聖夜物語
私は、ずっと前からあの人にアプローチをされている
「おはよう…」
「おはよう、ございます…」
身長が高くて、髪は綺麗で、どこか儚げな印象があって、そこらの同僚たちと彼氏とは比べものにならないくらい完璧ででも私には婚約を大前提にした彼氏がいる
「あの、今夜お茶でも…」
「あの、すみません用事が…」
間があくと、すぐにすりよってくる。
「あの、お昼でも」
「はい…」
いつもご飯も一緒、社員旅行もずっと二人っきりで神宮を観光していた
「あの…先輩はいつも一人で…」
「ああ、一人暮らしでね…」
「へーいつから…」
「高校生から…」
「結構長いですね…」
「父親が高校入学前に病死したんだ、元々持病持ちで」
「お母さんは…」
「俺が物心をつくころからすでにいない」
「そうなんですか…」
それだから、別れは切り出せない。
そうしていくうちに時間が経った。
「さようなら…」
「うん…また…」
私の顔から涙が少しだけ出た
私が白石さんに恋愛感情を抱いている事に理解する事はそう時間は要しなかった
「よう」
「あっ久しぶり…」
「ヤらせてくれる?」
「うん…」
こんな体目的の男にひょろっとついていって、親にまで紹介して結婚を前提にしている。
でもこんな男が人生の伴侶なんて今思えば馬鹿げている、どうせ変に中出しされて妊娠させられて子供産む前に捨てられるに決まってる
「どう…」
私は、ラブホテルの入口でこくりと頷え2のに
「辞めて…」「え…」「千石さん…君はこんな女性だっ82持ってるの白石さんはかっこよくて優しくて、ふさわしい人は沢山いるのに
「辞めて…」「え…」「千石さん…君はこんな女性だったのか…」
「え、あ、あなた誰ですか…?千石さん、誰です?」
「あなたです、僕が大好きな…」
「てめえ、俺の女にてぇだしやがってお前みたいなひょろっちい男…」
「そっそうよ、とっとにかくおっ可笑しいよね?」
駄目だ白石さんの前だと上手く演技ができない。
「ちょっとお、あなたあーまたこんな所で予約したぁ?」
「おっと忘れてた…」
「は…誰そいつ…」
「ちょっあんたなに、彼氏持ちの子おとしたの…」
「んなわけねぇ…よな…」
そんな男の一言に怒りが込み上げてくる
「あっそう、何あんたていうか誰?私あんたとラブホ入らないし、この人と入るから」
「なぁんだ人違い」
「あっああ」
その時白石さんが顔を覗かせて
「…入る…」
「あっいやいいです、盗撮とかありますし不安ですから…」
「そうか…お茶する…」
「はい」
私と白石さんはラブホテルを出て車に乗る
「うわあ…広い…」
「どうぞ…」
白石さんはドアをあける「あっありがとうございます」
なんて紳士的なんだろう。
私は、助手席に座った。
「緊張してる…」
「はい…」
これから何するか、わかっている
「あの…どちらの家食事を…」
「君の家でいい…」
「はい…」
料理の経験がない自分が嫌になる(はーやっぱり生きる以外にも料理って大事だ…)適当に夕飯の残りにするのも可哀想だし、それか、カップスパゲッティそれもなんか、食事までしてインスタントも悪いし、親は大阪に行ってるから帰ってこない
「料理…出来る…」
「いいえ!!」
少しでも女をみせたかったけれど結局は。
「ありがとう…素直だね…」
「え…」
「俺、もっといっぱい、幸にご飯教えたいな…」
「かっ感激です!!」
「うん…」
車は私の家に向かう
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