覗かれた裸体 8_ハッピーライフ-官能小説(happylives-novel)

牝獣(ひんじゅう)となりて女史哭(な)く牡丹の夜 ——日野草城

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覗かれた裸体 8

16-07-13 04:12

 あの晩以来、みなゑは風呂場の脱衣場に立つたびに節穴を意識しないわけにはいかなかった。
心の中でまた泰三が覗いているのではないだろうか・・・。
しかし何故かそれが恐怖というよりどこかでそれを密かに望んでいる自分があるのだった。

泰三もあの晩以来みなゑの肉体の味が忘れられないのか寝床に入ると再びあの情景を思い返していた。
あの弾力のある豊満な肉体、白い肌、バックから試みた挿入、脳髄に走る快感 泰三のマラは天井に突き挙げていた。
「堪らん、千擦りでもするしかないな」 
褌の脇から突き出たマラを握りみなゑの顔を思い浮かべた、整った艶顔が快楽に歪むのを思い浮かべた。
「みなゑ・・・気持ちよかろう、どうだ」
千擦りする手をランダムに動かしながら妄想の中のセックスを楽しんだ。
「うう うう うう 気持ちええぞみなゑ~あああ・・出すぞ~」
射精を済ませると深い眠りに就くのだった。

八月の立秋を迎えるころになると田畑には赤とんぼの飛ぶ姿が多く観られるようになる、旧盆も近いのである。
みなゑは円応寺の裏庭にある墓の掃除に来ていた。
午後の四時を過ぎるころは日がすでに山陰に沈みせわしく啼いていたセミも声もヒグラシの寂しげな啼き声に変わっていた。
「みなゑ殿、ご苦労様ですな 今年はご主人の初盆でしたな」
住職の円藤が通りかかって声をかけた。
「ええいつもお世話になります」姉さんかむりの手ぬぐいを頭から取り頭を下げた。
「若くて逝かれたんじゃの、お前さんも寂しかろ」
円藤の意味ありげな顔と視線がみなゑに向けられていた。
「どうじゃなお茶でも飲んでいかんかな」
「おかまいなく、舅もいますので」
「あの泰三か、呑み助で女好きな・・・あんたも気つけなあかん」
円藤はいらぬ説教というより泰三にやっかみを込めて言った。
みなゑは円藤の噂も耳にしていた、若い戦争未亡人をや寺に来た年増の後家を誘い込んでの情交など色坊主であることを。
そんな円藤の誘いにみなゑは断って家路を急いだ。

夕暮れを迎え大きく育った稲田のあぜ道に泰三が立っているのが見えた。
泰三もみなゑが来るのに気が付いた。
「どこに行ってたのか・・」
「お墓掃除です、今 夕飯の支度しますから」
みなゑはそう言って泰三の横を通り過ぎようとした、その時である。
「みなゑ、怒っているのか、すまんことしたの許してくれ」
通りざまに泰三は言った。
みなゑは黙って振り向く事はなかったが怒る気持ちはなかった。

夕飯時も泰三は気まずそうにあまり口を開かなかった。
「お義父さん、もう気にしないでください、私もいけなかったんです」
みなゑは思い切って言葉をかけた。
「すまん、みなゑ」
「お義父さんもお義母さんを亡くして寂しかったんでしょ」
「・・・・・」
「お酒 私も戴いていいですか」
みなゑは湯飲み茶わんに焼酎の瓶を傾けた。
「戴きます」
こんなことは初めてである、泰三は驚いた。
一合もあろう湯飲み茶わんの焼酎を一気に飲み干すのだった。
なみゑの白い肌が桜色に染まるのには時はかからなかった。
「みなゑ大丈夫か・・」
グッタリと倒れ込むようにみなゑは食卓に寄り掛かるのだった。
泰三はしばらく様子を見ていたがとりあえず居間の畳の部屋にみなゑを運んだ。
野良着から伝わる柔らかな肉体の感触、甘酸っぱい女体の臭いが泰三にはたまらなく愛おしかった。

 それから幾時たっただろうか、みなゑは目を覚ました。
時計を見るととっくに10時を回っていた。
居間に寝かされ薄い布団をかけてくれた泰三、あわよくまた私を抱くのではと思ったが意外な優しさにみなゑは泰三を思いやった。
みなゑは食卓の後片付けを済ませるとまだふわついた体で風呂場に向かうのであった。


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