牝獣(ひんじゅう)となりて女史哭(な)く牡丹の夜 ——日野草城
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17-01-05 05:10
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5コール目ぐらいでマキが出た。 「どうしたの、こんな時間に」声自体は普通。 「いや、ちょっと体調崩して会社休んでるんだけど、どうしても声が聞きたくなって」 僕も努めて冷静にかつ若干弱々しくそう言って話し始めた。
マキはちゃんは気遣いの言葉を掛けてくれるが、 「もう、寝てた方がいいよ」とか「あんまり話してると具合悪くなるよ」とか「すぐに病院行った方がいいよ」とか電話を早く切りたそう。
僕は電話から聞こえる僅かな物音も聞き漏らすまいと聞き耳を立てながら、必死で話を伸ばしていた。
そのうち返事が段々遅くなり、やがてマキが「ちょっと待って」と言ってしばらく無音。そして「ゴメン、後でこっちから掛けるね」と言ってプツリと電話は切れた。
どうしようも無い敗北感と絶望感。 それから1時間ぐらい経った頃、部長が一人で出てきて、車に乗ってそのまま行ってしまった。 見上げるとマキの部屋のカーテンは又開いていた。
酷く惨めな気分で大阪に帰った。車の中の暑さも効いたのか、帰り着いた時には本当に体調を崩していた。
レンタカーで駅に向かう間にマキから電話が何度かあったが、全て無視した。 車の中で徹夜した後で、死ぬほど疲れて体調も悪かったが、その夜もほとんど眠れなかった。
次に日会社行くと、いきなり死人動いてるみたいだと言われ、帰って寝なさいと言われて帰らされた。 それほど見た目にも酷い状態だったし、精神的にはもっと酷い状態だった。
マキから電話があって、電話に出たが、僕はかなりウワの空で話していた。頭に浮かぶのは部長に抱かれているマキの姿ばかり。 その日も部屋から一歩も出ずに色々考えていた。
その中で思い出した事や気づいた事がたくさんあった。点と点を結べば線になっていく。
部長は4月まで以前マキがいた事業部の部長だった事。部長が違う事業部なのに慰安旅行には来ていた事(他にもいろんな人が来ていたので違和感は特に無かった)。 マキとドライブに行った時、マキが間違えて右側に乗ろうとした事。マキが休みの前の日は、マキからの電話が少ない事など。
そして気付いた中で最悪なのが、部長のエロ話に時々出てくる「彼氏のいる女」というのがマキの事では無いかと気付いた事だった。
少なくとも10回以上、僕は部長のお供をして飲みにいっていた。 その度にエロ話を聞かされたが、そのエロ話の中に「彼氏のいる女」がしょっちゅう出てくる。名前はなんとミキ。
バカでも気付きそうな事だが、僕は爪の先程も考えなかった。 それがマキの事なら、僕は部長と会う度に自分の彼女との「アレ」の内容を、バカ面下げてニヤニヤ聞いていた事になる。 それどころか、僕はICレコーダーに録音された、「ミキ」の喘ぎ声すら聞いた事があるのだった。
なぜ僕はそれに気付かなかったか。 答えは、僕の知る「マキ」と部長が話す「ミキ」とは余りにかけ離れているからだった。
僕の知るマキはセックスはいたって地味で消極的。喘ぎ声もほとんど出さないし、電気消さないとさせてくれない。 ところが部長の話す「マキ」は、なかなか大胆な子で、セックスも積極的。
しかし部長の話を思い出して纏めてみると、やはり「ミキ」は「マキ」だとしか思えなくなってくる。
もしそうなら・・・ マキは少なくとも100回以上は部長に抱かれているし、少なくとも週1回以上は、部長とセックスをしている・・・ 部長のエロ話にはエグい話がいっぱいあったので、思い出しながらミキとマキを重ねると、死にたいような気持ちになった。
でもなぜ、部長は僕にそんな話をしたのだろう。マキは何故、部長に抱かれながら、僕に別れ話をしないのだろう。 色々繋がってはくるが、全てを知る為にはまだまだ足りなかった。
僕は、もうしばらくマヌケ男を演じようと思った。 そして全て知ろう。今度は確信ではなく、出来るだけ確証を得ようと決めた。 僕が知っているマキを僕の中から消し去る為に。
休みが明けると、僕は元気に出社した。 今回の事で、心と脳の一部をフリーズさせる事が出来る事を知った。仕事も特にミスも無く普通に出来たし、マキと電話で自然に話す事も出来た。 そして数日経った頃、待っていた部長が大阪にやってきた。
いつものように飲みに言って、いつものようにエロ話が始まった。 僕はいつも以上にヘラヘラしながら部長の話を聞きながら、なるべく上手な聞き役になろうとした。
部長は上機嫌で話続け、やがて「ミキ」の話が出た。僕はまったく気付いていない振りをしながら、興味深そうな相槌を打ち、なるべく話を聞きだそうと懸命だった。
部長も調子に乗ったのか、かなりエグい話も多かったが、準備していれば対処出来るという仕事の鉄則通り、僕は顔色を変えず、その話を聞いていた。
そこで判った事は、(「ミキ」が「マキ」で、部長の話を全て真実としてという前提で)
マキの処女は部長が奪った事。 マキは部長の事が好きだが、部長はお気に入りのセフレの一人だと思っている マキは一度、部長と別れて、又付き合い始めた。 なぜ別れたかは、マキが彼女づらして煩かったから部長が切った。 (部長の理屈では、処女を抱くと色々面倒だが、一旦、他の男に回すとこなれてちょうど良くなるという事らしい) 最近は毎週会ってる。会うと必ずセックスはする。
などで、よりを戻したキッカケやいつからよりが戻ったかは判らなかった。 (部長とマキがどんな風にヤっているかは、少なくともこの100倍の情報があったが)
そして話からではなく、部長を観察していて判ったのは、マキとのセックスの事を僕に話すのをあきらかに楽しんでいるという事だった。
その夜は再び眠れなった。全てを知ろうとすれば、聞きたくない話を聞かなければいけない状況だったが、それは辛い経験だった。
部長に立ちバックで突かれて2回イッたマキ。 ドライブ中に、車の中で部長にフェラチオするマキ。 たっぷりヤった後に、もう1回と甘えた声でオネダリするマキ。
真っ暗な一人の部屋に、部長から聞いた生々しいマキの淫らな様子が浮かんでくる。 身もだえする程の嫉妬、怒り、苦しみを味わいながら、ずっとふとんの上をゴロゴロとのた打ち回ったいた。
とりあえずここまで書いた。 これ以上書くと休みが潰れるので、また今度。
俺のオナニーみたいな思い出話だが、一度誰かに話したかった。 スレ汚しならスマン。
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