至高の快感だった。
狂宴は既に数時間にも及んだ。
「ああ~、スゴいっ、ダメっ、おかしくなっち
ゃうっ、ああっイイ~っ、これ好きっ、あっあ
っあっあっ、こんな、こんなことって、あああ
あ~、何これっ、気持ちイイ~、お願い、もっ
と、もっとお~、あああああ~」
陰茎を持たない女同士のSEXというものに多
少の偏見と疑問を引きずったまま始まった夜で
あったが、今となってはそんなものとうに吹き
飛んでいた。
逆に女同士だからこそ出来る愛し方をたっぷり
教えられた。
敦子は夏菜と対面に向かい合いお互いの足を交
互に重ね、密着させた女性器同士を腰を振って
擦り合わせていた。
貝合わせという名の体位だと夏菜は言っていた
が、その気持ち良さといったら言葉では言い表
せぬものだった。
この体位だけでも既に大小数え切れぬくらい気
をやっている。
女性器同士を摺り合わせるその感覚は初めて味
わう感触で、質感、柔らかさ、密着感、どれを
とっても最高に敦子を高めた。
「ああ、気持ちイイ~、もうだめ~、イグイグ
っ・・うう・・あっあっあっ、うそっまたイっ
ちゃうう・・・ギモチイイ~」
「これがこの世の天国よ。ああっ、私もイっち
ゃう~、オマンコ同士ってとても相性が良いで
しょ?どう?こんな感じ、初めてじゃなくっ
て?でもまだよ。あああっ、もっと良くなるから。イイわ~、私もまたイキそう。ほらっほら
っ、もっと腰を使って」
夏菜の腰のリズムが加速する。
艶めかしいその腰が刻む旋律が何とも官能的な
リズムとなって、敦子の快感曲線を急激に上昇
させていく。
ミュージシャンの夏菜が奏でる緩急交えた官能
の旋律に必死に応えようとまた敦子の腰も激し
さを増していった。
「あっあっあっあっあっ」
「あっあっあっあっあっ」
二人は天国への階段を一歩一歩踏みしめるよう
に同調していく。
「ああああ~、もうっ、もうっ、くるっ、くる
っ!ダメっ、きちゃう~!」
「待って!私も。ああっ、くるっ、一緒にイキ
ましょう、あああ~、ああああ~、イクううう
っ」
(私ったらいったいどうしちゃったっていう
の?恐い。どうしてこんなに気持ちがいいのよ
~。頭がおかしくなっちゃたの?狂う、狂っち
ゃうくらい気持ちがイイイイ~!こんなの初め
てええ~)
「うわああああああ~~~っ」
その瞬間、目の前で火花が弾け、そして頭が真
っ白になった。
全身がガクガクと震え、白目をむくように天井
を仰いだ。
敦子は強烈なアクメ感で大絶叫を張り上げる
と、そのまま呆けたような顔をして気を失って
しまったのだ。
美人刑事が目の前で失神する様を見届け身震い
するほどの満足感を味わいながら、夏菜もまた
絶頂を迎えた。
ーーーー
バーを出てからは殆ど口を開いていなかった。
そんな重い空気をワインと軽妙なトークが和ま
せてくれた。
その流れのまま自然に誘惑されたキスで体の芯
まで蕩かされた。
凄く素敵なキスだった。
彼に対しての罪悪感が消えた訳ではない。
ただ、甘く官能的なキスは敦子の奥底に潜む何
かをくすぐっていた。
頭の片隅で防衛本能がやたらと警鐘を鳴らして
いた。
(危ない!危ない!この子、キスが凄く上手。
キスだけでこんなにされたら・・・)
だが全身の力が抜けてしまったように唇を離す
ことが出来なかった。
(もっと!駄目!もっと!駄目!)
無意識の葛藤が続く中、知らぬ間に衣服は脱が
されていき、次々とだらしなく床に落ちていっ
た。
気が付けばいつの間にか下着だけの格好にさ
れ、ベッドの上で抱き締められていた。
ーーーー
「はっ?!」
「気が付いた?」
腕枕をされる彼女の右手の中で敦子は意識を取
り戻した。
失神する事自体初めての経験だった。
女性の二の腕は細く柔らか過ぎてなんだか居心
地が悪い。
だが凄まじい快の嵐が過ぎ去った体はバラバ
ラになったみたいで、今は指一本動かすことす
ら億劫だった。
「ハアっ、ハア~・・ハア、ハア」
まだ体が痙攣している。
「刑事さんって、凄い声出すのね。可愛いかっ
た。彼氏ともあんなに激しいの?」
夏菜は少しからかうように言うと、空いた左手
で煙草をふかした。
どこか勝ち誇ったような彼女の仕草に悔しさ以
上に恥ずかしさを覚え、体が熱くなるのがわか
った。
だが今の敦子には屈辱的な言葉を否定すること
も、その白い頬へ強烈な平手打ちをお見舞いす
ることも出来なかった。
その代わり無言で下唇を噛み締め顔を背けた。
「フフ、ちょっと意地悪だったかな?でも女も
満更悪くなかったでしょ?」
(本当に信じられない。女同士がこんなに気持
ちいいものだったなんて。同性だからどこをど
うすればいいか全部わかってるんだ。レズのS
EXを一度経験してしまうと、戻れなくなるっ
て何かの本で読んだことがあるけど、こんなに
感じさせられてしまって、私もう男では感じる
ことができないんだろうか?・・・
ああ、こんなことしなければ良かった。雄介に
こんな大きな秘密を抱えてしまって・・・
彼にどんな顔して会えばいいんだろう?)
敦子は罪悪感と後悔の念でいっぱいだった。
コメント