そのまま眠ってしまったらしく、「ご主人様ーっ!」と、部屋の外から女の大声がして目が覚めた。戸を開けると、京子が切羽詰まった表情で立っており、下から両親の罵り合う声が聞こえる。「旦那さんと奥様が喧嘩をしてるんです!」僕は京子の後から階段を下りていった。居間では親父が立って血相を変えてソファの母さんを非難し、それを母さんが強く言い返している。「どうしたんだよお?」僕の声に親父は振り向き、「おまえが一番悪いじゃないかっ!」とこっちを攻撃した。「・・・」「こうなったのも全部おまえのせいだっ!色気違いみたいに女をいっぱい囲やがって!馬鹿者っ!」それを母さんは、「あんたに魅力が無いからじゃないの!男のくせにうじうじして」と援護射撃をした。「何をおっ!」夫の剣幕に!
母さんは強気で睨み返している。僕は、「本当は羨ましいくせに。一緒に暮らしとるんだから一人ぐらい惚れさせてみろ」と腕を組み、親父を蔑んで言ってやった。親父は言い返せない。 毎日同じ家で暮らしながら一人として女を物に出来ず、その憂さを酒や風俗で晴らそうとするのは情けないものだが、それを僕は軽蔑しながらも面白がり、ハーレム生活を満喫してきた訳で、もしも父親が実際に女を一人でも惚れさせてその体を自由にしたらとても許せない。時として芳美や母さんなどの体を与えてやった事があっても、それは一時のプレゼント。親父はどうも行きつけのキャバクラにお気に入りの女がいるようで、不愉快な家庭も、酒と共にそれで紛らわしているという事だ。そん!
な営業女に入れあげても金をむしり取られる!
けなのに・・・。 夏休みの間には皆で県外の大型プールへ行って楽しんだ。そこで僕の女たちは他の男に声を掛けられたり、時には付き纏われもした。それは佐智や京子、友里恵ばかりではなく、智子や芳美でもそうだった。完熟のビキニ姿から発散される濃厚な色気はたまらない程で、若い男からも誘われる。芳美なんかは沙織が傍にいても男に愛想を振り撒き、智子も僕以外の若者から声を掛けられて満更でもない様子だ。後で注意すると、「妬いてるんですか?」などと笑っている。普段束縛されているので、たまのレジャー、それも水のレジ!
ャーで開放感に駆られるのはわかる為、僕も大目に見ていた。混雑している大型プールで佐智や京子、友里恵は思い思いに泳いだり潜ったりし、若者グループとも明るく喋る。そんな中で加奈叔母さんだけは常に僕から離れず、浮き輪でぷかぷか浮きながら水遊びを楽しんでいた。加奈さんには陰気さが感じられるのか、誰も声を掛けてこない。そんな叔母がちょっと寂しく、僕はよく彼女を構ってやるのだった。加奈さんはまるで子供のように、「うふふふ」と笑う。一度など浮き輪を取って、「ねえ雄一様あ、抱いてえ」と場所を考えずに甘えるので困った事もある。やはり目を離したら駄目だ。母さんは一人でいる事が多く、周囲とはあまり打ち解けないようだ。 !
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