牝獣(ひんじゅう)となりて女史哭(な)く牡丹の夜 ——日野草城
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17-01-17 03:53
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俺が19の頃の話。
小学校時代からの友人T家が俺たちの溜まり場で、毎日毎日ろくでもない話で大騒ぎをしていた。
その友人Tに4つ上の姉Nさんがいたが、何時も挨拶をする程度で俺たちに関心が無い様だった。
ある日T家で友人たちと酒を飲んでいた所、Nさんが友人Rさんを連れて帰ってきた。 ちょっとぽっちゃりしているRさんは初めて会ったにも関らず、あっと言う間に俺たちの輪の中へ入ってきた。
Nさんはと言うと・・・仕方無さそうに弟であるTの横に座り一緒に酒を飲み始めた。
1時間も経った頃だろうか、トイレへ行ったり飲み物を取りに行ったりで戻って来た時には席がバラバラになり始め、Nさんが俺の隣へ・・・。 少し酔い始めたNさんは何時もの素っ気無い態度とは違い冗舌だった。
「彼女はいるの?」「どんなタイプが好きなの?」「どんなTV番組が好き?」・・・ Nさんの質問攻めは一向に止まらなかった。
段々と話も盛り上がったその時、ふと肩と肩が触れ合った。 Nさんのセミロングの髪からは大人ならではの何とも言えない甘い香り。 これだけで心臓はドキドキしていた。
「Tの姉だ!Tの姉なんだ!・・・」と何度も心の中で呟いた。
酒も無くなりその日はお開きになったが、Nさんと急接近出来た事が俺には嬉しかった。
数日後T家に遊びに行くと、ドアを開けてくれたのはNさんだった。 中へ入ろうと思ったらNさんが急いでドアの外へ出てきた。 俺の耳元で 「俺くん・・・この前の飲みで私結構酔っていたんだけど、変な話しとかなかった?」 「後でRに聞いたら、俺くんに絡んでいたよ!って聞いたから心配になっちゃって・・・」 ちょっと上目使いで心配そうな顔のNさん。
「ちょっと酔ってましたよねぇ・・・かなり際どい話もしてきたし・・・」 なんて話をしたら、Nさんは俺の袖を少し掴み、今にも泣きそうな顔。
「嘘ですよぉ!信じないで下さいって!」ってフォローしたら 「もぉー!絶対遊んであげないから!」とふくれっ面顔で怒られた。 何度も謝りどうにか許してもらえたが、「今度何か奢って貰うからね!」と約束させられた。
それからはT家に行けばNさんとも話が出来る様になり、取り留めの無い会話で盛り上がったりもしていた。
あの飲み会から1ヶ月は経っただろうか。 ある日の金曜日、何時もの様にT家へ遊びに行ったがNさんは不在だった。
「まぁ遊びに行くたびいる訳無いよなぁ・・・」と思いながらも、Nさんが帰ってくるのを待っていた。
何時もの様にくだらない会話で盛り上っていたら、Tの携帯が鳴った。 Nさんからで「飲み会で夕飯はいらないってお母さんに伝えて!」と言うだけいい、ホンの数秒で電話が切れた。 「会えるかなぁ・・・」と甘い期待をしていたが脆くも崩れてしまった。
この日はT家で夕飯もご馳走になり、0時を回った所で帰る事にした。 T家から俺の自宅まで歩いて20分。 何時もの様に音楽を聴きながら何時もの帰り道を歩いていた。
T家から歩いて10分くらいだろうか。 帰り道に交番があるのだが、その中に何故かNさんが座っていた。
交番の中へ駆け込みお巡りさんに聞いてみた所 「かなり深酒をしているにも関らず自転車に乗って蛇行運転していて、余りにも危ないので交番内へ連れて来た」との事だった。
座っているNさんに話しかけてみると「あっ、俺くん!りょうしちゃのきょんなちょころでぇ・・・」あれれ、呂律が回っていませんよ、Nさん。 「じれんしゃにのっていちゃらおまわりひゃんにちゅかまっちゃったぁぁぁぁぁ」ともうヘロヘロの状態。 お巡りさんに友人の姉だと伝え、俺が連れて帰る事にした。
まずは自販機で飲み物を買いNさんへ渡したが、飲んでいる半分以上を口からこぼしていた。 ヘロヘロだし服はびちゃびちゃだし、俺もどうしたら良いのか悩んだ。
