純情_ハッピーライフ-官能小説(happylives-novel)

牝獣(ひんじゅう)となりて女史哭(な)く牡丹の夜 ——日野草城

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純情

15-06-14 10:17

「本当に……するの?」

 黒髪の純情な少女は、か弱い声で言った。
 目の前にいる純情な少年はそれを聞き、仕方ないだろうという顔で「もう俺の部屋に来ちゃったんだから、するしかないだろ」と答える。

 少女は、うっすらと涙目になった。潤んだ瞳が、少年をなお興奮させる。

 ムクムクとわきあがるものがそろそろ我慢ならないので、とうとう少年は少女を押し倒した。
「きゃっ!」
 艶やかな髪がベッドの上で跳ねる。

 少年は、少女の唇をふさいだ。
 それはいつしかのように甘酸っぱくはなく、甘ったるく激しい、自分勝手なものだった。
 少女は抵抗することなく舌を入れられ、今まで体験したことのない感覚を味わう。
「んっ……」
 大好きな彼と、こんないやらしいことをしているんだ……そう思いつつも彼女はいつも少年のことを想い一人で行為に及んでいたため、不思議と嫌な感情はなかった。


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