牝獣(ひんじゅう)となりて女史哭(な)く牡丹の夜 ——日野草城
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26-06-06 09:17
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「やっぱり、最高の手触りじゃん。意外に筋肉ある感じだね。何かやってたの?」 松井が、落ち着いた口調で言う。その口ぶりからは、下心が見えない。本当に、ゆり子の悩みに寄り添っているように感じる。 「うん。バスケットを少し」 「へぇ、カッコいい。モテたんじゃないの? 後輩の女の子に」 「なんでわかるの?」 驚いた声を出すゆり子。 「もちろん、男にもモテたと思うけど、ゆり子ちゃん優しい雰囲気あるし、カッコいい顔立ちしてるから」 「そうかな……でも、ラブレターとかもらったりしてた」 「もしかして、そういう関係になったりした?」 「な、ないよ、ないない!」 「あれれ? 慌てすぎじゃない? 一回くらいはあったでしょ。わかるよ」 「うぅ……だって……」 認めてしまったゆり子。後輩の女子と、そういう関係を結んだ? かなり驚いてしまう告白だ。でも、ますます興奮してしまう。そして、オナニーの手がますます早くなる。 「以外に、色々経験してるんだ。男性とは? 一回だけの関係とかあったの?」 「それはないよ。全部、付き合った人とだけだよ」 「へぇ、真面目なんだ。何人くらいと付き合ったの?」 「ナイショ」 楽しそうな会話が続く。やっぱり、松井は会話が上手だ。巧みな話術で、色々な情報を引き出している。そして、ゆり子はますます打ち解けた態度を見せている。この時点で、すでに不貞行為だと思う。セックスもキスもしていないが、ここまで親しげに接しているのはほぼ浮気だ。しかも、太ももを触らせているみたいだ。 「それにしても、スベスベだね。これって、何かメンテしてるの?」 「とくには。乳液とかくらいだよ」 「マジで? ホント、最高の触り心地だよ」 松井は、まだ触っているようだ。そして、本心から褒めているような口ぶりだ。 「も、もういいでしょ。なんか、恥ずかしい……」 ゆり子が、モジモジとした口調で言う。 「ガーターベルトとか穿いたら? 男なら、絶対に興奮すると思うけど」 松井がアドバイスをする。 「それって、アダルトビデオの女優さんとかが穿くヤツ?」 「まぁ、それもあるけど。普通は確かに穿かないかな? でも、それだからこそ興奮するんじゃない?」 「でも、どこで売ってるの? 下着屋さん? 見た記憶がないよ」 「売ってるって。普通に。今から買いに行こうよ。プレゼントしてあげる」 「えっ、いいよ、そんなの!」 「いいからいいから。こんな風に、一緒にお茶したり食事してくれてるお礼だよ。マジで嬉しいもん」 「それは私もだよ。松井さん、お話楽しいし、褒めてくれるし……」 ゆり子が、明らかに松井を意識しているような口ぶりに変わっている。二人の会話を聞く度に、どんどん親密になっている気がする。そんな二人の会話を聞きながら、必死でオナニーしている私は異常なんだと思う……。 「じゃあ、行こっか」 「う、うん」 ここで音声が途切れる。添付されたデータは、まだある。私は、すぐに次のファイルを再生しようとした。でも、それが映像データだと気がついた。音声ではなく、映像……イヤな予感しかしない。再生を始めると、どう見てもラブホテルの一室が映し出された。誰もいない空間……ただベッドやソファが映るのみだ。 心臓がドキドキしてきた。まさか、こんなにあっさりとホテルに行ったなんて、とても信じられない。騙されることはあっても、人を騙すことなどない……そんな女性だと思っていた。 「ど、どうかな? なんか、思ったよりも布小さいね……」 恥ずかしそうな声とともに、ゆり子がフレームインしてきた。ガーターベルトのランジェリーを身につけたゆり子……まるで、ランジェリーモデルのような姿だ。小ぶりな胸が、補正効果のおかげか谷間がかなり目立っている。引き締まった身体は、ウェストがくびれていてとてもセクシーだ。 なにより、ガーターベルトが悩ましい。太ももの途中までのストッキング、彼女のムチッとした太ももにとんでもなくマッチングしている。ただ、ゆり子が言っているように、ブラもショーツも布が小さめだ。マイクロビキニとは言わないが、普通の下着よりは明らかに小さな面積だと思う。 ゆり子が、他の男とラブホテルにいて、下着姿を見せている。もう、これは完全にアウトだと思う。松井に寝取られ代行を依頼した時、当然こうなることは想像した。でも、ゆり子を寝取るのは無理なんじゃないかと思った。真面目な性格で、清楚な見た目。なによりも、私のことを愛してくれていると日々感じている。足下の床が、揺れているような感覚になってしまっている。 「でも、ゆり子ちゃんのスタイルの良さが引き立ってると思うよ」 「そうかな……でも、ありがとう。思ったよりも高かったから、申し訳ないな……」 ゆり子は、本当に申し訳なさそうだ。 