あやめの記憶 〜再会へのいざない〜_ハッピーライフ-官能小説(happylives-novel)

牝獣(ひんじゅう)となりて女史哭(な)く牡丹の夜 ——日野草城

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あやめの記憶 〜再会へのいざない〜

16-05-27 03:11

5年ぶりの再会は、お互い共に当時の姿、声、香のまま。
異なるのは、重ねた齢を自らの成長に投資した2人の存在感。

別に2人は友達でもなければかつての恋人同士でもない。
あくまで客と奉仕人、いわゆる整体師であり、
ましてや肉体関係など一切ない。
ただ、以前理人が勤めていた整体院に利恵が通っており、
その店で、いつしか理人が利恵から指名を受けるようになったまでのこと。

月日は流れ、利恵は小さいながらも表参道に輸入雑貨の店を構え、
そして理人は、ホテルのテナントとして都内に数店舗構えるスパのオーナーに出世した。

再会までの経緯はこの物語の主旨ではないので割愛するが、
利恵は仕事も順調な安堵感から心のゆとりを感じ、
一方でその余裕からか、躰の奥底から滲み出る背徳感を
どうにも抑えきれず、理人に再会するための行動に出た。

理人はどうか。

動揺していた。5年前、老若男女問わず多くの客に施術していた理人にとっては
顧客の1人に過ぎない。
にもかかわらず、利恵への、結果的にそれが当時の最後の指名となった
たった1回の予期せぬ奉仕が、
利恵からの久しぶりのアプローチにより、鮮明なフラッシュバックと化し、
理人の男性を擽っている。


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