狂女11_ハッピーライフ-官能小説(happylives-novel)

牝獣(ひんじゅう)となりて女史哭(な)く牡丹の夜 ——日野草城

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狂女11

15-06-14 09:14

この話はつづきです。はじめから読まれる方は「狂女」へ

新名古屋駅に着き、やがて同じ電車に乗った。
友里恵さんはもうすぐ来るクリスマスのデートについてあれこれ話し、プレゼントは何をくれる?
などと一人で浮かれている。

僕が叔母に強く惹かれている事を知らない彼女は自分の幸福に酔っている感じだ。
しかし、近い内に加奈さんと一層濃い関係になるかもしれず、そうなったら友里恵さんの事は眼中に無くなるだろう。
僕に気があるらしい友里恵さんが何となく可哀そうになってきた。
大人の女性といきなり深く接してその虜になってしまった僕は同じ年頃の女性では物足りなく、さらに友里恵さんのような陽性には違和感を覚えるのだ。
「ねえ、何考えてるの?」
僕が俯いて深刻そうにしているのを友里恵さんが気にして尋ねた。
「うん?いや別に」
「もっと明るくなってよお」
彼女は口を尖らせて言った。
「そうだな。ごめん」
「ランランランラン・・・」
友里恵さんは車窓から暗い風景を眺めた。                       
東岡崎駅で友里恵さんと別れ、その後三十分程して家に帰った僕は夕食後早速勝叔父さんに電話を掛け、住所を教えてもらった後、二人と会う為に日時を決めた。
すんなり話がまとまってさすがにうれしく、椅子に掛けてにやにやした。
『あそこで又やるのかな』

ただ、どうしても叔父の存在が気になり、加奈さんと二人きりになれないもどかしさがあった。
勿論、彼女と暮らすとか、その面倒を見るなんて事は出来ないが、たとえしばらくの間でも二人だけになれたらどんなにいいか・・・。
あの人はどう思っているんだろう?
気がおかしいからそんなまともな考えは持っていないのかな?
冬休みに入っていた事もあり、僕はその二日後の昼に、教えられた場所へ行った。
他に民家が並んでいるとはいえ名古屋でも郊外の静かな所で、少し行けば田圃が広がっている。

つづき「狂女12」へ


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