Tへ電話をして車で迎えに来てもらうのが手っ取り早いと思い、 Nさんに「Tに連絡して車で迎えに来てもらうね」と話をした所、Nさんは「嫌だ!」といい、その場に座り込んでしまった。
いくら説得しても「嫌だ!」の一点張りで座ったまま動かない・・・埒が明かないので俺もその場に座った。
何分くらい座り込んでいたのか覚えていないが、 「じゃあ、この場所は車が通るから危ないよ。もう少し先に公園があるからそこへ行こう」 と話した所やっと立ち上がりフラフラしながらも一緒に公園へ向かった。
自転車を引きつつもNさんを支え、どうにか公園にたどり着いた。 2人でベンチに座り「吐いた方が楽になるよ、トイレへ行く?」と聞いてみたが、 「大丈夫・・・さっきよりは楽になったから・・・」と俺にもたれかかっていた。
30分も座っていただろうか、寝ているのかなぁと顔を覗き込むとNさんが話しかけてきた。
Nさん「俺くんってやさしいね」 俺「いや、誰だって同じ事をするよ。」 Nさん「ん~でも、やっぱりやさしいよ・・・だけど今日はゴメンね・・・いきなり酔っ払いの相手をさせちゃって」 俺「何時もお世話になっているTのお姉さんだもん、気にしないで」 Nさん「Tの姉だからやさしいの?」 俺「・・・」 Nさん「ゴメンね。また酔って変な事聞いちゃったかな」 俺「ん~・・・聞いちゃったかな・・・」 ・・・2人とも黙ったまま沈黙が続いた
突然、Nさんの手が俺の首に巻き付いて来たと思ったら・・・キスをしてきた。 俺は高校の時に付き合っていた彼女がいたが、その彼女とはキス止まりだった。 俺が経験したキスとはまるで違う大人のキス。
Nさんの舌が俺の口に入って来たとき、さっきNさんが飲んでいたアクエリアスの味がした。 舌の感触は温かいと言うか、ねっとりしてると言うか・・・童貞の俺には刺激が強かった。
俺はされるがままの状態だったが、突然の出来事で俺は 「このまま抱きしめてもいいのか」 「やはりTの姉だし・・・ここは強引に離したほうがいいのか」
されるがままだった俺は、両手の持っていく場所を探していたらふいにNさんが俺から離れた。
「俺くん、急にキスしちゃってゴメンね。俺くんの彼女に悪い事しちゃったね・ ・・」 「俺、今は彼女いないし・・・こういうキスは初めてだったから緊張しちゃって・・・」
少しの沈黙があり、Nさんは急に立ち上がった。でも酔いはまだ完全に醒めてなく少しふらついていた。
「そっか、俺くんには今彼女いないんだね。ふーん、そぉっかぁ」 「そうだ!俺くん、車の運転出来るよね。」
俺には何の事だかさっぱり分からなかったが、「出来るよ、きっとNさんより運転うまいよ(笑)」と答えた。
「ねぇ、今からドライブしよ!いいでしょ、ねっ!」ふらつきながらもNさんは俺の袖を引っ張った。
俺はNさんに袖を引っ張られるの凄く好きで、4つ歳が離れているNさんだけど、なんとなくねだっている様な、頼りにされている様なそんな気分だった。
「じゃあ少しだけですよ。時間も遅いし。」 Nさんは「じゃあ決まり出発ね。行こう!」と心許ない足取りで歩き始めた。
T家には駐車場が無く、家から歩いて1~2分の所に駐車場を借りていた。 車はNさんが購入した軽自動車で、Tも時々使わせてもらっていた。 Nさんは「はい、車の鍵ね!」と俺に渡し、助手席に乗り込んだ。 もう時刻は2時過ぎ。
「ねぇ、今から何処へ行くの?」と尋ねてみた。 「まずはね・・・俺くん。とりあえず、しゅっぱぁ~つ」俺にはもうよく分からなかった。
車内にはNさんが飲んだ酒の香りとセミロングの髪から甘い香りが漂っていた。 既に公園でのキスからMAX状態だった股間は少しでも触れられたら暴発しそうだった。
Nさんの指示通り車を運転して20分も経った頃 Nさん「俺くん。そこを右に曲がってくれる?」 俺「はぁい、了解!」 Nさん「OKOK。この道をまっす~ぐ進んで!」 俺「はぁい!」 Nさん「じゃあ・・・えっとね・・・次の横断歩道の先をまた右に曲がって・・・」 俺「はぁい!・・・えっと!・・・ここは・・・」とあるインターチェンジ近くのラブホテルだった。
