不良がーるず_ハッピーライフ-官能小説(happylives-novel)

牝獣(ひんじゅう)となりて女史哭(な)く牡丹の夜 ——日野草城

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不良がーるず

15-06-14 11:01

僕の通う高校はいわゆる不良学校なんです。いえ、もちろん僕みたいな普通の学生も居るには居るんですよ。ただ、一際目立った存在がわらわらと居ると、ね。今さら時代錯誤な気もしますけど、ホントいつの時代でも素行の悪い奴らは居るもので、そんな奴らが集まると不思議ながら自然とそういった格好の馬鹿な人たちが現れ始める訳なんですよ。

丈の長い学生服、または短い学生服。彼らはどれも馬鹿なくらい極端に仕上げて来ます。大雑把と言ってもいいでしょう。なのに、その学生服に付けている刺繍といったら金の虎やら銀の龍やら、もうそれはもう無駄に技術が高いんです。ホントなんて無駄な労力なんだろう。まぁ、規定違反をする為には分かりやすくって事なんでしょうけど。
そんな学校ですけど共学なので女の子も居ます。えぇ、不良な女子生徒たちが。彼女たちも例に漏れず長いスカートやら何やらとあるみたいです。知りませんけどね。
基本、僕みたいに普通の学生たちは彼ら彼女らのグループとは付き合いません。一緒に授業は受けるけど会話はほとんどありません。だから、僕は不良女子に関しては不良男子と比べてまったく干渉なる物が無い訳なのです。知ってるのは名前と危険度?くらいですかね。
でもね、同じ学舎に居ると不幸な事故という物も出てくる訳なんですよね。例えば、今日の午前中とか。

「あ゛っ?なに、あんた?」
うん、コレがその時の不良女子の言葉。事の発端は学食に行こうと財布から出した小銭たちの中の百円ちゃん。落っことしちゃったんです、こぼれ落ちちゃったんです、僕の百円ちゃん。
それで、粋がるソイツを追い掛けて行くと長スカートの影へ。つまり、不良女子の長いスカートの中にすぽって…すぽって入って行っちゃった訳なんですよ、あはは。
「なんでも無いです、あは?」
はい、顔も相手の意識も反らして、さようなら百円。だって、その不良女子は志藤 京子って言う危険度マックスの方なんですもの。基本に従って付き合いません、語りません。
あぁ、怖かった。
あ、でも、顔は綺麗で可愛いので男子にそこそこ人気があるみたいなんですよねぇ、彼女。そこそこ止まりなのは不良だからですけど。普通にしてれば僕みたいな普通学生の票も集まって学内一は行けたかもしれないのになぁ。茶髪なのと直ぐ怒鳴るの治したらだけど。あとケバいメイク。
しかし、あれは本当に不幸な事故だった。…うぅ、この物悲しさを背負って午後の授業を受けたのか、僕は。

つづき「不良がーるず2」へ


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