; 佳子の調教 第十章 男爵の館 31、32_ハッピーライフ-官能小説(happylives-novel)

牝獣(ひんじゅう)となりて女史哭(な)く牡丹の夜 ——日野草城

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; 佳子の調教 第十章 男爵の館 31、32

17-08-09 06:37

三十一
一週間が経ち、佳子が、午後六時に『男爵の館』があるビルの一階のキャパクラに着くと、柴田が、白の背広を着て入口で待っていた。
柴田が、
「佳子、よく来たな。こっちへ来い。」と言って、オフィスのドアを開けて佳子を誘い入れた。
「すぐに店にでる衣装に着替えもらう。隣の更衣室でこれに着替えた後、ここに来てくれ。」
手渡された物は、この店が指定している黒色のエナメルのピンヒール・パンプス、オレンジ色のクウォーターカップのブラジャーとシースルーのTバックパンティ、オレンジ色のガーターベルト、赤の網目のストッキング、赤のシースルーのミニスカート、赤のシースルーの短いジャケットだった。
佳子は、更衣室で着てきた物を脱いでそれを着けて大きな姿見をみると、スケベーな男を喜ばすべく女の性器を隠す術が無かった。また、先週、柴田によって、つけられた鞭の傷が、痛々しかった。
佳子が、良明の奴隷である以上仕方が無いことと自分に言い聞かせて、着てきた物を更衣室に置いてオフィスに戻ると、色違いであるが、同じ格好をした女が柴田と待っていた。
柴田は、
「佳子、この早苗が、お絞りの使い方や店内での営業用語を教えてくれるから、今すぐ覚えろ。覚え終わったら、早苗と店に出ろ。」と言って、オフィスを出て行った。
佳子は、早苗から、仕事の要領を聞くことになった。
この店では、スキンは一切使用しない。
オフィスを出た柴田は、エレベーターで五階へ上がり、『男爵の館』の入口から入り、一番奥の館主の部屋へ入ると、良明が、中央の大きなデスクに座っていた。
柴田は、良明に
「佳子を、指示通り、一階の『チャーム・スポット』へ入れておきました。」と報告した。
「ありがとう。今、パソコンの画面で一部始終を見ていた。」
「館主、今までの女と違って、佳子には、かなり手厳しい扱いですね。」
「いつもの柴田と違って、仏心を出して、どうしたんだ。佳子は、まだ、小ねが直っていない。柴田では、無理だと言うのか。」
「そんなことは、無いですけど。館主が調教されたと聞いてましたので、ほとんど館主の言いなりの状態かと思います。すぐにでも、この五階でも、使えると思ってます。」
「佳子には、この五階のVIP用にと考えているので、少々手荒な事をしてでも、それまで柴田が磨いてくれないか。」
「承知しました。来週は、二階に上げます。」
「宜しくたのむよ。俺は、来週、東京の『島原』へ行くから。」
「そうですか。山野さんにお会いになるんですか。宜しく、お伝え下さい。」
「山野は、この不況の中、随分売り上げを伸ばしているよ。柴田もがんばってな。」
「はい、がんばります。佳子を館主のご要望どおりに磨き上げます。」と柴田は、言うと、同じ階にある自分のオフィスに戻った。
この『男爵の館』のあるビルのオーナーは、鈴木良明である。ビルの名前は『鈴木館』である、鈴木の祖父鈴木良平が、戦後のどさくさにこの西木屋町通りに面した土地を約百坪手に入れて、平屋の建物を立て、飲み屋エリアとして二十軒ほどに分けて賃貸しをはじめた。高度成長期に至るまで間に一財産築いたのであった。父である鈴木良行は、賃貸事業を引継ぎ、老朽化した平屋の飲み屋エリアの賃貸契約を整理して、この土地に当時の高度制限一杯に歓楽ビルに立て替えたのであった。良行は、事業を良明に譲り、南禅寺の近くで楽隠居している。
代々鈴木の家は、江戸時代末期から、明治、大正、昭和と、島原で娼館を営んでいた。祖父の良平は、昭和三十二年の売防法の施行で、本業の娼館を閉めざるをえなくなったショックでその次の年に急死したのである。父の良行は、気丈夫の男であり、使えなくなった島原の娼館の建物をそのまま残し、それを担保に入れて、現在の『鈴木館』としてビル化したのである。
しかし、バブル経済の崩壊以後、テナントが激減し、事業は、衰退を続けた。七年前ビルごと転売しようと考え、息子の良明に相談したのだった。
