狂女_ハッピーライフ-官能小説(happylives-novel)

牝獣(ひんじゅう)となりて女史哭(な)く牡丹の夜 ——日野草城

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狂女

15-08-29 12:50

前の車には後部座席に加奈さんと友里恵が乗っている。中々進まないので少し苛立ってきた。『この調子じゃあ、明るい内に帰るのは無理かもしれんな・・・』と思っていると、友里恵と加奈さんが振り返って僕に手を振った。僕も振ってやる。やがて芳美たちの車は走り出した。                            途中、ファミレスで早めの夕飯を取り、帰宅した時には薄暗くなっていた。智子は僕の自宅近くの車道の端に車を停め、大きなビニールの手提げ袋などを手にして皆降りた。佐智も京子も不安そうで、後から付いて来た。それから芳美たちと一緒になり、「これが俺の家なんだ」と、木造二階建ての自宅を指して女子大生二人に教えた。彼女らはそっちを見ただけで何も言わない。玄関の戸!
開け、皆入る。居間からはテレビの音声が聞こえ、母さんがソファに掛けていて僕を一瞥したけれど目を逸らした。「楽しかった」「・・・」奴隷四人に続いて佐智と京子も居間に入らせ、その姿を見た母さんは思わず眉間に皺を寄せた。「今日、海で知り合ったんだ」佐智と京子はおずおずと頭を下げたが、母さんは不愉快な表情を露わにしていた。その気まずい雰囲気に女子大生たちは少々戸惑っている様子だ。なあに、この家の異常さはすぐにわかる。


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