牝獣(ひんじゅう)となりて女史哭(な)く牡丹の夜 ——日野草城
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15-06-14 08:28
なんだろう。 そこにあってはならないもの。
はだかの、文字通り一糸まとわぬ素っ裸の女が、ひざをかかえるようにして、しゃがんで下を向いてそこにはいました。
「・・・・」 声にならない僕
「さてと続けようか、心配するな○○(僕のこと)は俺たちのこと知ってるし」 「あの写真も見ちゃってるんだから、誰にも言わねえよ」 Mがそう言いながら窓際に近づきます。
「お願い、服を返して」裸の女が小さな声でいいます。
リーダーだ・・・・
「続けないなら俺は帰るよ」Mが足元にうずくまる裸の女を見下ろしながらいいます。
リーダーは少しいやいやをするように左右に頭を振るようにしましたが、すぐに手をのばしてMのチャックをあけ、起立した男根を手馴れたようすで取り出すとなんの前触れもなく、股間に顔をうめました。 そうして、その頭が前後へと繰り返し動きはじめます。
そうです、会社で、会社のなかで、素っ裸のリーダーがMにフェラチオ奉仕をしているのです。
僕はただ呆然とその光景を眺めているしかありませんでした。
Mの分身の根元に右手をそえて一心不乱に頭をふりつづけるリーダー。 やがて、そのときがきてMが射精したのがはっきりとわかりました。 そして、リーダーはそれを飲んだのです。
なにをしているんだこの二人は? ここは会社だぞ。 応接室とはいえ女が会社で素っ裸になるなんて・・・ それにフェラチオ、ここは会社だぞ。 僕の思いは声にはなりません、ただ立ちつくしていました。
チャックをしめるMにリーダーが弱々しく言います。 「お願い、服をかえしてください」
僕は一言もしゃべれず、目でMに質問していました。
「ああ、全社に写メ流されるよりはって、脱いだから、そこのキャビネットに服入れて鍵かけちゃったんだ」 「鍵は俺が持って、そろそろ帰ろうかなと・・・」
「お願い、そんなことしないで、お願いだから服もかえして・・」 ほとんど哀願にちかいような声でした。
M「う~ん、おまえ態度かわってないらしいじゃん」 「その素っ裸の格好でも同じようにできるか、みんなに見せてやれよ」 「さて、俺は帰るから」
リーダー「待って、お願い、ごめんなさい」 「お願い、これ以上いじめないで、もう十分でしょう」 「お願いだから鍵を、服をかえして」
M「俺もう満足だよ」 「でもなあ○○(僕のこと)とかほかのみんなは、どうだろう」 「素っ裸さらして、みんなにわびるんだな」
リーダー「お願い、もう二度としないから」 「そうしろって言うなら、会社もやめるから」 「お願いだから服だけは返して」
M「そうか、それじゃ最後のチャンスをやるよ」 「一度しか言わないぞ、そのとおりにしなければ ジ・エンドだ。」 「俺は本当に帰るし、Sがここで裸になってるって聞けば、みんな見に来るんじゃないかな」
次にMの口から出たのは信じられない言葉でした。
M「そこのキャビネに手をついて、尻をつきだして、お前の大好きなバックで○○(僕)にやってもらえ」
Mが何を言ったのか、僕には瞬間には理解ができませんでした。 でも、僕が言葉の意味に気づくのと、リーダーがMの足元でつぶやくように答えるのが同時でした。
「わかった、わかったから、もうやめて」 「すればいいんでしょ、するわよ、もうどうせ同じだし」 「だから服を、鍵をかえして」
僕は喉がカラカラになってしまいました。 Mの言葉でさえ信じられない提案だったのに、まさか、あのリーダーが、そんな無茶な提案を、それを受け入れるなどとは。 しかも、ここは会社です。 もう何がなんだかわからない気持ちで、ただ呆然と立ちつくしていました。
リーダーは今までペタリと座りこんでいたMの足元からノロノロと立ち上がりました。 最初はうずくまるようにしていましたし、フェラのときはMの腰から下に隠れるような感じでいたので、あのお高くとまったリーダーが裸でそこにいるという衝撃はあったものの、それほど全てがあからさまになっていたわけではありませんでした。