当時二十七歳の良明は、父との相談の結果、自分が事業を引き継ぐことにしたのだった。そして、父の良行は、良明の母と楽隠居することとしたのであった。
良明が、引き継いだ当時、テナントの稼働率は、四割を切っており、五階の大きな高級クラブ用のテナントは、まったく入っていない状態であった。
良明が、まず実施した事は、一階から、四階までのテナントを三階と四階に集約させた事であった。そもそも、飲み屋のビルは、上の階ほど、賃貸単価が高い事と営業している店が点在しているよりもその階の営業店がうまっている方がテナントを入れ易いことであった。また、三階と四階の賃料をそれぞれ一段階落として二階と三階の設定賃料に落とした。そのことにより、クラブ、ラウンジ、スナック等の各テナントは、三階と四階に集約することを即座に了承し、新たなテナントも入って来て、ほぼ、三階と四階は、百パーセントの稼働率をキープするようになった。
そして、ここからが、良明の経営手腕が発揮されることとなる。
それは、一階と二階を改装して直営のキャバクラを設けた事である。
彼は、父の事業を引き継ぐまでサラリーマンしかしていなかった。だが、違っていたのは、元々、良明の母は、祇園の売れっ子芸妓であり、父の良行の母も上七軒の芸妓の美形であったことから、良明自身甘いマスクを武器に今まで二百人近い女性と性交渉を持っていた。
その上、祖父の良平は、戸籍上の妻を生涯持たなかったし、父の良行も良明を認知はしたものの良明の母を戸籍に入れていない。
良明は、女を引っ掛けて来ては、一階と二階のキャバクラに入れた。
一階の『チャーム・スポット』は、三十分から五十分で、四千円以下の料金体系であり、二階の『虞美人草』は、一時間以内で、一万円以下の料金体系である。客の財布の重さによって、サービスの質をコントロールしている。
『チャーム・スポット』の女は、定職に就けないでアルバイトをして食いつないでいる者が多く、二階の『虞美人草』の女の中には、定職を持っている者がほとんどあって、鈴木、山野、柴田が、選りすぐった者を充てている。
ただ、二階用の上玉であっても必ず一階の『チャーム・スポット』で二週間に一度は働かせるので、『チャーム・スポット』ファンの客達にとっては、それが、堪らない魅力になっている。一階と二階の掛け持ちの客も存在するのである。
創業当初から、手伝ってきたのが、若い頃から、遊び仲間だった山野と柴田である。二年前、良明は、東京の吉原に進出し、歓楽ビルを購入し、『島原』という名で営業を開始した。その責任者として山野を送り込んだ。開店当初は、吉原の関係者連中から、相当な営業妨害を受けたが、今では、『島原』の真似た営業をするものまで現れ、事業展開は順調に転がり出している。
良明には、山野や柴田と大きく違っていたことがあった。それは、『サド』の性癖を持っていたことである。祖父の良平、父の良行と受け継がれたものである。先代二人が、美形を自由に物にしてきたのもその性癖による事に由来する。
山野や柴田とは別に、引っ掛けた女を一階のキャバクラに入れて働きぶりを見て、『マゾ』の性癖の女を見出すと、五階の会員制のSMクラブ『男爵の館』に配属した。
『サド』の性癖を持っている男は、比較的にごく少数であるが、その欲望を叶えようとすると、社会的な制約が加わる。また、状況によっては、刑法上の罪に問われたりしかねないことも多々あり、刑法犯にならずとも、社会的制裁を受けるリスクと背中合わせである。
それを裏返して見ると、その欲望を叶えようとする為には、金の糸目は付けないという人種が、潜在的にいることである。
良明の経験から考察すると、『サド』の性癖を持つ男は、社会的地位も財産もある御仁が多い。そして、『マゾ』の女も、社会的地位の高い夫を持つ妻や資産家の娘が多いという結論に達したのである。
そこで、良明が企画したことは、『サド男性』と『マゾ女性』から、高額の会費で会員を募り、紹介業として営業を開始した。『マゾ』の女の補充として良明が、引っ掛けてきた女の中から、これはと言う女を不足気味の『マゾ女性』のバックアップとしてあてがうこととしたのである。
『虞美人草』の三十二名が、その対象となっているのである。
松原弥生は、その中でのAクラスの女である。彼女は、良明によって少女の頃から元々燻っていた『マゾ』の喜びを開花させられたのであった。良明と知り合う前は、東京のホテルニューオオタカのホテルウーマンをしていた。現在も、青山のマンションに住み、週に四日京都に通って来て、午後七時からは、四階のクラブ『葵』でチーママをしている
