セダンが智子たちの軽自動車を先導する形で帰路に就いた。智子は前のセダンを見失わないように注意深く運転しており、僕は助手席から後ろの京子や佐智に時々話し掛けたが、彼女らはさすがに不安になったのか会話は弾まなかった。言わば佐智の車を僕たちが乗っ取った訳で、その意味でも許せないだろう。「皆初めは嫌がるけど、慣れちまえばどうって事ないよ」「・・・」二人はお互いに車窓から外を眺めたり、前の僕や智子の方に目を向けたりしていた。時には、色々尋ねて不安を消し去りたいのか、「まさかやくざじゃないんでしょう?」とか、「私たちをどうする気なの?」などと聞いてくるのだが、それらに一々答えてやった。あまり優しくしていてはなめられるけれど、いたずらに恐怖心を煽ってしまっては身も!
も強張って、若々しい快活さを味わえなくなる。そんな僕とは関係無く智子は智子で、かつて性被害者だった自分が今や主人の手先となって同性たちを蜘蛛の巣に掛ける手伝いをしているのをどう思っているのだろう?性奴隷生活を楽しんでいても、捨ててきた夫や子供への罪悪感や未練は消えないだろうし、自由を謳歌している娘たちに対する嫉妬もあるだろう。そしてその自由を奪って幸せな生活を壊してやりたいという気持ちもあると思う。高校時代に加奈さんを犯すというサディスティックな一面がある彼女だ。天真爛漫な娘たちを自分と同じ境遇に落とし、更にその体を味わいたいどす黒い欲望を秘めているに違いない。智子、そして芳美や加奈さんも言ってみれば僕と同じ面を持っている。 !
途中、渋滞にはまって!
ロノロ運転になってしまった。「あんたら、トイレの方はいいか?」女子大生二人に尋ねると、「はい」(佐智)「いいです」(京子)という答えが返ってきた。「智子もか?」「はい大丈夫です」
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