それだけに、立ち上がったリーダーの姿は、僕の心臓をとめてしまうのではないかと思えるような光景でした。
写メで確認済みの、ほどよい大きさの乳輪にのった、ピンク色と茶色がまざったようなぷっくりした乳首。 それを支える美しい形をしたおっぱいが、今度は写真ではなくて立体的な生々しさで近づいてきます。
写真ではわからなかったのですが、おへその下あたりの土手のふくらみは圧巻の存在感で、少し薄めの黒い陰毛が、ますます土手の存在感を強調しているかのようです。
あのリーダーが、国大出でいつも僕たちを見下すようにお高くとまっていたSさんが、まるで奴隷女のように、みじめに裸体を揺らしながら僕に近づいてくるのです。
写メなんか、まったく問題にならないくらいの、衝撃的な光景です。
つかの間、僕は素っ裸のリーダーが僕の腕のなかに倒れこんでくるのではないかという錯覚にとらわれました。 しかし、実際にはリーダーは僕の少し手前で横を向くように向きをかえて、そこに置かれている2段キャビネットに無言で両手をつきました。
腰下ほどしか高さのない2段キヤビネットに両手をつけば、自然に状態を前に倒すような姿勢になります。 その姿勢になると重力の助けもあって、美しい乳房はさらにその存在感を増しています。
僕はゴクリと唾を飲みました、垂れ下がった両の乳房は後ろから羽交い絞めにして、滅茶苦茶に揉みこんでほしいと訴えているかのような錯覚を僕に与えます。
そして最初は両手をついただけだったのが、リーダーはさらに、肘を下げていき両手をあわせて、手首から両肘までの上腕を全てペッタリとキャビネットの上面にくっつけ、その腕の中に頭と顔を沈めていきました。
キャビネットの上に上半身をつっぷしたような格好です。 それはまさに観念した女奴隷の屈服の姿勢とでもしかいいようのないものでした。 腰下のあたりまでしか高さのないキャビネットに突っ伏していながら、両脚はぴったりと閉じて真っ直ぐに伸ばしているので、尻がつきだされるように一番高い位置にきています。 太ももの頂点と、尻たぶの一番下あたりには、ぴつたりと閉じられた両脚のわずかな隙間から先程まで露わだった陰毛が、今度は男を誘うかのように今度はわずかにその茂りをのぞかせています。
「開かなきゃできないだろ」
ふいに低く冷たいMの声が響きました。
食い入るように見つめる僕の眼差しのその前で、キャリアの女上司は全てをあきらめたかのようにそろそろと両脚を広げていきました。 肩幅くらいまで、両脚が開ききると、女としては恥ずかしすぎる姿をリーダーは僕に晒すことになってしまいました。
リーダーは顔をキヤビネットにつっぷしたまま、魂が抜けたような声で、僕に話しかけました。 「○○君、私のこと嫌いだよね」 「今までごめんね、これで気が済むんなら、私はもういいよ」 「もういいから、なんとも思わないから、はやく終わらせて」 「それから、お願いだから、なるべく見ないでほしいの」
見るなと言われても、それは無理というものでした。 その言葉に従おうとしても、高く突き上げられるように、僕のほうに向けられた白くて重量感のあるヒップは、尻だけではなくて、あまりにもあからさまに全てを曝け出していたからです。
一度も陽を浴びたことがないかのような真っ白な尻たぶには、今しがたつけられたのが誰の目にも明らかな、赤々とした手形が4つ5つ残っています。 どうやら、僕が部屋に来る以前に、Mはまたリーダーの尻に平手のスパンキングを刻み込んでいたようでした。
しかし、その痛々しいスパンキングの名残りよりも、やはり目をひきつけるのは、会社の応接室というこのような場所では、決して人の目に晒されるはずがない、肉襞も陰核もあらわにした女の道具と脚が開かれたせいで皺の数まで数えられそうなリーダーの肛門でした。
どんな女も、こんな姿を男に見せはしないな、こんな姿を見せてしまっては終わりだな。 ボウッとした頭で、僕はそんなことを考えていました。
