牝獣(ひんじゅう)となりて女史哭(な)く牡丹の夜 ——日野草城
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16-03-18 03:02
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俺は、マンションの管理組合の会長に選ばれてしまった。 一人暮らしなので、できないって言っても、順番だからっておばさんたちに押し切られてしまった。
最初の仕事が、マンション敷地近辺の違法駐車に対する警告ビラをワイパーに挟み込むことだった。 これがまた、夜中にやるって言うんだな。 たまんねえよ。俺、朝早いのにさ。 そこんとこは考えてくれて、休みの前、つまり金曜の晩遅くに副会長の奥さんと回ることになった。 風呂に入って、湯冷めしないように厚着にして待っていた。
ピンポ~ン♪ 来た来た。 「はい」 「横山です」 副会長さんの奥さんの声がドア越しにした。 旦那さんは単身赴任中だとかで、今は一人だそうだ。 俺は、チェーンロックを外し、奥さんを招じ入れた。
「肌寒いですね」 と俺。 「もう秋ねえ。こんな時間にごめんね。会長さん」 「明日、休みっすから。ほんじゃ、行きましょうか」 「これ、ビラね。今日もたくさん、停まってるわ」 「そうですか。困ったもんですね」 俺は、車を持っていないので、余計に腹が立つんだな。
それにしても、この横山さんっていくつぐらいなんだろ。 五十は超えてるはずなんだけど、どうみても四十代半ばって感じで、すらっとしたパンツスタイルが似合っている。 ぴちっとした、お尻をふりながら、ヒールの高いツッカケを履いて、カツカツと先を行く。 ヒョウ柄のシュシュでポニーに束ねて、それが軽快に揺れていた。
通りに出て、曲がり角の端から十二、三台は停まっているだろうか、順にビラをワイパーブレードに挟んでいく。
ふと、横山さんがぼくの袖を引っ張った。 「な、なんです?副会長」 「ほら、あのクルマ」
指さす方を見れば、何やら人が運転席で動いているようだ。 女の生足が、一瞬、見えた。
「やってる・・・」咄嗟に俺は理解した。 「ね。ちょっと覗いてみましょ」 大胆な奥さんである。
「や、やばいっすよ」 「いいじゃない。会長さんも好きでしょ」 そんなこと言われたって・・・
ベルファイアという大き目のワンボックスで、カーセックスするには十分大きな車である。 フィルムは貼っていないので覗けば丸見えだった。 若い男と女が助手席のシートを倒して正常位で嵌めあっているところだった。 長いストロークで男が夢中で抽送していた。 女のくぐもった喘ぎ声が高まった。
「ああん、あん、あん」
横山さんは、大きな目を開けて、口まで開いて、覗いていた。 俺も結合部分に目が釘づけだった。
俺は正直、女性経験が数えるほどしかない。 その内の九割は商売女だった。 彼女というべき人は、できかけて、理由もわからずに破局した。
さて、件(くだん)の男の性器は自分のよりも立派に見えた。 顔は暗くて見えないけれど、あそこには街灯の明かりがちょうど差し込んで、スポットライトにように映し出されている。 突然、男がびくびくっと痙攣したように震えて、突っ伏すように女に倒れこんだ。 女も一段と大きな声で叫んだ。
「逝ったみたいね」 しゃがれた声で横山さんがつぶやいた。 「行こうよ。見つかるとやばいから」俺の喉もカラカラだった。
二人はそっと、車から離れた。 あとは、無言で残りのビラを挟んでいった。
マンションの非常階段にところまで戻ってきたとき、横山さんが、 「すごかったね」 「え、あ、まあ」 俺は、答えに窮した。
「会長さんは、彼女いるの?」 「いませんよ」 「だったら、あんなの見て、今晩、つらいんじゃない?」 あやしく横山さんの瞳が光った。
「だったら、ひとりでするだけっすよ」 俺はぶっきらぼうに答えた。
「してあげよっか」 そう聞こえた。
「え?」 「だからぁ、あたしが会長さんのお相手をしてあげようかって」 「いいんですか?俺、構いませんよ。うれしいなぁ」 「こんなおばさんで悪いけど。あたしだって、たまんないもの」 「でも、どこで?」 「あたしんちに来なさいよ。だあれもいないから」
深夜のエントランス。 横山さんと二人きりでエレベーターに乗り、最上階の7階で降りた。 都心の夜景がきれいだった。 横山さんの部屋はその一番奥だった。
「どうぞ」 「おじゃましまーす」
間取りは、俺の部屋とずいぶん違っていた。 端(はし)の部屋は俺の部屋より二倍くらい広いようだった。 モデルルームのような、洗練された調度品が整然と並ぶ。 きれい好きなマダムの部屋って感じだった。
「ビール飲む?」 缶ビールのロング缶を手に、キッチンから出てきた。
