ブライダル(4)_ハッピーライフ-官能小説(happylives-novel)

牝獣(ひんじゅう)となりて女史哭(な)く牡丹の夜 ——日野草城

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ブライダル(4)

15-06-14 11:54

この話はつづきです。はじめから読まれる方は「ブライダル」へ

立ち上がった来家忠信を止め、植嶋一恵を貧そな椅子に座らせ新垣敬三が言った

「来家さんよ、まぁそんなに急ぐなよ」

新垣が言うと喫茶店の女主人が無言で入口にクローズと札を掛け中から施錠しカーテンを締めた

「随分と通じ合った仲なんだな」

来家が女主人を目線で追いながら再び椅子に座った

「よお、どうだいこの男、特警連中が探し回ってる人物に最適と思わねえか?」

新垣敬三の言葉に植嶋一恵は来家忠信を冷たい目線で見た

「悪くないと思いますが、只1つ問題があります」

植嶋一恵の言葉に来家は軽く笑い、新垣敬三は植嶋一恵を睨んだ

「確かに彼なら仕留める事は出来るでしょう、でも素性の判らない人物では」

「悪いんだが俺は警察や国を心底信用してないんでね、金を積まれてもやる気はしないぜ」

来家は静かな口調で言った

「なぁあんた、何故あんた披露宴会場にいたんだ?、傭兵する男が何故パートタイマーでカメラマンなんかしてた?」

新垣敬三の問に来家は軽く笑い答えなかった

「答えないなら俺が答えるか、あんたもあの新郎新婦を狙ってたんじゃないか?」

新垣敬三の言葉に植嶋一恵は来家忠信を見た

「あんた来家忠信って言う名は偽名だろ?」

新垣の言葉に来家は鼻で笑った

「なる程、調べは付いてるって訳か」

「悪いな、あんたがどうしても気に成ってな、それとまぁ歳に似合わずセンチな気持ちに成ってな」

新垣は小さく静かに笑った

「話しだけ聞いても良いが、遣る遣らないはその後だが」

来家忠信の返答に新垣敬三は微笑みながら頷いた

「だがもう一つ気に成るんだが、この特警とやらの女は何者だ?」

来家は植嶋一恵を睨みながら新垣敬三に言った、新垣が答えようとした時植嶋一恵が言った

「ご免なさい、挨拶が遅くなって私のは植嶋一恵、警視庁の特別捜査警察の者です」

「特別捜査警察?、初めて聞く名前だな」

来家が眉を細めた

「そうでしょうね、殆ど知られてない部署ですから、私達が主に捜査するのは国際手配された人物、それに関わった者達を調べ揚げて秘密裏に消すことですから」

「消す?、殺すって言う事か?」

「まぁそんな所ですね」

まるで普通に言う植嶋一恵の言葉に来家は少し驚いた


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