時折、『マゾ男性』や『サド女性』からの入会の問い合わせが有るが、システムを維持するために完全に排除しているのである。
直営店の一階の『チャーム・スポット』、二階の『虞美人草』、五階のSMクラブ『男爵の館』の三店の中で、『男爵の館』が、収益の六割を稼ぎ出している。ビル全体の収益率で周辺の歓楽ビルと比較すると、五倍以上の収益率を確保していることになる。
良明は、パソコン画面で佳子の仕事振りを逐一見ていた。客達が、こぞって佳子を指名している様子が見て取れた。十一時半ごろには、疲労の色が見えてきた様子で柴田に一度怒鳴られた。
良明は、予想通りの結果に満足していた。
深夜十二時十分を回ったところで、良明は、ビルの外で仕事を終えて出てくる佳子を待つ事にした。
十二時十五分に佳子が、店から出てきた。ルージュを付けているが、唇が腫れているのが見て取れた。
「ご主人様、待っていてくれはったんですか。」
「俺のせいで、佳子につらいことさせているんだから。」
「うれしいですわ。」
「飯でも食いに行くか。マンションに帰って、休むか。」
「ご飯は、マンションで私がお作りします。マンションに来てください。」
良明と佳子は、タクシーで佳子のマンションへすぐに帰った。
佳子の部屋に入ると、佳子は、着替えて近所のコンビニへ買い物に行き、良明は、スーツを脱いでタバコを吹かしながら待っていた。
買い物から戻ってきた佳子は、全裸になると、エプロンをして夕食の準備を始めた。
佳子の後姿を見ると、鞭による傷の跡が、痛々しかった。
良明は、甲斐性なしの男を演じ切っていた。
「もう後、二日だけだからな。辛抱してくれよ。」
「分かっています。ご主人様のためですもの。」
二人は、佳子が買ってきたビールのプルリングを開けて、遅い夕食を食べ始めた。
「最近、うちの会社の男性社員が、佳子が、急に色っぽくなったって言っていたぞ。」
「嫌ですわ。私は、何も変えていないのに。」
「お前の仕草や身のこなしが変わってきているのだと思う。」
「生の女を意識するようにはなりましたが、会社では、出していないつもりですけど。自然に出ているのでしょうか。」
「そうだと思う。」
食事が、終わった二人は、激しくお互い身体をむさぼりあった。

三十二
三週目に入り、佳子は、二階の『虞美人草』に六時に来た。柴田は、すでに入り口で待っており、先週と同じようにオフィスに案内された。しかし、このオフィスは、一階の『チャーム・スポット』のそれより、すっきりとしたインテリアを施してあり、風俗店のものというよりは高級クラブそのものであった。
「これから、店にでる衣装に着替えてもらう。それから、着替えと化粧は、弥生に手伝ってもらいなさい。隣の更衣室で弥生が待っている。」
佳子が、更衣室に行くと、松原弥生が、待っていた。更衣室も一階のそれよりも整頓されていて、テレビ局の楽屋のようになっている。
「佳子さん。お待ちしてました。こちらにいらして。貴方が今日着るのは、これよ。下着は、着けないでね。佳子さんは、バロン・柴田のお気に入りのようね。」
弥生が手渡した衣装を佳子が着てみると、ロングドレスであり、シースルーの為、身体のラインが綺麗に透けて見えるようになっている。また、イブ・サン・ローランの白色のパンプスが佳子用に用意されていた。
「それでは、私が、メイクアップしてあげるわ。」と弥生が言うので、佳子は、全てを弥生に任せることにした。
メイクアップが終わり、佳子は、パンプスを履いて、大きな姿見に自分を映してみると、ギリシャの神話に出てくる女神になったような錯覚が起きた。
身繕いが終わると、オフィスに連れ戻され、この店での作法や仕事のやり方について柴田から説明を聞いた後、弥生と一緒に店に出さされた。
店内は、明るく豪華な内装になっており、金曜日の午後六時半ごろだと言うのに佳子同じ服装をした女達が、二十人以上の客の相手をしていた。客層は、一階の客達と違って、年齢層が高く、客の服装も高そうな物を身に着けている者が多かった。ただ、クラブやラウンジと違うところは、客達の下の方の世話を女達が優雅にこなしていることであった。
この店での女達の衣装は、毎週変わることになっていて、十三のパターンを持っている。
一年間で四回転する計算になっている。
