牝獣(ひんじゅう)となりて女史哭(な)く牡丹の夜 ——日野草城
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17-04-04 08:39
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ある日、元カノにバッタリ会った。 時間があったので、お互いの身の上を話していると、彼女が未亡人になっていたことが判明。
平凡だったオレの身に突然起こった嵐の出来事をつらつらと書くんで、ヒマだったら付き合ってw
まず、スペック オレ=30代後半、妻子持ち、愛人ナシ 普通のリーマン、年収は並だと思うが可処分所得は低いw 夫婦仲は悪くないが、ラブラブでもない。
元カノ=同い年、昔はポッチャリ型で巨乳の持ち主だったが今は少しやつれた感がする。 旦那は最近病気で亡くなったらしい。高校生の娘が居る。 misonoに似ていないこともないので、今後ミソノと呼ぶ。
彼女に再会したのは秋風吹く土曜の午後、某ショッピングモール内にある施設でのこと。 小学校の末っ子を習い事に連れて行った時のことである。
受付で名前を記入した末っ子を見送りながら、受付の女性になんとなく見覚えがあるような気がした。 同時に、相手もそんな感じでオレを見ていた
・・・そして・・・物語はこの一言から始まったのである。
女性「オレさんって・・・○○市に住んでました?」 末っ子の苗字を見ながら女性なんとなく言った。
オレ「えっ?・・・高校までは、そこに住んでましたけど?」 オレはあまり考えずにそう答えた。
女性「やっぱり・・・私、ミノソです・・・」
一瞬の間というか躊躇いの後、女性は言った。 オレ「はぁ?!」
オレの頭の中は突然のカミングアウトに混乱していた・・・というか まず“ミソノ”という名前が誰なのか瞬時に理解できなかったのである。
女性「高校2年生の頃かしらね、ふふっ」 手を口にあてながら小首を傾げて少女のように笑う
オレ「あっ!」その仕草で全てが蘇ってきた。
学園祭の準備を機に仲良くなった二人。 CDとか貸し借りしたっけ・・・ で、貸したCDが戻ってくる時には折り畳んだ小さな手紙が添えてあり、他愛もない内容だけどそれが嬉しかったり・・・ オレは塾、彼女はバイトの帰りに待ち合わせてハンバーガーとか食べたよな・・・ そういえば、初詣にも行ったな・・・ふたりで願をかけたような気もする・・・
で、結局なんで別れたんだろう?
そこまで思い出して我に返った。その間、何秒だったろうw
オレ「ひ、久しぶりですね」敬語だ。動揺は隠せないw ミソノ「そうですね」30代後半とは思えない美しい笑顔だ ミソノ「私、これから休憩に入るんですけど、お茶でもどうですか?」 オレ「い、いいですよ。どうせ末っ子を待たなきゃいけないですから」
というわけで、二人でモール内の喫茶店へ出かけた。 空白の時間を埋めるように、お互いこれまであったことを話した。
大学はどこに行ったかとか(彼女は高校卒で働いたらしいが) 仕事は何をしてるかとか。 お互い結婚して子供がいることとか。 その時にミソノがご主人を亡くしていることも聞いた。 オレは何て言っていいのか分からず、ただ「そう・・・」としか言えなかった。
そして、ミソノの次の質問がオレを一気に過去へ引き戻した。
ミソノ「オレくん、あの時どうして来てくれなかったの?」少し悲しそうに笑う
オレは“あの時”が、どの時を指しているのかすぐに分かった。 別れが決定的となった日のことだ。 英語で言うなら「ポイントofノーリターン」だw
オレの記憶では“あの時”の経緯はこうである。
・ ・ ・
“あの時”の約1ヶ月前 オレとミソノは、ほぼ毎日一緒に帰っていた。 いつものように自転車を押して校門の前で待っていると、ミソノの友達がやってきた。
友達「オレくんごめん。今日はミソノは来れないの」 オレ「そう」 友達「これ、ミソノから預かってるから。じゃね」と小さく折られた手紙を受け取る。
オレは、何か用事でもできたんだろーくらいに考えて、おそらく「ごめんね」と書かれてあるだろう手紙を開けた。 内容は確かに“ごめんね”であることは間違いなかったが・・・重さが違った・・・
で、
細部までは覚えていないのだが、要約すると 「あなたとの関係は、友達以上だけど恋人ではない」 「例えると家族みたい」 「なくてはならないけど、特別な存在ではない」 「例えると空気みたい」 のような事が書かれており、最後に 「ごめんね」 で締めくくられていた。
というわけで、オレは見事に振られた・・・全オレが号泣した。
結局、ミソノとは半年くらい付き合ったことになる。 何度かデートもしたが手をつないで軽くキスをしたくらいで、それ以上はなかった。 (今思えば惜しいことをしたもんだwなにしろ、あの巨・・・いや、なんでもない)
前置き長くて、すいません。
さておき“ごめんね”の手紙から約2週間後の“あの時”のことである。
オレは、ミソノの女友達から呼び出された。 なんでもオレを振った後、ミソノが落ち込んでいるらしい。 意味が分からなかった。
友達A「ミソノは不安だったのよ」 友達B「だからアンタを・・・そう、ちょと試そうとしただけだったのに」 オレ「はぁ~?なんだそれ」 友達C「あの娘、すごく後悔してて・・・オレくんに謝りたいんだって」 オレ「・・・」 友達A「今日の放課後、旧館3階で待ってるからって」 友達B「絶対、行ってあげてねっ!絶対だよっ!」 オレ「・・・」
