醜女の復讐_ハッピーライフ-官能小説(happylives-novel)

牝獣(ひんじゅう)となりて女史哭(な)く牡丹の夜 ——日野草城

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醜女の復讐

16-01-09 11:13

せっかくのデートを邪魔されてさぞ悔しい事だろう。文代は、梓が逃げないか警戒しながら自分も着替え始めた。近くでは、連休を控えて楽しそうな話し声や笑い声が聞こえるが、文代と梓の間は張り詰めている。着替えている間に文代は、もしも梓をこのままアパートへ連れ帰って川口に待ちぼうけを食わせたら自分が彼に疑われ、恨まれるに違いないと思い、手が止まった。そして梓をレズビアンに調教して二人の夢や希望を壊してしまえば川口からひどく報復される、と陰鬱になった。『いっそあの人も一緒にやってやろうか・・・・・』考え込んでいると、着替え終えた梓がその場から立ち去り掛けたのであわてて彼女を押さえようとしたものの抵抗され、逃げられた。文代は自分の格好と他の社員の目が気になって追い掛!
られず、急いでスカートを履き、上着を着ていった。                      あたふたとロッカーに鍵を掛け、梓の後を追ったがすでに姿が見えず、正門近くの女子専用駐車場へ行ったものの、どれが梓の車かわからない上に薄暗くなっており、ヘッドライトの灯った車が一台、二台と会社から去っていくのを目で追うばかりだった。『逃げやがった・・・・・』文代は唇を噛み締めて立っていた。


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