もうそこにいるのはキャリアの高慢な女上司でもヒステリックな性悪女でもありませんでした。 挿入を待ち構えて、男根を打ちつけてもらわんがために、穴という穴を無防備にあらわにした尻を、自らつきだしている、ただのメスの姿でした。
あとは僕の思うがままです。 ズボンをおろして、その淫らな二つの尻たぶに手を添えるだけで、今まで僕を散々にコケにしてきたリーダーに男根の洗礼を加えてやることができるのです。 見下していた僕にピストンされてヒイヒイと鳴くリーダーの痴態を楽しむことができるのです。
でも、僕の心は浮き立てはいませんでした。 全裸で乳房を虚空にたらし、立ちバックでの挿入を悲しく待っている、そのメスの姿は、大嫌いなあの高慢女上司とは全く別の存在にしか思えなかったからです。
たしかに淫らな光景でした。 股間も硬くはさせていました。 でも、劣情よりも、あまりにも哀れすぎる、その姿への同情心のほうが圧倒的になっていました。 心のどこかでは「後悔するぞ、格好つけてないでやっとけ」という声がしていたのも確かです。
我ながら腰抜けというか気の小さいヘタレな男だなと思います。 でも、やはり、この可哀想な女性をこれ以上貶めることは僕にはどうしてもできそうにありませんでした。
「もういいよ、やめよう。」 僕はMに言いました。 「俺も、もう十分だ、鍵返してやれよ」
Mの視線が今までつきあってきたなかでないくらいに暗くなったような気がしました。 「ちぇっ、いまさら自分だけ格好つけるかな」 「いつも、やっちまいたいって言ってたくせに、いまさらいい子ぶるんだ」 「本当はやりたいんだろ、やっちまえよ、そいつもその気なんだ、濡らしてんの気づいてるだろ」
Mの言葉を聞いているうちに僕の気持ちは、かえってどんどん冷えていくようでした。 「もう許してやろうぜ、こんだけ惨めな思いしたら、Sも堪えたはずだし」 「それに、やりたくても、この状況じゃ、もう勃起しそうもないよ」 「鍵返してやれよ、不満なら、あとで埋め合わせはするから」
「ちっ」 わざとらしい舌打ちをすると、Mはキャビネットの鍵を僕に投げてよこしました。 「好きにしろよ、俺がいたんじゃ、やりにくいだろうしな」 吐き捨てるように言うと部屋を出て行きました。
リーダーはキャビネットから体を離すと、最初のようにキャビネットの前にしゃがむようにして両腕で体をしっかりと巻くようにして小さくなっていました。
「安心して、本当になにもしないから、服をだしてあげるから、そこをどいてくれる?」
「うっ、うっ、うっ、」 そのとき、今まで気丈にふるまっていたリーダーが泣き崩れました。 キャビネットの引き出しの前に全裸で座ったまま泣いているのでキャビネットを開けて服を出すこともできません。
僕が近づくと、ハッと体を堅くしたのがわかりました。 リーダーは僕の意図を誤解したようでした。 さっきまで以上に腕に力をいれて膝をかかえていて、こちらを向こうともしません。 僕は無理矢理引き離すようにして彼女の右手首をもって、体から引き離しました。
「お願い、やめて」 リーダーが泣きじゃくるような鼻声で頼みます。
「これ、鍵だから、自分で開けてね、それじゃ俺は行くから」 彼女の右手をこじあけるようにしてキャビネットの鍵をねじこむように握らせると、僕も応接室をでました。 廊下を見回しましたが、ほかに人影はありません。
僕にとっては何時間にも思える出来事でしたが、気がついてみると、さきほどからまだ30分ほどしかたっていません。 Mの姿はオフィスにも見当たりませんでした。
僕は自分のデスクに戻りました。 オフィスはその時間でもまだ閑散としています。 時計が9時をまわるころになると一人、二人と人数が増えてきます。
Sリーダーも僕のあと20分ほどでオフィスへと何事もなかったかのようにもどってきました。 オフィスの入り口のあたりで一瞬何かを恐れるかのようにフロアを見回すように視線を泳がせましたが、そのあとは昨日までと全く変わらぬ、颯爽としたスーツ姿に、細いメガネをかけた理知的な顔立ちで仕事へと没入していきました。
