気まずいまま再び食べ始めた。真弓と麻美もおとなしく食べ、その異様な雰囲気の中、理沙は文代の犯罪者的人間性を思い知って相手が何をするかわからない、と抵抗出来ずにいた。蜘蛛の巣に掛かってしまったような気さえしている。その理沙に文代は時々視線を注いでいた。嫉妬、憧れ、好色・・・様々な気持ちが入り乱れ、彼女をどう扱ったら良いかはっきり決めかねていた。三人共まだ食べている時に真弓の携帯電話が鳴り、彼女は恐る恐るそれに出た。母親からで、真弓は文代の顔色を窺いつつ、母を何とか納得させようと自分の本心を偽って話した。それでも中々わかってもらえない様子なのか話は長引き、仕舞いには感情的になって一方的に電話を切ってしまうのだった。「携帯なんか必要無いわね。貸しな。麻美も!
「はい・・・」真弓は携帯を主人に手渡し、麻美も続いて渡した。それから、「あんたも。どこにあるんだい?」と文代は理沙の猿ぐつわを取って訊いた。「・・・バッグの中です・・・」文代は理沙のショルダーバッグを開け、そこから携帯電話を取り出した。三台共電話の電源を切ると自分のバッグの中にしまった。 食事を終えて後片付けも済ませ、座卓を部屋の端に立て掛けた。そして理沙を見下ろした。理沙は何をされるかと体を強張らせ、警戒の目で文代を見据えている。「もうすぐ結婚するんだって?」「・・・・・」「いいよなあ、彼氏のいる奴は」毒のある言い方に、理沙は険しい表情のままだ。文代はしゃがんで囚われ人の頬をさすった。気持ち悪さで理沙の顔が!
歪んだ。「いつ結婚するんだい?」答えが無!
。「んん?」理沙の頬を憎々しげにつねった。「痛いー!」「いつなんだい?」手を離して尋ねた。「来年の一月です・・・」「ふうん」いかにも男心をくすぐる理沙のスリムな全身を改めて見た後、青いスカートを思い切りめくった。「嫌!」ベージュのパンストに包まれている腰や両脚はセクシーで、それを撫でる。理沙はひどく困惑して文代を見ていた。その、男に不自由せず、ちやほやされてきただろう様が無性に腹立たしくなって尻を力いっぱい鷲掴んだ。「あああ!」「お前なんかに私の気持ちがわかるか!」般若みたいな顔付きに、麻美と真弓も思わず顔を背けた。「痛いー!」パンストの上からでも爪が食い込む程だ。「うううう・・・」ようやく手を離し、理沙を厳しく見据えた。 !
激情をぶちまけてからは陰湿に可愛がってやりたくなり、理沙の体を起こして壁にもたれさせた。理沙は後ろに手錠を掛けられている為ほとんど抵抗出来ず、「嫌よ、やめて」とか、「何なのよ、変態」などと口で逆らうばかりだ。そんな勝気な彼女を手なずけるのが却って面白く、「女同士で楽しもう」とにやついて言ったが、「嫌っ!」と叫ばれ、思わず頬を平手打ちした。理沙は唇を噛み締めた。
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