狂女_ハッピーライフ-官能小説(happylives-novel)

牝獣(ひんじゅう)となりて女史哭(な)く牡丹の夜 ——日野草城

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狂女

15-06-14 10:39

僕たちの会話で芳美、続いて加奈さんも目を覚まし、正座をして僕に挨拶をした。皆、起きたばかりの化粧をしていない顔を主人に見せている事に気恥ずかしさを覚えているようで、僕もその年齢相応の生々しさに多少抵抗を覚える程だった。しかし、口を開けて眠っている母さんはもっとひどく、しわや肌荒れなどで毒々しさをさえ感じる。女にとって化粧がいかに大切かを今僕は実感したのだった。                       サイダーを全部飲んでトイレへ行き、その後女たちにも用を足させた。間も無く母さんが目を覚まし、僕たちに気付いて起き上がった。「おはよう・・・あ、おはようございます、雄一様・・・」「おはよう」母さんも仲間たちに合わせて正座をした。髪が乱れていて中年女のや!
れさえ感じた。早朝の日の光が部屋に差し込み、女たちの肌に照明を当てているようで、僕は皆に化粧をするように言って部屋を出た。                       化粧を済ませた母さんたちはいつものように朝食の準備をする。お手伝いさんとも違い、共同生活している女同士が飯の支度をしているのは何とも奇妙な光景だが、この頃ではそれにも慣れてきた。父さんはまだ起きて来ず、僕は一応今まで通りを装った。


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