ブライダル(6)_ハッピーライフ-官能小説(happylives-novel)

牝獣(ひんじゅう)となりて女史哭(な)く牡丹の夜 ——日野草城

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ブライダル(6)

15-06-14 11:54

高級国産車が街の中を走り始めると植嶋一恵が2人にアイマスクを渡した

「悪いけどコレを着けて下さらない」

差し出されたアイマスクを2人は受け取り何も言わずアイマスクで目隠しをした、そして2時間位したであろおか車は地下駐車場へと入り停車すると後部座席の扉が開けられ来家忠信と新垣敬三は降ろされた、2人共目隠しをされたままで車を出され複数の男達に両脇を抱えられエレベーターの中へと入れられた

「もう良いわよ、アイマスクを取って貰って」

植嶋一恵の言葉に2人はアイマスクを外した

「随分と用心深い事だぜ」

新垣敬三が呟いた

「愚痴るなよ、此奴等だって守りたい事ぐらい有るんだろ」

ニヤリと来家忠信は軽く笑い植嶋一恵は無表情のままであった、3人と複数の男達が乗ったエレベーターが最上階の23階で止まり扉が開いた、3人と複数の男達が降り白を基調とした廊下を歩き角を右に曲がると正面にドアが有り植嶋一恵がドアをノックするとドアが開けられた、植嶋一恵が入口で敬礼し一礼すると2人は中に入れられ複数の男達はその場で立ち去った

「すまなかったね」

正面に座る恰幅の良い男が厳しい顔付きで言ってきた

「2人を連れて参りました」

植嶋一恵が男に言うと

「植嶋君、君も一緒に話を聞いて貰うよ」

男はそう言うと2人を重厚なソフィーに座らせ植嶋一恵にA4サイズの封筒を差し出し植嶋一恵は逸れを受け取り2人の前に置いた

「その中に私達が君達に消して貰いたい人物の写真とプロフィールを入れてある」

新垣敬三は封筒を広げ中から写真とプロフィールの書かれた書類をテーブルに広げた

「コイツ次期総裁と云われてる福住康雄じゃねえか?!」

そして写真はもう1枚あった

「これは日本最大の暴力団の総帥、田代剛造!!」

写真を持つ新垣敬三の手が小刻みに震えていた

「裏で繋がりが有るから消すのか?」

来家忠信は男に向かって言った

「済まんが詮索は止めて貰えんかな」

恰幅の良い男がニヤリと笑いながら言うと来家は軽く笑い

「警察が政治家とヤクザの親分を消すなんてドラマの世界だけと思っていたけどな」

「まあ勝手に勘ぐるのは良いが、余り突っ込んで欲しくないんだがね」

「まぁそうだな、だがまだ決めて無い物が有るぜ」

「ギャラかね?」

恰幅の良い男の言葉に来家と新垣は頷いた

「そうだな、まずギャラは無しにしないかね?」

「ギャラ無し!?」

新垣敬三の言葉に男は笑った

「なる程、俺達をタダ働きさせて後からサヨナラか

「君達に払う金が無いわけじゃないんだがな」

そう言うと男は指を鳴らすと壁が左右に開き中から複数の男達が銃を構えた

「金より命の方が大丈夫かと思うがね?」

ニヤリと笑う男に新垣敬三は苦虫を噛む顔を浮かべ来家は余裕の笑みを浮かべた

「全くあんたらはなんて云うか幸せ者だな」

来家の言葉に男は

「負け惜しみか?」

「なる程、安全呆けした連中は痛い眼に合わなきゃ判らんか?」

来家は鼻で笑い

「おまえ等俺達をこの建物に入れる時にボディーチェックをしたようだが、ちょっとチェックが甘いかったな」

「甘い?馬鹿げだ事を言うなよ!」

「馬鹿げた事か、本当におまえ等は馬鹿だぜ!」

「なに!」

男が席を立ち身を乗り出し来家忠信を睨み付けた、来家はジャンバーの内ポケットから太目の万年筆を取り出した

「コレが只の万年筆だと思うのが幸せ者だな、この中にニトログリセリンが入ってるんだせ」

「ニトロだと!?、そんな嘘がよく附けるな!」

「嘘かどうか試したらどうだ、嘘なら俺達が死におまえ等が助かる、然し本当なら俺達所か此処に居る連中は全て吹っ飛び粉々だな」

来家は万年筆を指先で摘み笑った

「さぁ撃ってみろよ!!」

余裕の笑みを浮かべる来家に男は立ち尽くした

「あなた本気なの?!」

植嶋一恵は恐怖に表情を強ばらせながら言った

「俺達傭兵はな、毎日戦場で命の取り合いをしてるんだよ、ハッタリが通用する程甘い世界じゃないんでね!」

来家の言葉に植嶋一恵が男に進言した

「長官!!彼は本気です、彼等を下げて下さい!」

植嶋一恵の言葉に男は怒りに満ちた溜め息を吐き

「仕方ない!下がれ!!」

男の号令に男達は銃を下げ部屋から出て行った、来家はその瞬間に恰幅の良い男に飛び付き背後に周り込み万年筆を口に食わえ込ませ男は嗚咽を吐きながら苦しみ出した

「おまえ等アマチュアがプロに刃向かったお仕置きだぜ!」

「待って!!落ち着いて!!落ち着くのよ!」

植嶋一恵の言葉に来家は笑った


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