狂女_ハッピーライフ-官能小説(happylives-novel)

牝獣(ひんじゅう)となりて女史哭(な)く牡丹の夜 ——日野草城

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狂女

15-08-21 12:50

「私たち、この方のお世話になってるの」芳美が言い、「とっても素敵」と、加奈さんが僕の右腕を掴んで顔をもたせ掛けた。そんな僕たちの異常な関係に京子と佐智は嫌悪感が募ったのだろう、「君たちもおいで」と言うと、佐智が「結構です」と断って立ち上がった。京子も続き、やがて二人は海の家から離れて僕たちの視界から消えた。「嫌われちまったなあ」僕は呟き、コーラを飲んだ。「このままでいいんですか?」芳美が尋ねたので、「連れて来てくれ」と頼んだ。「はい」芳美は女子大生たちの後を急いで追った。                           しばらくして三人が現れ、芳美が「連れて来ました」と言って佐智と京子を目の前に立たせた。二人の女子大生は浮かない顔でいる。僕が黙っ!
いるので芳美は、「さあ、ご主人様の隣に座って」と二人を僕の左右に掛けさせた。「アバンチュールを楽しもう」そう言うと、こっちをちらっと見た。「今日の暑さに負けないぐらい熱い恋をね」「・・・」「佐智、京子」「・・・」年下の男に呼び捨てにされ、二人は不愉快になったのか?それとも心を掴まれたのか?娘たちに向かって智子や加奈さんも色々話し掛け、初めの内こそ佐智と京子は気乗りしない様子で答えていたが、いつしか再び心を開いて行った。「御主人様って精力絶倫なのよ」智子が京子に小声で言い、芳美も、「私たち、一度にまとめて愛されるの」とか、「もう、天国の毎日よ」などとおおげさに佐智の耳に吹き込むのだった。若々しい快活さと健全さに溢れ、大きな年齢差や近親間のセックスに抵抗!
のあった女子大生二人はそうした同性たちか!
の巧みな言葉で徐々にその異常さ、淫靡さに惹かれていった訳だ。                       しかしながら、陽性で開けっ広げな場所なのでさすがに女たちを抱けず、早く密室に入りたかった。炎天下に長く停めておいた車の中では無理で、どこかホテルにでも行こうかと思ったが、あいにくお金が足りない。仕方が無く、皆で僕の自宅へ向かう事に決めた。佐智と京子は佐智の赤い軽自動車で来たそうで、それに僕と智子が乗り、智子が運転する事にした。母さん所有のセダンはやはり芳美の運転だ。そんなふうに決めておいて僕たちは帰る準備を始めた。


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