるような状態で腰を動かし、勢いよく妻の膣からペニスを抜き出して、尻に放出しました。 その後、妻は何も言われないままに、叔父のペニスを口に含み、後始末までしていました。 叔父に浴衣を着せ帯を絞めおわってから、ティッシュを取り、自分の尻を拭う妻でした。
叔父の会社の忘年会兼慰安旅行で、私は漠然と抱いていた叔父と妻に対する、不信感・違和感・不安感という感情を、現実の行為として目の当たりにしました。 叔父と肉体関係を持ち、しかもそれは昨日今日始まったというような、不自然さを感じさせるものではありませんでした。 ただ、初めて目の当たりにしたその夜の、妻の姿を見る限りでは、決して妻が好んで叔父との性関係を持っているのでは無い・・・という印象を受けました。
私の先見の明が無いばかりに、会社を債務だらけにし、倒産・・・夜逃げか首を括・・ そんな状況まで陥り、ワラをも掴む思いで叔父に援助を乞いました。 叔父は借金返済のみならず会社整理までやってくれ、私は職を失う事無く、叔父の会社に雇ってもらう身となりました。
そんな状況の中で、妻は金銭の受け取りなど私の代わりに、叔父と接触する機会が増え、経理事務の名目ですが、実際は叔父の秘書のような仕事をするようになりました。
夫の私が言うのもなんですが妻は31歳をむかえ、若い女性にはない、熟し始めた色香を漂わせ、また、子供を生んだことのない体型は崩れることなく、私が初めて妻を抱いた頃とほとんどかわらない。 小ぶりの胸は大学時代より成長してないまでも、丸み帯びたお尻と、括れたウエストがメリハリの良い体のラインを強調させる。 また、容姿もずば抜けた美人とまではいかないまでも、人前に出しても恥ずかしくない ・・・いや、正直に言えば可愛い部類に入ると思います。
その妻を、親戚の間で好色として、鼻つまみ者の扱いをされてきたような叔父に、深く関わらせる事には不安があったのも本心です。 叔父は、二度離婚し、その原因は全て叔父の女性問題でした。 自宅とは別にマンションをいくつか持ち、愛人との多重生活を送る日々だったようです。 女は男の性のためにのみ存在する・・・私がまだ20代前半の頃、親族の集まりで、公然とそう言い放つ叔父の言葉を何度も耳にしました。
そんな叔父です・・・甥っ子の嫁といっても、その本性を剥き出しにする可能性は否定できませんでした。 今にして思えば、それをわかっていながら、妻を差し出してしまった・・・ 妻と私の生活の為と言い訳しても、実際はそういう事になるのでしょう・・・ 話を3年前の旅行の夜に戻します。 叔父と妻の性行為を覗き見した私・・・ 叔父は直前まで妻の膣内を陵辱し、最後は尻に放出しました。
それを拭き取るよりも先に、妻は当たり前のように叔父のペニスを口に含み、残った精液を搾り取るように後始末までしていました。 私とのセックスでは、一度たりともそんな行為をした事は無く、それを求める事もありせん。 セックスの後は自分で拭くのが当たり前でした。 妻はそのまま叔父に浴衣を着せ、帯まで締めてやり身支度を整えてから、やっと自分の尻と膣を拭き浴衣を着込みました。 そんな妻の姿を私は呆然と見つめていたのです。
叔父は時計に目をやり、飲み直すために旅館内のスナックへ行くと、妻に告げました。 私はそのあたりでやっと意識を取り戻したような状態になり、襖を静かに閉め立ち去りました。 一人部屋に戻り、眠ってしまおうと思っても、なかなか寝付けません。 その時、私の携帯が鳴りました。 妻からです。
電話口からは、妻の声が聞き取れない程に、カラオケの歌声と人の笑い声が聞こえてきました。 その時の私には、自分を蔑み笑っている叔父達の声のように聞こえました。 妻は、 「社長があなたも誘えって・・・一階のスナックで二次会してるのよ。会社のみんな集まってるんだけど、あなた居ないから私心配しちゃったよ・・・」 しらじらしい妻の言葉に、怒りと嫉妬で声を荒げそうになりました。
しかし結局それすらもできず、私は気分が悪いから・・・と断り、妻に一言だけ声をかけました。 「宴会の途中で居なくなったけど、どうしたの?」 私の言葉に、妻は返答を困ったようでした。
「私も気分が悪くなって・・・部屋で少し休んでたの・・・」 当然といえば当然の嘘が返って来ました。 妻のどんな返答を期待してそんな事を聞いているのか・・・私は、自分自身が情けなく、 「あんまり飲みすぎるなよ。」と声をかけ、電話を切る事しかできませんでした。
<続く>
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