啜り泣く牝(4)_ハッピーライフ-官能小説(happylives-novel)

牝獣(ひんじゅう)となりて女史哭(な)く牡丹の夜 ——日野草城

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啜り泣く牝(4)

15-06-14 09:33

この話はつづきです。はじめから読まれる方は「啜り泣く牝」へ

田代は自身が住むマンションの一室に放置し、徒歩で15分程掛かるコンビニへと買い出しへと向かった
向かう道すがら田代は典子をこの後どう責めるか加虐の妄想がまとまりが附かない程頭の中に溢れかえり独り顔をニヤケさせながら歩いた
そして自分の幸運さを笑った

田代の幸運とは今から半年以上前の深夜の事であった
田代はほろ酔い気分で飲み屋を数軒梯子をした後、歩いてマンションへと向かう帰り道、いつも通る公園の横を歩いていた時であった
突然女の悲鳴が聞こえ悲鳴の聞こえた方に身体を向けると街灯の灯りが辛うじて男女がもみ合う姿が見え、田代は直ぐに公衆トイレの物陰に隠れ2人の姿を息を潜めながら見入った
当時何故自分がそんな行動を取ったのか田代自身解らないが、その時は咄嗟にそう云う行動を取ったのであった
逃げようとする女を背後から男が羽交い締めにし女の首に腕を巻き付ける姿に田代は息を呑んだ
そして女は力無くアスファルトに崩れ落ち男は辺りを見渡し全速力で走り去って行った
田代も怖くなりマンションへと逃げ帰ったのであった
そして翌朝、田代が公園の前を通った時警察が現場検証を行っていた

そして3日後朝刊の記事を見て唖然と成った
あの時の殺人事件の容疑者が安川衛と載っていたのである、そう安川衛とは典子の夫で田代が好意を寄せていた典子を奪った男であった
しかしあの夜見た男は安川衛では無いのは明白であった
田代は直ぐに警察に通報しようと携帯を手にした時
田代に悪魔が乗り移った、そうもし自分が安川衛の無実を証明しなければ典子は自分の物に出来るのではないかと
田代の邪悪な思惑が表れ、そして数ヶ月後にその非道徳的な卑怯な行動を取ったのであった
そして典子は田代の思惑通り自分を生贄として我が身を差し出して来たのであった
田代は頭の中で思い起こしながらコンビニに入り大量の食料を買い込み、持ち切れない荷物は配送へと回した
当然全てが典子への責めへと繋がる物ばかりであった

つづき「啜り泣く牝(5)」へ


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