毎日、毎日クレームと客の我が侭な要求に振り回され、月の売上ノルマに追われ一体自分は何をしたいのか希望すら持てない日々に疲れ、今日も何時もと同じ毎日の繰り返しに正気を削がれ漠然とした時を過ごしていた、車を運転し無理強いをする客の所まで向かっていた時にズボンのポケットの中に入れた携帯の着信が鳴った、携帯の画面には非通知と表示されていた
「はい、もしもし」
塚本孝史は静かに答えた
「オマエノコドモヲユウカイシタアスヒルノサンジニカコウコウエンニゲンキンイチオクヲモッテコイケイサツニレンラクシタラコドモノイノチワナイ」
一方的に流れるコンピューター音声は要件を伝えると切れた、塚本は車を路肩に停め暫く考えたこのまま警察に向かうか其れとも無視をするか、どちらにせよ塚本に心当たりの在る話ではなかった塚本孝史は今年の2月で44歳に成るが未だに独身の独り暮らしである、どちらにしても自分には関係無い話と自己完結し顧客の建築会社へと車を走らせた、車を走らせる最中に向かう先の建築会社から、まだ来ないのか、と催促の電話が鳴り塚本は車を猛スピードで走らせ建築会社に着き担当者とクレームかクレームでは無いと何時もの繰り返しに、何時も最後は押し切られそんな毎日を呪いながら1日が過ぎて行った
つづき「まちがい電話(2)」へ
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