「いただきます」 イタリア製と思われるテーブルの上で、グラスにビールが注がれた。
「いい部屋ですね」 「端なんでね。二人じゃ広すぎて。今、一人でしょ。もてあましてんの」 軽く乾杯のポーズをとって、ぐっとグラスの半分くらい飲んでしまった。
「ご主人、単身赴任だとか、言ってましたよね。こないだ」 「そうよ。シンガポールにね」 「海外ですか」 驚きの表情で俺は答えた。
「たぶん、現地妻なんかがいるのよ」 不機嫌そうな表情で横山さんが言う。
「まさか」 「ま、いいじゃない。あたしだってしたいことしたいじゃない。ねぇ」 ニッといたずらっぽく、横山さんが笑いかけた。
「さ、飲んで。明日、休みなんでしょ?」 「い、いただきます。はい」
「でも、あんなところでするかぁ?ふつう」 横山さんが、あきれ顔で訊く。 「事情があるんでしょう。家でできないとか、ホテル代がもったいないとか」 「あはは、不倫かもね。あたしたちみたくね」 「ほんと、いいんですか?俺なんかと」 「いいのよ。会長さん・・・山本さんが、良ければね」 「俺は、光栄ですよ。横山さんみたいな熟女のお誘いを受けられるなんて」 「よしてよ。熟女にはちがいなけど、もう腐りかけよ」 そう言って、グラスを干した。
「でもしたいんでしょ」 意地悪く、俺は訊いてやった。
「したいわ。若い人と」 立ち上がると、俺の座っている方に回り込んできて、首に抱きついてきた。 もう、誘惑モードに入っている。
「尚子(なおこ)って呼んで」 「なおこ・・・じゃ、なおぼんだね」 俺は、別れた彼女が「奈緒美」で「なおぼん」と呼んでいたので、そう呼ばせてもらうことにした。
「何?それ。まあいいわ。山下さんて、下の名はなんて言うの?」 「崇(たかし)です」 「じゃ、たかし君。ベッドに行こう」 「うん、なおぼん」 「なんか変ね。その呼ばれかた・・・」 小首を傾げて、横山さんは立ち上がった。
ダブルベッドなどホテルでしか見たことがない俺は、戸惑ってしまった。 明かりは調光器でやや暗めに設定していた。 間接照明で壁際が明るい。
尚子さんは、さっさとクリーム色のブラウスを脱いで、ベージュの下着姿になった。
「わお」 「どうしたの?めずらしい?」 怪訝そうに尋ねる。
「いや、俺、正直、女の人のそういう姿あまり見ないんで」 とかなんとか・・・
「変な子。経験ないの?もしかして」 ベッドの縁(へり)に尚子さんは腰かけて訊く。 「いや、ありますよ」 自信無げに俺は返答した。
「ふふふ。強がり言って。じゃね、おばさんが手ほどきしてあげるから。脱いでここに横になりなさい」
もう、さっきから勃起していた。 尚子さんの化粧品の香りで、理性が吹っ飛びそうだった。 女とやれるんだという、得も言われぬ期待感でいっぱいだった。 トランクスの腰ゴムを一気に下げ、の雄姿を尚子さんに見せた。
「あら、すごいじゃな~い。びんび~ん」
あまり自慢できる代物ではないけれど、人並みだとは思っているので、どうどうと仁王立ちになった。
「どうですか?俺の」 「申し分なし!さ、ここに横になって」
俺は言われるがままに体を横たえた。 尚子さんは、ブラを取り、ショーツも足から抜いた。 けっこう、たっぷりとしたバストである。 かがめば、ぶらりと揺れるほどの。 陰毛は濃く、情熱的に見えた。
「じゃ、ごめんあそばせ」 そう言って、俺の横に滑り込んできた。
「触っていい?」尚子さんがうかがう。 「どうぞ」 細い、長い手指が俺をまさぐる。 竿を握り、包皮をいっぱいまで下ろしてくる。 カリの角をなぞり、先走りの液を表面に塗り拡げてくる。 なんとも慣れた手つきで、そういったお商売をしてたのかと勘ぐりたくなった。
「舐めてあげる」 「えっ?」 「なんで驚くのよ。してもらったことないの?」 「ヘルスでは・・・」 「そんなとこ行ってんだ。やらしい子」
そう言いつつ、ぱくりと先端を咥えこんだ。 その温かさと、柔らかさでさらに俺は硬くなったようだった。
「ああん、おっきい・・・それに、かったぁい」
なんだか絶賛してくれている。 悪い気はしない。 べろべろ、じゅぼじゅぼと激しく扱われ、かなり危ない状況だった。
「奥さん、俺・・・」 「奥さんじゃなくって、なおぼんでしょ?どうしたの?もうだめ?」 俺は、首を縦に振って、限界を知らせた。
「一度、出しちゃいなさいよ」 口の中へ出せというのか?それならそれでいいやと思った。 尚子さんの妖艶な表情、その淫靡な唇が俺自身を咥えているのだ。 もうだめだった。
「なおぼん、いぐっ!」
長い射精感が続いた。尚子さんには悪いが、一瞬、奈緒子の顔が浮かんだ。 どっくどっくと液体がペニスを通過している。
「うほっ」 尚子さんが、むせるような声を出しているが、目をつむってすべて受け止めてくれている。 口の角から、どろりと白い粘液がこぼれだした。 手を当てて受ける尚子さん。
