和子と義弟9_ハッピーライフ-官能小説(happylives-novel)

牝獣(ひんじゅう)となりて女史哭(な)く牡丹の夜 ——日野草城

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和子と義弟9

16-01-10 02:08

この話はつづきです。はじめから読まれる方は「和子と義弟」へ

 季節は初夏を迎え時には汗ばむほどの日が続くこともあった。
ようやく和子の生活も落ち着き夫の遺族年金とパート収入で生活はどうにか成り立って落ち着いた生活ができるようになった。
和子の勤めるキッチンモアーの慰安旅行の誘いがあったのはそんな時であった。

今までは正社員の10名ほどが企画して行っていたがどうやら今回はパートの和子たちにも声がかかったのである。
「おばちゃん是非参加してよ」そう声をかけてきたのが武藤佑太であった。
まだ30過ぎた頃の青年であったが髪は茶髪でピアスを唇につけいかにも不良ぽい男に見えたが外見からはうかがい知れない優しさも持ち合わせていた。
いつだったか工場長の乱暴な振る舞いに声を挙げて抗議した場面を見かけたことがあった。
和子はそんな誘いを快く受託し当日を迎えた。
早朝7時、自宅に佑太は車で迎えに来た。
「おばちゃんおはよう」
「吉田くん、そのおばちゃんはやめて田中さんと呼ばない」そう言って笑った。
「ごめん ごめん」照れ笑いを浮かべて迎え入れた。
当日は40名ほどの参加でバスの中は活気付いていた。
はやビールを飲みだす者や若いパートの女性に話しかける者などにぎわってバスは鳥取にある温泉を目指していた。
吉田は最後尾の席に着いていたが中途中から和子の横の席に割り込んできた。
「田中さんお酒呑まない?」
冷えたビールとつまみを持ってきた。
「ありがとう、じゃあ頂こうかしら」
和子はもともと酒が好きである、快く返事をすると500ミリの缶をグイと呑んだ。
「いけますね、ところうで田中さんご主人お気の毒でしたね」
まじめな顔で話しかけてきた
「その節は色々とお世話になりましたありがとうね」
こんな会話がきっかけで吉田とすっかり打ち解けて温泉の旅館へ着くまで2時間あまり話し込んだ。
吉田は両親の離婚を境に一時 施設に預けられていて学校でのいじめや友達関係で不良仲間と遊んでいたことなどを話した。
和子はそんな境遇で育った吉田が無4時には着いた。
各部屋に入るとパート仲間の淑子がいつものように猥談をほのめかしながら笑いを誘った。
「ねえ和子さんには失礼だけど夜はどうしてるの、アレするの 」
「まあそんな事聞いたりして」
話を聞いていた満ち小夜があきれた表情で淑子を嗜めた。
「ハハハ・・・いいのよ、男作ったりして・・」
和子は笑いながら淑子に言葉を返した。
「もう家の旦那たらもう最近は起たないのよ、やはり若い男でなきゃダメね」
「どう、もう私たち子供出来ないから男漁りでもしない、内緒で」
淑子は真顔で和子たちに言い出した。
「本気?・・・」
和子は淑子にそう言って部屋の鏡台で化粧を落とすのだった。
「さあ、お風呂にいきましょ 今夜は無礼講よ」
小夜は用意してある浴衣に着替えてふたりに声をかけた。
「ちょっと待って今 着替えるから」
化粧を落とすと着ていた洋服を脱ぐと下着姿で浴衣を取った。
「和子凄いお尻ね、バストもあるんじゃん」
小夜は羨ましそうに和子の胸を見ていた。
部屋から屋上の浴室に上がり大浴場の脱衣場に入った、すでに多くの婦人が裸で脱衣場から浴室に見受けられた。
和子は浴衣を脱ぎ下着も取ってタオルで前を隠した。
「あんた色白いのね羨ましい」小夜は和子の裸体を眺めながら言った。
対照的に小夜は痩せていてお尻も胸も貧弱で40台とは思えない老けて見えるのであった。

つづき「和子と義弟10」へ


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