あやめの記憶 〜フラッシュバック あやめのいざない〜_ハッピーライフ-官能小説(happylives-novel)

牝獣(ひんじゅう)となりて女史哭(な)く牡丹の夜 ——日野草城

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あやめの記憶 〜フラッシュバック あやめのいざない〜

16-05-28 03:13

理人は、時期も同じ5年前の5月、
神保町界隈の、とある雑居ビルの記憶を辿っていた。
言わずもがな利恵も、あの日の出来事をこれまで「事あるごと」に何度も思い起こし、
そして理人を一目見た途端、一気に、より鮮明に蘇ってきた。

「水城様…すいません、お躰から汗が…今タオルご用意します…」

「あ、はい、ありがとうございます。」

理人の入念なマッサージにより、
うつ伏せに横たわった利恵の躰は汗にまみれ、
身につけたマッサージ用の一枚着は、
気付けば次第にめくれ上がっており、
利恵の艶めかしい白腿を、その付け根まであらわにしていた。

そして、わずかに開いた白腿の、その付け根にかすかに垣間見える、
あやめの花から溢れる濃厚な蜜を、理人は見逃さない。
無論下着は履いていても、濃蜜はあやめを、そのシルクの奥で露わにした。
あやめの中心で主張する雌しべは、
蜜蜂にその濃蜜を差し出す代わりに、
雄しべからの受粉を、今か今かと期待しているかのよう。

理人の言う“汗”とは、どちらの汗のことか…

それにしても、齢40手前の淑女の躰とは、なんと艶めかしいことか。
滑らかな果皮、瑞々しい果汁、熟成と供に増した質感と、漂う甘美な香舞は、
初夏とは思えぬ白桃の調べ。
季節を先取りしたその存在は、時に見る者を虜にし、
そして悪戯に、見る者の本能を刺激する。

当の理人もついつい惑わされ、利恵の果汁をタオルで拭いながら、
不意に利恵の予期せぬ一言を、思わず発してしまう。


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