醜女の復讐5_ハッピーライフ-官能小説(happylives-novel)

牝獣(ひんじゅう)となりて女史哭(な)く牡丹の夜 ——日野草城

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醜女の復讐5

16-01-10 02:08

この話はつづきです。はじめから読まれる方は「醜女の復讐」へ

五時に仕事が終わり、いよいよだと緊張しながら机の上をそれなりに片付けた。
課長を始め、一部の男子社員は残業をするが、他は全員定時で、皆思い思いに散らばった。

文代が椅子に掛けたままでいると、麻美と真弓が硬い表情でやって来た。
梓はと見れば、川口と何か話している。
「何ですか?」真弓が不機嫌に尋ねた。
「今から一緒にどこかへ行かない?」「ええ?」真弓は迷惑そうに言い、麻美は黙っている。
「いいでしょ?たまには女同士で」「でもお・・・」「嫌なの?」有無を言わせぬ調子で問い詰めても返事をしない。
「色々話したい事もあるしさ」「はい・・・」全く気乗りしない調子で、麻美も浮かない顔だ。
梓の方は川口との話も終わり、自分の机に向かって立ったまま怪訝な表情でこちらを見ており、文代は彼女の所へ行き、「どうして来ないんだ?」と怒った。
梓は返事をしない。
「言う事を聞け」「課長に言うわよ」強いて強気で反抗したものの文代は後輩を睨み返し、「ふうん」と動じない。
「レズをされたってか?」「・・・」「言えないよな」軽く嘲笑った。
「これから女同士で食べに行く。鈴本さんも来な」「嫌よ。変態!」梓はそう罵ってさっさと職場を後にした。

文代が他の部署の女子たちに交じってロッカーで着替えている時、麻美と真弓も現れた。
文代のすぐ右隣が麻美、その又隣が真弓のロッカーなので彼女たちは否応なく文代と顔を合わす事になる。
昨日まではお互いにほとんど口を利かなかったが、今は無視出来ず、先輩がどう出るか気にしながら二人は制服を脱ぐのだった。
文代はこれまで後輩二人の着替え時の下着姿にはたいていわざと目を逸らしてきたが、時として彼女らのブラジャーやパンティ姿が目に入る事もあり、そんな時には胸が騒ぎもした。
若さとセクシーさに溢れ、憎らしくもその魅力に惹かれてしまうのだ。
二人がこの自分を無視して楽しそうに雑談しながら着替えている時間は文代にとって心休まるものではなかった。
しかしながら、今麻美と真弓は溝口先輩の為に沈んでほとんど喋らず、まさかその先輩が自分たちの体を狙っているとは思いもせずに着替えているのだった。

つづき「醜女の復讐6」へ


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