今の俺ならホイホイと待ち合わせ場所に行っただろうけど、どうやら当時のオレにはプライドがあったらしいw なんだか自分を試されたことに腹が立って、しかも友達経由の言い訳である。 おまけに振られたオレを女4人でネタにしてるらしいことが許せなかった・・・ 今なら全然許せるのであるがw
そうして、オレは待ち合わせ場所には行かなかった。
・ ・ ・
オレ「あの時か・・・なんでかなあ」 ミソノ「私、悲しかったんだよ」 オレ「は?」ちょっと不機嫌なトーンになる ミソノ「ごめん。そうよね、私が悪いんだもんね」オレの声のトーンに驚いたのかすぐに謝る。
この会話の流れで当時のオレの気持ちを悟ったのか、ミソノはもうこの話をしなくなった。
それからミソノとの“土曜の会”(便宜上、そう呼ぶ)は定例となった。 たまに末っ子のクラスが休みになったり、ミソノのシフトが違ったりで会えないことや、休憩時間がズレたりすることはあったが、月のうち半分以上は会を開催していた。
俺としては別にヨリを戻すとか全く考えてなかったし、末っ子待ちの時間つぶしくらいに考えていた。 彼女もそう考えていたと思う。
ところが、そうは考えていない人物が居たのである。色んな意味で。 ミソノの高校生の娘だ。
彼女は、父が亡くなって間がない母が父以外の男性と喫茶店で談笑しているのを偶然目撃したらしい。 そして、その関係を母に問い詰めたとのこと。
ミソノ「オレくん、ちょっとマズイことになっちゃって・・・」 オレ「何かあったの?」 ミソノ「その・・・オレくんと毎週こうしてるところを娘に見られたようで・・・」 オレ「別にやましいところはナイでしょ」 ミソノ「そうなんだけど・・・娘がオレくんに会わせろって聞かないの・・・」 オレ「別にいいよ。20年前の元カレですって挨拶しようかな?w」(冗談で言ったつもり) ミソノ「えっ?!いいの!」
というが早いか、ミソノは喫茶店の端の席にいた女子○生に目配せをする。 するとその女子○生が、こちらにやってきた。
ミソノ「の娘、小ミソノなの。高校2年生よ」 オレ「えっ?えっ?あっ、こんにちは、オレです」
正直、俺は狼狽した。 なぜなら、小ミソノが俺の記憶の中にある高2のミソノ本人と瓜二つだったからである。 髪型からカチューシャまで、そっくりなのだ。 っていうか、そのカチューシャ見覚えがあるんですけどww
小ミソノ「こっ、こんにちは。いつも母がお世話になってます」とペコリと頭を下げる。 オレ「お世話なんてとんでもない」 オレ「末っ子が教室に通ってて、その待ち時間に付き合ってもらっているんですよ」 小ミソノ「・・・最近、母が少し元気になったんで、私嬉しいんです」 小ミソノ「知ってると思いますけど、お父さんがあんなことになってから・・・」 オレ「・・・」さすがに反応ができない ミソノ「小ミソノ、やめなさい。ごめんね、オレくん」 オレ「いいんですよ・・・それより、小ミソノちゃんって可愛いですね」 オレ「学校でもモテモテじゃないのかな?」
オレは雰囲気を変えようとバカな話を振ってみた。
小ミソノ「やだぁ~、オレさんったら~」少し目が潤んでいるようにも思える。 ミソノ「小ミソノちゃん、どうなのぉ~」同様だ。
そんな感じで、なんか言いようのない重さを引きずりながらも とりあえず表向きの雰囲気は戻ったようだ。
それからの“土曜の会”はミソノだけでなく、小ミソノも同席することになった。
小ミソノの試験の結果を話したり、進路の相談を受けたり、時には恋バナとかもあってなんだか以前よりも楽しかった。 オレは小ミソノと会話していると、まるで自分が高校時代に戻ったような気がして、 なんだかミソノとの甘酸っぱい思い出が蘇るというか、過去をリプレイしているような気持ちになっていたのだ。
この時のオレの感覚だけど、ミソノとはもう完全に終わっていることは理解していたし、 これから、どうにかなるものではないとお互い思っていたと思う。当たり前だ。
ミソノはご主人を亡くして心細かったところに都合よくオレが現れた上に、娘の相談相手に なってる現状を少しの間だけ続けたいとか思っていたのではないかと。
ところが、小ミソノは何か違った。
なんというか・・・子悪魔的にオレを篭絡するような雰囲気だったのだ。 俺は、小ミソノが母ミソノとオレをくっつけようとしていると、その時は思っていた。
例のカチューシャも、どうやら昔の俺がミソノにプレゼントした実物みたいだ。 よく、そんなモノが残っていたと感心すると同時に、知ってか知らずかソレをオレと初めて会う時に着けてくるあたりが怖かったりする。
女の勘ってのは鋭い。
俺としては、今の家庭を壊す気は全くないし、ミソノ一家を受け入れる度量も資力もナイのが正直なところであった。
それに、“土曜の会”は永遠に続くわけではない。 どんなに長くても、数ヶ月後の3月には末っ子がその教室を卒業することになるからだ。 となると、携帯番号もメールも交換していない俺と彼女の関係はそこで終わる。 まあ、彼女側はその気になれば生徒名簿から俺の住所も連絡先も調べることが可能ではあるわけだが。
う~ん・・・
<続く>
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