この話はつづきです。はじめから読まれる方は「ブライダル」へ
立ち上がった来家忠信を止め、植嶋一恵を貧そな椅子に座らせ新垣敬三が言った
「来家さんよ、まぁそんなに急ぐなよ」
新垣が言うと喫茶店の女主人が無言で入口にクローズと札を掛け中から施錠しカーテンを締めた
「随分と通じ合った仲なんだな」
来家が女主人を目線で追いながら再び椅子に座った
「よお、どうだいこの男、特警連中が探し回ってる人物に最適と思わねえか?」
新垣敬三の言葉に植嶋一恵は来家忠信を冷たい目線で見た
「悪くないと思いますが、只1つ問題があります」
植嶋一恵の言葉に来家は軽く笑い、新垣敬三は植嶋一恵を睨んだ
「確かに彼なら仕留める事は出来るでしょう、でも素性の判らない人物では」
「悪いんだが俺は警察や国を心底信用してないんでね、金を積まれてもやる気はしないぜ」
来家は静かな口調で言った
「なぁあんた、何故あんた披露宴会場にいたんだ?、傭兵する男が何故パートタイマーでカメラマンなんかしてた?」
新垣敬三の問に来家は軽く笑い答えなかった
「答えないなら俺が答えるか、あんたもあの新郎新婦を狙ってたんじゃないか?」
新垣敬三の言葉に植嶋一恵は来家忠信を見た
「あんた来家忠信って言う名は偽名だろ?」
新垣の言葉に来家は鼻で笑った
「なる程、調べは付いてるって訳か」
「悪いな、あんたがどうしても気に成ってな、それとまぁ歳に似合わずセンチな気持ちに成ってな」
新垣は小さく静かに笑った
「話しだけ聞いても良いが、遣る遣らないはその後だが」
来家忠信の返答に新垣敬三は微笑みながら頷いた
「だがもう一つ気に成るんだが、この特警とやらの女は何者だ?」
来家は植嶋一恵を睨みながら新垣敬三に言った、新垣が答えようとした時植嶋一恵が言った
「ご免なさい、挨拶が遅くなって私のは植嶋一恵、警視庁の特別捜査警察の者です」
「特別捜査警察?、初めて聞く名前だな」
来家が眉を細めた
「そうでしょうね、殆ど知られてない部署ですから、私達が主に捜査するのは国際手配された人物、それに関わった者達を調べ揚げて秘密裏に消すことですから」
「消す?、殺すって言う事か?」
「まぁそんな所ですね」
まるで普通に言う植嶋一恵の言葉に来家は少し驚いた
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