僕のほうには一日中まったく視線を向けず、ひとつの仕事の依頼もしませんでした。 毎日が戦場のような、この会社の忙しさのなかでは、そのようなよそよそしさに気づく者がいようはずもなく、早鐘が鳴るような僕の胸のうちとは別に、まったく何事もなかったかのようにオフィスでの一日が過ぎていきました。
僕は頭の中で一日中、グルグルと無駄な思考をうずまかせていました。 これからどうしたらいいんだろう? また今までと同じように、何事もなかったように毎日が続いていくんだろうか? リーダーの僕への態度は変わるんだろうか? それはそれで周りの目とか気になって困るし・・ リーダーは会社やめるんだろうか? 僕にやめて欲しいと思っているかな? ・・・そして一番には、リーダーの白い裸体を脳裏に焼き付けるように、何度となく思い返していました。
デスクに座ってそれらしくはしているものの、仕事はまったく何も手につきませんし、実際になにもしていませんでした。 とにかく今日は早く帰ろう。 そう思っていました。
情けない話ですが帰れば、応接室での出来事を思い返してリーダーの肢体をオカズに自慰にふけるであろうことも自分でわかっていました。
やっぱり、Mのいうとおり格好つけずに、やっておくんだったかな・・・ もしかしたら、やらなかったことを一生後悔するのかな。
終業時間が近づいてきていました。 もちろん普段なら、それから4時間以上は残業で残るところです、仕事も実際には溜まっていました。 それでも今日は時間がきたらさっさと帰ろうと僕は決めていました。 さすがに今日ばかりは、リーダーも残業しないで帰ることを咎めるような元気はないだろうと思いました。
「○○君、ちょっと、これを頼みたいんだけど」 帰り支度を始めようとしていた私にリーダーが、この日はじめて声をかけました。
まさかとは思いましたが、朝あんなことがあったのに残業の依頼でしょうか、少しあきれた気持ちになりながら、僕はリーダーのデスクの前に立ちました。 無意識のうちに僕の視線は、今はスーツの襟元から覗く白いシャツに守られたリーダーの胸元にすいつけられています。
僕に向かって眼差しを上げたリーダーも、その視線の意味を、瞬間に察したようでした。 今はまったく素肌が露出してもいない襟元を隠すように、少し抑えるようにしながら、1枚の書類を私に渡しました。
「別に急ぎではないから、明日でも構わないからやっておいて」 普段ならリーダーがまず口にしない言葉です、いつもなら「今日中に・・」か「すぐにお願い」が口癖なのですから。 でも、フロアーの誰も特に気にとめた様子はありません。まあ他人のことなど気にしている余裕はないというところなのでしょう。
渡された書類は、実際は書類ではなく、ごく短い伝言でした。 「明日の21時、今日の事で話がしたいので××で待っています」
××はたまに社用で使うレストランバーです。 小さな個室がたくさんあるタイプの店で商談などにも使いやすいので、リーダーがたまに使っている店です。
話っていっても、あんなことの後で何を話せって言うのかと思いながらも、仕事の依頼ではなかったことに内心ほっとして、その日は帰宅しました。
その夜はとても安らかに眠れる気持ちではありませんでした。 写メのリーダーの写真を見ながら。キャビネットに突っ伏したリーダーを立ちバックの体位で、ひたすら犯し続ける様子を頭のなかで繰り返し繰り返し妄想して、一人寂しく慰めていました。
リーダーは理知的な顔立ちやそこそこのスタイルもあって、たしかに世の一般的な評価基準からいけば、悪くない女だと思います。
それでも、僕はどうしても彼女を好きになれるとは思えませんでした。 今朝のあんなことがあった後では可哀想という気持ちもないではありませんが、それでも彼女の性格や考え方、そういうものを思うと男女としての好き嫌いという気持ち以前に、正直、辟易とした気分になってしまうからです。
不思議なものです。 そんな相手が対象であっても、性的な欲望はこんなにも湧くのだというのは、僕にとっては新しい発見でした。
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