この話はつづきです。はじめから読まれる方は「不良がーるず」へ
たった百円。されど百円。あぁ、きっと、あの百円ちゃんは不良女子・志藤に使われちゃったんだろうな。あぁ、なぜ見放した、僕?あぁ、なぜ言えなかった、僕!?
「あ、僕の百円が君のスカートの中に…」
言えないね、そりゃ。変態だものね、それじゃ。下手しなくも、そう因縁付けられるものね、きっと。
しかし、気分が優れないこの憤り。どうしてくれよう。…よし、ゲーセンのアーケードですっきりさせようじゃないか。大好きなんですよね、格ゲー。そこまで得意じゃ無いけど、コンピューター相手なら勝ちまくれますからね。ぶっ飛ばしてやりますよ。画面上の敵をね。
…で、いつもの通いなれたゲーセン。ここはUFOキャッチャーが売りみたい。立ち並ぶ大きなUFOキャッチャー達を跨いで、アーケードゾーンへ。ぶっちゃけ、UFOキャッチャー邪魔です。もう下手したら真後ろにあるんだもの。
だから、僕はその向かい側にいつも座ります。こっちの後ろは壁なので。
「さて、ワンコイン百円ちゃんを投入」
…あぁ、あの百円をここで使いたかったなぁ。くそぅ、この物悲しさと憤りと愛しさと切なさをぶつけてやりますよ、コンピューターに!
わはは、無敵。弱パンチ弱パンチ弱パンチ、強キック。上段、上段、上段と見せ掛けて下段。もう、現実ならフルボッコですよ。技とかそんなより、ただひたすらに打撃。もしくは、当たりの良い小技乱発。画面のコッチからアッチまで、端から端へと小技掛けながら移動。タイミングが良ければ、当たって倒れます。相手、コンピューターだから、あは。いゃあ、楽しいなー…
「えっ、お前、志藤京子、狙ってんの」
…うわぁ、ここにきて聞きたくない名前、聞いちゃったよ。もう、何なの?
「てゆーか、もうGET寸前?」
「まじ?よくあの気の強い女を」
「あはは、靖夫、こっぴどくフラれたんだっけ?で、昌はどーやって口説いたの?」
「なぁに、あーいうお高く止まった女はなぁ、ちょっといい男風に見せるだけでコロッといくんだよ」
「いい男って昌がかぁ?ガハハハッ、ありえねぇー」
「ばぁか、だからだろ?一見、不良だから、いい男演じるとコロッといくんだよ」
「で、一発ヤったらはいサヨナラだろぉ?」
「まぁーな、所詮はツッパリ女。付き合うなら、不良品じゃない方がいいつーの」
「ギャハ、お前が言うかね」
「終わったらお前らにやるよ」
わー、悪い人発見。
どんな顔…て、うちの学校の不良男子グループじゃん。
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