この話はつづきです。はじめから読まれる方は「醜女の復讐」へ
四人掛けのテーブルに文代は後輩二人と向かい合って椅子に掛けた。
「何でも好きな物を選んで」笑顔で文代に言われ、麻美たちは浮かない顔でメニューを手にし、麻美はハンバーグセットを、真弓はエビピラフを注文した。
文代はステーキだ。
待っている間文代は時々、会社や仕事の話をする他は二人をにやにや眺めたり、じっと考え込んだりしており、その陰気な気味悪さに麻美も真弓も顔を顰めさえするのだった。
ようやく注文の品が運ばれ、彼女らは食べ始めた。
「ここのはうまいでしょ?」と同意を求めるように話し掛けても二人は「はい」と気の無い返事をして食べ続けるばかりで相変わらず向こうからほとんど喋ってこないのが文代には面白くなく、何も話さなくなった。
ステーキを頬張りながら彼女は、この店を出てから二人を自分のアパートへ連れて行く事を考えており、その犯罪めいた計画に緊張して心臓が脈打つのを感じていた。
途中、麻美の携帯電話に連絡が入り、今の嫌な雰囲気から少しでも逃げたいのか、友人と今度の連休に京都へ旅行する話を楽しそうに続けていた。
それは文代にとって当て付けがましく感じられたものの麻美の笑顔は愛らしく、文代は異様な胸の高まりを覚えるのだった。
『この娘が欲しい・・・』食べるのも忘れて、更衣室での麻美の下着姿を思い出している内に性器が濡れるのを感じた。
食事に長い時間が掛かり、店内は他の大勢の客で賑やかくなっていた。
麻美と真弓はもう帰りたがっている様子で、文代が食べ終わっても席を立とうとしないので、「もう帰ります」と麻美が言い出した。
文代は不自然な笑いを浮べ、「実はあなたたちに差し上げたい物があるの」と切り出した。
二人共怪訝な顔をした。
つづき「醜女の復讐8」へ
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