美人探偵明子1-2 追跡・・そして罠_ハッピーライフ-官能小説(happylives-novel)

牝獣(ひんじゅう)となりて女史哭(な)く牡丹の夜 ——日野草城

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美人探偵明子1-2 追跡・・そして罠

15-06-14 09:17

この話はつづきです。はじめから読まれる方は「美人探偵明子1-1 若奥様は名探偵?」へ

翌朝から早速調査が始まった・・二人はまだ暗いうちから車で東京郊外にある依頼人の自宅付近に行き、張り込みを開始した。
そして待つこと約2時間 、依頼人が話した調査人の行動パターン通りに男が自宅玄関から姿を現した!
「ショー来たわ・・ほら写真の男よ・・」明子は写真と男を確認した。

「気を付けて行けよ・・気付かれないようにな・・」「任しといて何かあったら連絡するわ・・」
明子は車を降り、一定の距離を取って尾行を開始した。
郊外の閑静な住宅街を、他の通勤通学者逹に紛れて徒歩15分程の最寄り駅まで歩いてゆく・・
そこから鮨詰めの、私鉄の通勤電車に乗り約一時間半の都心へ向かった。
オフィス街の最寄り駅で下車した男を再び通勤通学者に紛れて勤務先の会社まで尾行した・・
(株式会社城南薬品工業)調査人坂田はそのオフィスに入っていった・・
流石にここからは、中には入れないので、ここで夕方まで張り込みをすることになる・・
程なく時間は昼になった・・ランチを食べに行く社員逹がオフィスを出てくる・・その中に紛れるように坂田の姿があった。 コンビニのお握りを頬張っていた明子は、不意をつかれた感じで尾行を開始した・・随分歩く・・ランチの距離にしてはかなりオフィスとは離れてる・・此処まで来ると、他の社員とは顔は会わさないだろう・・坂田は交差点角 にある喫茶店に入った。 明子も気付かれないように時間をずらして店内に入り、坂田の顔が確認出来る位置に席を取った・・紅茶がセットになったケーキセットを注文して暫くすると、サングラスをかけた全身が黒すくめの細身の男が入って来て、レジ前で応対したウエィトレスに話しかけた・・ウエィトレスは連絡を受けているのか、一言頷き、右手で坂田のいる席をいらしてますと指した・・すると坂田も周りを気にするように軽く見回し、自分もスーツのポケットから黒いサングラスを出して顔にかけた。
黒すくめの男が向かい会うように坂田の前に座った・・ウエィトレスの「ご注文は」の、声に、「コーヒー」と、だけ低い声がしたが、不思議なのはそこから先だった! 二人は一言も声を発しないのだった!
そして時よりメモ用紙に何かを書いてお互いに渡し合っていたのだった!
こんなやり取りは普通はない!明らかに聞かれたら困ることがあるからだ!
こんな沈黙のやり取りが、かれこれ30分以上続いた・・・もう明らかに昼の休憩時間は過ぎている・・一般社員なら、会社に戻らなければならない時間だ・・ただ次長という役職ならば商談と言う名目で外出届けさえ出して置けば疑われることはないだろう・・
更に30分が過ぎた・・その時だった!男のメモを見ていた坂田がコクンと顔を縦に頷くと、カバンの中から書類らしき物がはいった茶封筒を出して、黒すくめの男に渡した・・男は坂田を信じきっているのか、その茶封筒を受け取ると、右手で軽く挨拶をして席を立ち、店を出ていったのだった!
明子は追いたいところだったが、彼は調査の対象ではないし、もしここで焦って動けば警戒している坂田に気付かれかねない・・
明子は三っ目のケーキを頬張りながら、男のメモを確認する坂田を気付かれないように監視したのだった。そして坂田は店を出てオフィスの方へ歩き出した・・明子も再び尾行を開始する・・だがその時だった!坂田が突然通りかかったタクシーを止めたのだった!坂田はタクシーに乗り込んだ!