「全然良いよ。でも、本当に良いの? なんか、交換条件みたいで申し訳ないな」 松井の言葉に、動揺してしまう。ランジェリーの代わりに、セックス? 不安が一気に大きくなる。 「う、うん。でも、私なんかで良いんですか? もっと若くておっぱい大きな子に頼んだら良いんじゃないの? いるんでしょ? そういう相手」 「いやいや、ゆり子ちゃんがぶっちぎりでナンバーワンだよ。こんな綺麗な人、見たことないもん」 「でも、顔は撮さないんでしょ?」 「うん。ゆり子ちゃん、顔だけじゃなくて身体も本当に綺麗だよ」 松井に褒められて、はにかむゆり子……本当に嬉しそうだ。考えてみれば、最近彼女を褒めた記憶がない。結婚すると、ある程度は仕方ないことかもしれないが、いるのが当たり前のように思ってしまっている。まさか、こんな動画で反省することになるとは思ってもいなかった。 そして、松井は撮影を始めた。一眼レフのカメラで、ゆり子を撮影している。色々指示をする姿は、プロのカメラマンのように見える。でも、顔は撮していないようで、接写が多い。顔を手で隠すように指示をしたりもしている。 最初はぎこちなくポーズを取っていたゆり子も、徐々に滑らかになっていく。ポーズの指示は、徐々にセクシーなものに変わっていく。 「もう少し脚拡げてみて」 「お尻、突き出すようにして」 「両手で胸を挟むように潰してみて」 ゆり子は、拒否することなく素直にポーズを取っていく。そして、しばらく撮影を続けたあと、松井はカメラの液晶画面で画像を見せ始めた。 「な、なんか、自分じゃないみたい……」 ゆり子は、顔が真っ赤だ。 「すごくセクシーだと思うよ。俺が旦那さんだったら、毎日求めちゃう」 「そ、そんなことないよ。だって、旦那……柔らかくなっちゃうし……」 「そっか、そのためのセクシーランジェリーだったね。きっと、これ着たら大丈夫だよ」 「うん。そうだといいな……」 松井は、本当に親切な男という感じだ。誠実そうな見た目をしているので、ますます良い人に思えてしまう。でも、彼はプロの寝取り師だ。沢山の女性を堕として、ハメ撮りまでしているような男だ。 「私って、魅力ないですか?」 唐突に質問するゆり子。 「え? どうして?」 松井も戸惑ったような顔を見せる。 「だって……その……何もしないから……。こんな状況でも、何もしてこないから」 ゆり子は、耳まで真っ赤になっている。こんな事を聞くなんて、まるで襲って欲しいと言っているように思えてしまう。 「それは、約束だから。ゆり子ちゃんとの約束、破るはずないでしょ。ゆり子ちゃんは、魅力的だよ。ほら、恥ずかしいけど、ずっとこんなになってるし……」 そう言って、股間を指差す彼。確かに、どう見てももっこりと盛り上がってしまっている。 「うん。知ってた」 おどけて笑うゆり子。 「やっぱり?」 同じようにおどける彼。 「松井さんって、本当に誠実なんだね。この状況で何もしないなんて、すごいなって思うよ」 「まぁ、ほら、俺ゲイだし」 ふざけて笑う彼。ゆり子もの楽しそうだ。そして、本当に何事もなく終わった。服を着替えて戻ってきたゆり子。そして、動画は終わった。もしかして、カメラを止めたあと何かあった? そんな事を考えてしまうが、松井がそれを隠す意味はないと思う。むしろ、それが成功なので、すぐに報告してくるはずだ。 すると、玄関で物音がした。慌ててパソコンを閉じると、ゆり子の声が響く。今日は、パートに行っている日だ。私の方が早く帰ってくることが多い。 「早かったですね。お腹空いてるでしょ。ちょっと待っててくださいね」 清楚な笑みを浮かべて、ゆり子が話しかけてきた。その姿を見て、ドキッとしてしまった。さっきの動画と同じ服……もしかして、あれは今日の動画? もしそうなら、パートに行っていない? 「すぐ出来るから、先にサラダ食べててくださいね」 そう言って、冷蔵庫からサラダを取り出す彼女。すでに準備は出来ているようで、テキパキと夕食を作っていく。あまりにも自然だ。怪しい部分など何もないような態度で夕食を作っている。 松井とラブホテルに入った……そんな事がウソのように、いつも通りの笑顔も見せている。結局セックスはしなかったにしても、ラブホテルに二人きりで、ランジェリー姿を見せていた。どう考えても不貞行為だ。自分で依頼しておきながら、ここまで進行してしまったことに衝撃を受けてしまう。 そして、いつも通りの夕食が始まった。朗らかでよくしゃべる彼女。幸せそうで、楽しそうだ。でも、すでに彼女の心の一部に、松井がいる……そう思うと、嫉妬で目がくらみそうだ。 食事が終わり、いつも通りに過ごす。風呂に入ると、ベッドでスマホを見始めた。松井の報告を見ようと思ったが、ゆり子が入ってきた。あのランジェリー姿だ。ガーターベルトに、ストッキング……ドキッとするほどにセクシーな姿だ。 「ど、どうかな? 変かな?」
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