醜女の復讐_ハッピーライフ-官能小説(happylives-novel)

牝獣(ひんじゅう)となりて女史哭(な)く牡丹の夜 ——日野草城

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醜女の復讐

16-01-09 11:12

やがて仕方なく自分の車に乗り込み、溜め息を吐いた。まだ気持ちの整理が付かないものの、アパートで麻美と真弓が手錠を掛けられたまま待っている事を思ってほくそ笑み、気を取り直してエンジンを掛けた。                      途中、スーパーで様々な冷凍食品やレトルト・カレー、パンなどを買い込み、アパートに向かった。外はすっかり暗くなっており、早く麻美たちを可愛がってやりたくてむずむずしていた。『今頃どうしとるんだろう?腹をすかして私の帰りを待っとるかな?』二人の姿が目に浮かぶようで楽しい。渋滞気味の国道に少し苛立っている時、バッグの中の携帯電話が鳴りだした。文代は片手でハンドルを握ったままバッグを開け、鳴り続けている麻美の携帯を手にした。発信!
は理沙とある。友達だろうと思い、どうしようか迷った末、出る事にした。〈もしもし、何してたの?〉「・・・」〈麻美!〉「私、吉田さんと同じ会社の者ですが・・・」文代は妙に落ち着いていた。〈はあ・・・〉「実は吉田さん、今日気分が悪くて会社を休みまして、今お見舞いに来てるんです」〈はい・・・〉「それで、吉田さんがあなたに会いたがっているので、すいませんがこちらまで来てもらえませんか?」〈わかりました・・・自宅ですね?〉「ええ。あ、私が車でそちらまで迎えに行きます」〈いえ、それじゃあ悪いですよ〉「構いません」〈そうですか・・・?じゃあ・・・〉理沙は、自分の家までではやはり気が引けるので近くのコンビニで落ち合う事にし、その場所を文代に説明した。そこは文代がいる所!
からかなり距離があるが、ここまで来た以上!
れないし、何よりも理沙という女に興味があった。梓の代わりという訳ではないにせよ、麻美の友達という見知らぬ女をもレズ調教し、三人と夜を共にしようと決心した。                        道を間違えながらもどうにか目的地に着き、その駐車場に車を停めてエンジンが掛かったまま外に出ると、出入口の近くで女が一人立っており、文代は「浜本さんですか?」と彼女に声を掛けた。「はい」理沙が文代を見て答えた。「早く行きましょう」「はい」二人は文代の車まで行き、理沙が助手席に着いた。「わざわざすみません」「いえ、いいんですよ」文代は笑顔で愛想良く答え、早速発車させた。市道をしばらく直進した後で交差点を右折した時、「あの、道が違いますよ」と理沙が言った。「!
そうですか?方向音痴なので」文代は道案内を拒むような雰囲気をかもしてそのまま進んだ。理沙は寂しい夜景を落ち着き無く何度も見た。「ねえ、どこへ行くんですか?」「だから吉田さんの家ですよ」「・・・・・」運転している女がほとんど喋らず、時々ほくそ笑むのを見て理沙は不気味に感じた。それでも、彼女が友達の会社の同僚だという事をわずかながら信じて気を落ち着かせようとしていた。                        車はようやく、文代の住むアパートに着いた。「ここはどこ・・・・・?」理沙が不安な表情で車窓から外を見て尋ねた。「実は、ここに吉田さんがいるんです」「ええ!?」理沙は驚いて文代を見た。「嘘を言ってごめんなさい」文代は笑っている。「あなた、誰?」「!
は文代。溝口文代」「何のつもり?」理沙は咎める!
口調で訊いた。「ま、それはすぐにわかるさ。降りましょう」そう言って後部座席からハンドバッグを取って降りたが、理沙は座ったままだ。「早く」窓ガラスを叩いて促し、理沙はゆっくり降り始めた。「心配しなくていいわよ」文代は笑って二階建て木造アパートに向かった。振り返ったら、理沙は突っ立っているので、「さあ」と再び促した。理沙はようやく歩を進めた。


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