不意をつかれた明子だったが、彼女も運よく後続で来たタクシーに乗り込み、後を追った・・本来このやり方は上策とは言えない・・タクシーであからさまに後をつければ、警戒している調査人に尾行を気付かれる可能性は大になるからだ!車は都心部を南へ走り、湾岸部の倉庫が林立する地区へ向かって行った・・だんだんすれ違う車が一般車よりも大型トラックの方が多くなってきた・・明子は運転手に事情を話して付かず離れずの距離を保って坂田の乗る車を追ってもらったのだった。 そして坂田の乗ったタクシーはある倉庫街の入口で停車した・・最後の信号待ちの時、下車した坂田と至近距離になった・・だがどうやら気付かれてはいないようだった・・明子は歩いて倉庫街に歩いて行く坂田の方向見失わない様に確認しながら、その少し先に行ったところに車を停めてもらった・・料金とお礼のチップを運転手に渡して下車した明子は、坂田の後を気付かれないように尾行した。 そして坂田は大型冷凍倉庫の脇に姿を消して行った・・明子もしばし時間をおいてその冷凍倉庫の脇に向かった・・細い通路の先は行き止まりで、古びた入口が一つあるだけだった・・坂田はそこから中に入っていったらしい・・ 「何の倉庫だろう?会社の倉庫ではなさそうだし」
張り込みを始めて1時間ぐらいがたった頃だった・・倉庫の正面の自動シャッターがガリガリと音をたてて開いていった・・そして一台の大型冷凍トラックが、中から出発していったのだった!トラックが出発すると、再びシャッターは閉じられていったのだった!
倉庫の中には令状がない限り無断では入れない・・・明子はあくまで探偵であって警察ではない・・
下手に立ち入れば逆に不法侵入になる・・
明子は直感的に、「あのトラックを追えば何か解るかもしれない!」と、判断し、走るトラックを豊かなバストを揺らしながら追いかけ表通りに出た・・そして偶然来たタクシーを拾ってトラックを追いかけたのだった。! 倉庫を出たトラックは、高速に乗り、県境を越え、
海沿いの国道を南へ南へと走った・・もう辺りは真っ暗になり、此処まで来ると流石に車通りも疎らになってくる・・
「お客さん・・どこまでいくんですか?お金大丈夫なんすか?」
運転手が心配になって明子に聞いた・・都心を出てからはや2時間・・料金メーターは5万を超えていた!大丈夫・・カードで払うから心配しないで下さい。明子は心配する運転手に言った・・だがその時だった!トラックは突然左に左折し、海に面した砂利道の駐車場に入っていった!そしてそこには大きな倉庫が一つ建っていた!トラックはその倉庫の影に入っていった。
「運転手さん停めて!」
明子の声に運転手は車を停めた。
「ありがとうここで降ります」
明子はカードで精算を済ませると、タクシーを降り、倉庫の方へ向かった・・辺りは真っ暗だ・・
時より通る車のヘッドライトがなければ、ほぼ何も見えなかった・・明子は気付かれないように駐車場に入り、倉庫の壁づたいに慎重にトラックが進んだ方へ向かった。
「いた!」
明子はトラックを発見した・・そして真の闇の中で見た事実に目を疑った・・
トラックの貨物室の左中央部から荷物が海方向に向かって運び出されていたのだった!その海の方角を目を凝らして見ると、波打ち際にモータボートが三隻待機しているのが見えた・・そして荷物はそのボートに積み込まれていたのだった!「密輸出だ!」
これは完全な犯罪である!となれば、これは警察に任せるしかない・・
明子が引き上げようとしたその時だった!
「ん!んんんんん!んん んんん!ん!・・ん!・・ん・・・・・・・・」
明子は背後から何者かに口を布のような物で塞がれた!強烈な薬品の匂いが明子の意識を奪っていったのだった。

つづき「美人探偵明子2 忌まわしき再開・踏みにじられていた純潔」へ


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