この話はつづきです。はじめから読まれる方は「和子と義弟」へ
大浴場に浮ぶ湯煙に若い女性からお年寄りの夫人までの裸体で混雑していた。
やはり若い女性のスタイルは和子たちの年齢から見ると羨ましかった、まず下腹部と乳房の張りが違うのを感じた。
しかし若い女性にない色気はやはり三十路から四十路にかけたいわゆる熟女なのだと求が言っていたことを和子は思い出していた。
「姉さん、女はね多少お尻が崩れていても下腹部に脂肪が付いていても男からするとこれが魅力なんだよ、姉さんはお尻が魅力で遂ムラムラしてしまうんだよ」
そんな言葉を思い出していた。
求は今頃どうしているだろうか、最近連絡もないし彼女でも出来たのだろうか・・・あの晩の情交が浮んで和子の下半身が火照り始めていた。
和子たちは風呂から上がると部屋に入り化粧に取り掛かった。
宴会は6時 今までこんな席に着くことはなかった。和子にしてみれば未知の世界でもあった。
化粧を済ませ浴衣着に丹前を羽織宴会場に入った。
「ようー待ってました熟女の入場です」
すでにバスの中で酔っていた年配の課長が叫んだ、若い男達が和子たちを一斉に振り返った。
「ほーほー」冷やかしの声があがった、中には和子にいやらしい視線を送る者もいた。
「田中さん後からお酌してね」
名前を呼んで声をかけたのは係長の三島である、もう定年近くの男であるが女性問題を時々起こしたと言う男である。
宴会は課長の音頭で始まった。
若い男達は暫らくたつと若いパートの女性の所に集まったが吉田佑太は和子たちの前に進み出てビールを勧めに来たのである。
「いい男ね うれしいわ」小夜はそう言ってグラスを差し出した。
「吉田君 独身」
「ええバツイチです、もう女はこりごりです」
「そうなの、でも女なしでは若いんだから・・・」
小夜は意味ありげな笑いを浮べていた。
そこへ三島が割り込んできた
「田中さんお酒いけるんでしょう」
「まあ少しは」
「そうか、ねじゃあまずビールから」
和子のグラス勢いよくビールを注ぐと泡が溢れて和子の袂を濡らした
「ごめんごめん」
だらしなさそうな言葉はいかにも女好きと思わせた。
「構いませんよ、さあ係長さん」
和子は愛嬌よく三島にビールを注いだ
「サンキュー・・へへへ 頂くぞ~」
いやらしそうな視線を和子に送りながら喉を鳴らすのだった。
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