覗かれた裸体_ハッピーライフ-官能小説(happylives-novel)

牝獣(ひんじゅう)となりて女史哭(な)く牡丹の夜 ——日野草城

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覗かれた裸体

16-06-14 04:11

 四月になってもまだ山深い里山はようやく木々の芽が吹き始め山桜がひときわ目を引く季節を迎えていた。
三月に中学を卒業する多くの子供はまだ就職を余儀なくされた昭和三十年代、原田家の三女の美知恵も例外なく都会の紡績工場に女工として就職した。
一度家に帰った6月の朝 美知恵は母のみなゑに送られてバス停から職場に立った。
農繁期を迎えても去年不慮の事故で先だった夫はいない中、舅の泰三に頼らなければならないみなゑは娘を見送ると急いで泰三の待つ田んぼに向かった。
わずか四反ほどの田であるが家畜に頼るこの村では相当の重労働であった。
「美知恵は行ったか?」
泰三は三奈江にそう言って苗の束を放り投げた。
寂し気なみなゑの顔を見つめながら言った。
「みなゑ、今夜 兄の見舞いに行ってくる、早めに風呂を沸かしてくれや」
「義叔父さんの具合どうなんです、最近ちっとも顔を見ないんだけど」
叔父はみなゑの仲人でもあり日頃から世話になっていた、夫の死後も何かと声をかけてくれたのだった。
「もう70だからな、あの体ではそう長くはないな・・・」
義叔父は5歳上であるから泰三も65歳を迎えていたが人一倍頑強な体格と強精な男は何かと部落では有名な男であった。
近所では早く妻を亡くした泰三が嫁のみなゑとの間を気に掛けるくらい女好きな男である。
みなゑの白いもち肌と農作業で鍛えられた足腰は締まって三人子供を産んだ体形ではなくはちきれそうな尻と胸の膨らみは男の目を引くのだった、
ましてや未亡人ともなればなおさらであった。

みなゑは3時には農作業を切り上げて風呂の準備と夕飯の支度にとりかかった。
山の水を竹のトイで引き入れ舟屋と呼ばれる木の大きな器で貯めるものである、風呂の水はバケツでここから運び入れるのである。
もちろんヒノキでできた湯船に水を張るには相当の重労働である、しかしなみゑは苦労とも思わず今までそうしてきたのだあった。
泰三が田んぼから帰ったのは5時頃である、まだあたりは明るく一仕事するほどの時間であった。
泥だらけの野良着を脱ぎ捨てると泰三は風呂場に向かったが少しすると大きな泰三の声がした
「なみゑ、湯が熱いぞ水くれや」
聞きつけたみなゑは「はーい」と返事を返してバケツに水を汲んで風呂場に立った。
母屋から数メートル離れた所に風呂場はあった、当時の農家はほとんどが便所と風呂場は外にあり寒い冬は寒さを感じながら利用していたのである。
「義父さん水・・・」
「おう」泰三は風呂の戸を開けた。
素裸の泰三が立っている、みなゑは思わず顔そむけてバケツを差し出した。
衰えを感じさせない下半身の間にだらりと垂れた巨根が垣間見えたのである。
もう夫との営みが無くなったみなゑもまだ四十路の女である、久々に見た男根に複雑な思いをするのだった。

泰三が夕飯を済ませて家を出たのは7時であった、なみゑには10時頃には帰ると言い残して出て行った。
しかしを見舞って一時間もしないうちに泰三は家に向かっていた、それには泰三の歪んだ企みがあった。
田んぼに囲まれた一軒家、表には大きく茂った餅木と垣根があり蛍が飛び交う夜であったが、遠くで光る閃光が夕立が近いことを知らせていた。
犬小屋があり、人の気配があれば吠えるのであるがなにせ泰三である吠えることはないのである。
それを知る泰三はみなゑに悟られることなく風呂場の隣の納屋に忍ことが出来たのである。
風呂場と納屋を仕切る一枚の杉板、随所に節穴があり風呂場の脱衣場も浴槽も覗き込むことができるのである、稲藁が積み込まれたこの板塀の存在を
誰も知る由はなかった。
泰三は忍び込むと稲わらの束を除きながら狭い空間に入り込んでみなゑのいつもの入浴時間を待つのであった。
                                                     つづく


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