「むあぁ、いっぱい・・」 あろうことか、脱いだショーツに吐き出した。
「なおぼん・・・そんなとこに出してどうすんの?」 俺は訊いた。
「ティッシュが間に合わないから。いいのよ。洗うし。でも、すごい量ね。溜まってた?」 「まあ、あまり一人でしないから」 「あらら、小さくなっちゃった」
射精後は無残にちぢんでしまって、陰毛の影に隠れてしまっていた。
「ちょっと、うがいしてくるね。キス、いやでしょ?このままじゃ」 「はあ」 賢者モードの俺は、気のない返事をした。
俺が回復するまで、ベッドの中で、天井のシャンデリアを見ながら二人でしゃべっていた。
「じゃ、その奈緒子さん、ほかに男がいたんだ」 「そうじゃないかなって、思うんだけど、確かめようがないんだよな」 奈緒子と別れた経緯を話していた。
「二股って、あると思うよ。女にとっちゃ、保険をかけておきたいからね」 「男も同じだけど」 「あたしさ、旦那と結婚する前に二股かけてたんだよ」 「へえ」 「その人、遊び人だったから、堅実に今の旦那の方を取ったの。結婚してからも何度か会ってたな」 「ひどいな。なおぼんは」 「あたしもそう思う。でも最近は、旦那のほうが赴任先で何をしてるかわかったもんじゃないわ」 「お互い様ってわけだね」 「ま、ね」 俺は、馬鹿話を止めるために、尚子さんの口を奪った。
「あ、む」 やや乱暴な接吻だったけれど、直に尚子さんのペースで舌をからめとられた。 他人の唾液が甘いと感じたのは初めてだった。 再び激しく勃起していた。
「ね、クンニしてくれない?」 「いいけど、上手じゃないよ」
ぱっくりと開かれた陰唇に俺は口を持って行った。 獣性を感じさせる熱い香りが立ち上る。 決して嫌な匂いではない。 どう舐めていいのかわからず、膣の周りと思しい部分を舌先でつつき、押し広げた。
「あふっ。いいわ」 それでも、尚子さんは賛美してくれた。
「ここも、お願い」 そう言って、クリトリスの部分を自分の指で広げた。 俺は、そのくちばしのような器官を唇で挟んだ。
「ああん!」 声が大きくなった。気持ちいいのだろうか? 唾をためて、その突起に擦り付け、たっぷりと潤して舐めあげた。
「きゃん!」 仔犬のような声が発せられた。 同時に、びくびくと内股が痙攣した。逝ったのだろうか?
「もう、入れてっ」 尚子さんがとうとう、おねだりしてしまった。 俺は、浅い経験でなんとか亀頭を膣口にあてがい、正常位で腰を入れた。 ズボリと尚子さんのあそこは、俺を軽々と根元まで呑み込んだ。
「あ~ン、入ってきたぁ」
ちょっと緩いかなという印象だったが、なんのなんの、だんだん締ってきて、ぎゅうぎゅうと締め付けてくる。
「お乳を、かわいがってくれる?」
俺は、従順にかわるがわるその柔らかい、わらび餅か水まんじゅうのような器官を揉み、乳首を甘噛みした。 そうすると、膣もひくひくと震えだし、俺を離さないという意志でもあるかのような動きを呈した。
「いいわぁ。とっても」 「なおぼん。とても締るよ。あそこ」 「あたしにもわかるの。ぎゅっと締めてる感じが。ね、動いてもいいのよ」 俺は、ピストン運動をおろそかにしていた。
「じゃ、動きますよ」 ずん、ずんと最初はゆっくり、だんだん早く、音がするくらいに激しく打ち付けた。
「はうっ!ううっ、やん、いっくう、いっちゃう」
尚子さんの中は、ますます滑らかになり、溢れ出さんばかりだった。 その発する音も、耳障りなくらい大きくなった。 俺のペニスは泡立つ粘液で白くなって、尚子さんから出てくる。
「いい?なおぼん」 「いいっ。いいっ!」 「中で出すよ」 「出してっ、いいから、ちょうだいっ!」
一度出して長持ちしている俺だけれど、ここまでよがられると、その視覚的な要因でオーガズムに登り詰めそうだった。 尚子さんの歳なら妊娠の可能性は皆無なのだろう。 尚子さんの足が俺の腰を挟み込み、もっと奥へいてくれと言っているようだった。
俺は尚子さんの口に舌を入れてかき回し、腰は振りながら、死にそうなぐらい運動した。 汗が、玉になって、尚子さんにぼたぼたと降りかかる。 腰を持ち上げ、屈曲位で深く突き刺した。
「うああああ、なおぼ~ん」 俺は、大爆発した。
「うぎゃ」
尚子さんは顔をしかめてのけぞった。 抜けた膣口から噴き出す精液。 ぼこっと音を立てて大きな泡が膨らんで割れた。 二人はそのまま朝までベッドで眠りこけ、俺は初めて女の家で朝を迎えた。
その後、なおぼん夫妻が引っ越すまで関係は続いたけれど。 今は、俺も結婚して、かみさん一筋、二児のパパになった。
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