車を駐車場に止めると 「えっとね、俺くん・・・いきなりゴメンね・・・」 「いや、だって、あの・・・」
何が起きて何んでこうなったのか、この場をどうしたらいいのか俺はパニック状態。
「俺くん、エンジン止めて外に出よ!」Nさんは助手席の扉を開けて外に出たが俺はマジでどうしたいいか分からなかった。
戸惑っている俺を見てNさんは運転席側に回り込み、運転席のドアを開けた。 エンジンを止め「ねっ、俺くん。降りてくれるかな・・・」また袖を引っ張られた。
ドキドキしながらも車から降り鍵をかけ、鍵をNさんに渡そうと思ったら 「手・・・繋いでいいかな?」 うつむきながらNさんが聞いてきた。
女性と手を繋ぐなって何年ぶりだろうか、「恋人繋ぎかな?」と左手の指を開いて待っていた。 けどNさんの右手は俺の中指から小指までの3本を握ってきた。
「あぁ、こんな繋ぎ方もあるんだなぁ」と感心していたら 「この手の繋ぎ方好きなんだ。でも痛かったら言ってね・・・」って、 もう悶え死にそうで俺の股間は真面目に暴発寸前!
「男だし、しっかりしなくちゃ!」俺が先導する様に手を繋いでホテルのフロントへ向かった。 だがここでとんでもない出来事が発生!!
なんとホテルは満室・・・ フロントのおばちゃん曰く「この時間からは無理だねぇ・・・」といきなりカウンターパンチを食らった気分。
どうしようとオロオロしていたら 「俺くん。満室じゃしょうがないね!行こう!」とにっこり笑い、俺の手を引っ張ってホテルを出た。
車へ戻るとNさんが話しかけてきた。 「ねぇ、俺くん。明日は暇?あっ、もう今日だね」2人で笑った。 携帯でスケジュールを確認してみると、10時~17時までバイトが入っていた。
俺「う~ん・・・10時からバイトなんだよね・・・」 Nさん「バイトかぁ・・・じゃあ仕方ないね。」 俺「でも休めるかどうか朝になったら聞いてみるよ」 Nさん「ダメ!ちゃんと俺くんが来る予定でお店はスケジュール立てているんだよ」 俺「・・・」 Nさん「ちゃんと行かなくちゃね!」 Nさん「そうだ!俺くんの携帯番号聞いてなかったよね。教えてくれる?」 俺「いいよ。09***・・・」 Nさん「あっ、出来れば赤外線で送って!」 俺「そんなの使った事無いよ・・・」 Nさんは俺の携帯を奪い、あっという間にデータの交換をしていた。
ホテルの駐車場を出発してT家の借りている駐車場まで戻ってきた。 Nさん「今日は本当に有難う。俺くんには迷惑かけちゃったね・・・」 俺「俺こそ緊張しちゃって(ゴニョゴニョ・・・)」 Nさん「本当に有難う・・・ねぇ、俺くん、ちょっと目瞑って・・・」
ちょっと期待しながら目を閉じると今度はやさしいキスをしてくれた。 Nさんが口を離すと「俺くんが家に着く頃を見計らってメールするね」と言い、もう一度キスをしてくれた。
車を降りてNさんを家まで送った。 T家は玄関の外灯のみで家の中はもちろん真っ暗。 Nさんは小さな声で「後でメール送るね。じゃあね!」と家の中へ入っていった。 夕食をご馳走になったT家から帰って、何故かまたT家の前にいる俺。 突然起きた出来事は自分の中で整理がつかなかったが、Nさんから来るメールを待ちながら歩いて自分の家へ帰った。
家に着き自分の部屋で着替えていると、携帯電話が机の上で震えだした。 もちろんNさんからのメールだった。 結構長いメール内容だったので覚えていることだけ抜粋。
「今日は有難うとゴメンね」 「もし良かったらまた2人で会ってくれる?」 「彼女いないんだったら立候補しちゃおうかな」 だったような・・・
それからと言うもの、Nさんとのメールやり取りは増え続け Nさんは某会社のOLさんだったが、仕事中だと思われる時間にもメールを送ってきた。
T家には今まで通り遊びに行っていたが、もちろんNさんとキスした事はTに内緒にしていた。
<続く>
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