狂女_ハッピーライフ-官能小説(happylives-novel)

牝獣(ひんじゅう)となりて女史哭(な)く牡丹の夜 ——日野草城

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狂女

17-02-26 09:46

佐智はそれを見て悔しいのか、ハンガーに掛かった様々な衣服を一心に見て行った。「藤井さんにも買ってあげるよ」その言葉で真理子は、「本当ですか?」と喜び、春物を熱心に見て行く。真理子が程無く僕の物になるのは確実と思われた。                                                  ブティックを出てアクセサリー店に入り、そこでも真理子の心をくすぐった。佐智は従妹への対抗心が在って僕の腕に手を回して恋人を気取るのだが、最初から従妹のハーレム入りを認め、それに協力する形で付いて来ているので強くは出られず、真理子も、初めは遠慮がちにしていたのにいつしか佐智と張り合う様な態度を見せるまでになった。相手は恋人と言っても婚約者で!
ないし、従姉とは特に親しい仲でもないから、たとえ多少の罪悪感が在っても僕への想いに引き摺られているのだろう。                                              従姉妹同士は内心反発しながらも一応バランスを保って僕と共におり、日が暮れて回転寿司店で一緒に居ても表面上和やかな雰囲気を敢えて崩そうとはしなかった。それでも、佐智が僕と楽しく話していると真理子はやはり不愉快そうで、時に僕たちの間を遮って話し掛けて来たりもする。真理子にしてみれば、そもそも恋人同士なら二人だけでデートをするのが自然なのに、佐智が同じ年頃の同性を誘うのは変で、熱い仲ではないだろうからそんなに遠慮する事は無いと思う様になっているに違いないし、佐!
智の方はたとえ嫉妬心が在ってもご主人様の!
に尽くす事こそが自分の義務だと承知しているから真理子を排斥出来ない。そんな二人の心を弄ぶのが面白くもあり、或る時は真理子に、別な時には佐智にやたらと優しく構ってやって彼女たちの対抗心や嫉妬心を楽しんだ。                                                                           華やかなネオンとヘッドライト、それに街灯の中、僕たちはほろ酔い気分で駅前のタクシー乗り場に向かった。真理子をホテルに誘っても笑って断られ、たまには無理強いをしないで帰宅する事にしたのだった。もっとも、いざ別れるとなると真理子は佐智が羨ましそうでもあった。口では断っても本当はホテルまで一緒に行きたく、それを!
わかってくれない僕を残念に思っているのかもしれない。佐智も口にこそ出さないが、僕と二人きりでホテルに泊まりたい様子だった。ハーレムの中ではめったに二人きりになれないからその気持ちは良くわかる。                                             乗り場の列に並んで順番を待っている間、僕たちはあまり喋らなかった。すぐ前の真理子は僕と佐智の睦まじい仲を一度見ただけでもう振り返らずにいた。彼女が僕の正体を知ったらどれだけショックを受けるか・・・。それが楽しみでもあり、もはや抜け出せないまでに僕への想いを熱くさせたいと改めて望むのだった。


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