人間になりたいロボットとロボットになりたい人間の話_ハッピーライフ-官能小説(happylives-novel)

牝獣(ひんじゅう)となりて女史哭(な)く牡丹の夜 ——日野草城

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人間になりたいロボットとロボットになりたい人間の話

15-10-03 01:50

某有名ソシャゲのストーリーの一編が心に残って忘れられないんです。 それをヒントに書いてみました。
よろしければ読んでください。

若い天才女性ロボット工学者がいた。 研究に青春を捧げてきたツケか、男性に振り向かれない容姿が青春を研究に没頭させたのか、彼女は女として地味で恋に対して異常な程奥手な性格だった。
ある日、研究所の近くに男が越してきた。 女学者はその男と会話するほど親しくなり、やがて今までにない程の恋に堕ちた。 奥手ゆえ片思いではあったが、その男の優しい眼差しと言葉は彼女にとって神のそれに等しかった。
あの人と結ばれたい… 望んでくれるならこの身体を捧げても構わない! でも私にはそれが出来ない…
強烈なジレンマは拗れた末、彼女を男の家ではなく研究所へと向かわせた。 そして数ヶ月後、自分の女性としての欠落部分を全て補った、理想の容姿と女の魅力を兼ね備えたAI知能搭載女性型アンドロイドを誕生させるに至った。
女学者はこの美人ロボットを男の元へと送り、陰から観察する日々を送った。
最初はこの精巧なロボットに驚いていた男だったが、日々を重ねる事に親しみが沸くようになっていった。
美人ロボットは男の望みや要求に全て頷き、その天使の様な微笑みは男の心を癒した。 AI知能もまだ未発達で、故の『拙さ』も男には可愛らしく映った。 逆にベッドの上では悪魔と化し、高速ピストンアームや高速回転舌、テ〇ガ脱着可能で保温機能まで兼ね備えた陰部と、腰部の高速グラインド機能は男を完全に虜にした。

『大成功だ…』
全裸に白衣だけを纏い、モニターを跨ぐ様に机に大きく開いた両足を乗せ、自分を慰めていた女学者はそう感じながら絶頂に達した。 女学者はロボットの眼球カメラから送られて来る男の幸せそうな姿を研究所のモニターで観ながら、ロボットに自分を投影させることで恋心を成就させていたのだ。

そんなある日、美人ロボットのAI知能にエラーが生じた。
『コノ胸部ニ発生スル原因不明ノ熱量ハ何?貴方ト離レテイル時ハ問題ナイノニ。解析不能…。』
男はその問いに『恋』だと答えた。
『ソンナ筈ハ無イデス!何故ナラマスターハ私ノ体ニ心ヲ組ミ込マナカッタカラ。』
そんなロボットを男は優しく抱きしめる。
『安定…シマス…。コレガ恋…デスカ?解析結果ナド、モウドウデモイイデス…』
『それは安心だよ。』
『安…心…デス…』

胸部の熱は更に温度を上げていく…

つづく


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