桜の蕾も膨らみ始めた春先、高校3年生の孝弘は、高校最後の夏休みを自転車旅行で過ごそうと費用を貯めるべく、バイト探しに没頭していた。
(高校生だと中々、良いバイト無いよなぁ~こ れじゃぁ旅行にも行けない…)
孝弘は1人事をブツクサ言いながら閑静な 住宅街を一人歩いていると。
「バイト急募、男女不問、学生可」
貼り紙が目に飛び込んで来た・・・洋館風の 落ち着いた感じの喫茶店の壁に張り付けて 有った。
孝弘が店の中へ入って行くとカウンターの 中に40代後半の女性(店のオーナーの恵子48 歳)だった。
「あの~表のバイト募集の貼り紙を見たんで すけど…」
孝弘は緊張しつつ、カウンターの女店主に話掛けた。
「見てくれたのね?ありがとう、大学生?」
女店主は笑顔で孝弘に問いかけてきた。
「高校生たんですけど、ダメでしょうか?」
不安そうに女店主に聞く。
「高校生なんだ?大人びて見えるのね?背も 高いし、てっきり大学生生だと…まぁ、それは 良いとして学校は良いのバイトして?」
「ハイ!許可は取って有りますから…」
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