柴田は、佳子に客がついて仕事を始めたのを確認して五階へ上がって行った。
先週と同様、良明は、館主の部屋でパソコンの画面を見ていた。柴田がノックをして部屋に入ってきた。
柴田は、良明に
「佳子を、指示通り、二階の『虞美人草』へ入れておきました。」と報告した。
「ありがとう。今、パソコンの画面で一部始終を見ていた。」
「館主、佳子は、本当に上玉ですね。弥生が嫉妬していました。佳子が来る前に説教しておきましたが。」
「そうか。今すぐ、弥生を拷問部屋につれて来い。」
「しばらくお待ち下さい。」と言って、柴田は、自室へ行き、二階の『虞美人草』のチーフに電話をして『弥生に五階の私の部屋へ来るように。』と伝えた。
松原弥生が、拷問部屋に入ると、良明一人が待っていて、
「柴田から聞いた。佳子に嫉妬しているそうだなあ。ロングドレスを脱いで裸になるように。」と良明が、弥生に命じた。
「いえ、もう焼いてはいません。」
弥生は、裸になることを一瞬拒んだ。しかし、良明の命令に従い、全裸になった。
「磔に行け。」
「もう、嫉妬はしていません。バロン様。どうか、お許しを。」
良明は、磔に弥生の手首と足首を固定すると、
「弥生、どの鞭がいい。」
「お許し下さい。バロン様。」
良明は、野獣調教用の鞭を取ると、弥生を思いっきり三発打ち据えた。
「ぎゃあー。お止め下さい。お許し下さい。」と弥生は、叫んだ。醜い鞭の跡が胸と腹と太腿についた
良明は、の二発追加した。弥生の乳房と、陰部に炸裂した。
弥生は、痛さに耐え切れず叫び続けた。
「お許し下さい。もう、お止めください。」
良明は、磔を逆さにした。弥生の無毛の陰部は、上向きになり、そこへ良明は、三発の鞭を打ち据えた。
弥生の大陰唇が蚯蚓腫れになり、弥生は、強烈な痛みによって絶叫した。
良明は、蚯蚓腫れになった大陰唇を中心に水を掛けた。
弥生は、
「もう、もう、お止めください。お許しを。」
「弥生、お前は、『男爵の館の掟』に背いた。」
「お許し下さい。」
「良明、まだ足りないようだ。」
良明は、さらに三発の鞭を打ち据えた。今度は、水しぶきも飛んだ。
「もう、もう、お止めください。掟は守ります。」
「さあ、まだ私にはお前の言葉は信用できぬ。」
「さあ、佳子、これからが、本番だ。」と言って、逆さまになったままの弥生の女芯に直径五センチの張型のバイブレーターを突っ込み、腰部に固定した。このバイブレーターは、クリトリスにも刺激が加わるように作られており、強烈な性感を刺激する。弥生は、そのことを経験済みであった。
「お止め下さい。もう、掟を破るような事は金輪際しませんから。」
「俺は、弥生を信頼していた。それをお前は裏切った。分からせてやる。」
良明は、バイブレーターのコントロール・スィッチをマックスの四分の三に入れた。
バイブレーターは、女芯の中で蠕動運動と振動を開始した。強烈な刺激を与え始めた。
弥生は、逆さまになったままもがきながら呻き続けた。喘ぎを漏らす暇もなく達し続けている。
弥生は、五分間で、十五回のアクメに達したのだった。弥生のヴィーナスの丘から愛液があふれ始め、臍の辺りまで垂れてきた。
弥生は、アクメに達し続けているが、良明は、なかなかスィッチを切らなかった。十五分経って、とうとう弥生は失神してぐったりとなった。
良明は、コントロール・スィッチを切り、水を弥生の顔に向けて掛けた。
「目が覚めたか。」
「はっ。はっ。はいーっ。」
良明は、磔の位置を元に戻して、弥生の顔を見ながら、
「お前は、この俺に誓ったことを忘れたのか。どの女も、この館ではナンバーワンではない。それぞれの奴隷にはそれぞれの個性があるのだ。うぬぼれるな。」
「はっ。はっ。はいーっ。」
「罰として、この一ヶ月全館のトイレ掃除をしろ。懲罰服二号でな。クラブ「葵」には、俺から、一ヶ月休ませることを伝えておく。いいな。しかし、懲罰服二号で一ヶ月間トイレ掃除をすると、これは、お前の気持ち次第だが、今後、クラブ「葵」では勤められなくなるかもなあ。」
「はい。承知しました。バロン様。」
良明は、柴田に電話を入れ、懲罰服二号を持ってくるように指示した。
柴田は、しばらくしてそれを持ってきた。
良明は、
「柴田、弥生に付けろ。」と言った。
柴田は、弥生を磔から開放し、懲罰服二号を弥生に装着すると、ロングドレスを持って自室へ帰った。
良明の言う懲罰服二号とは、張型付きの革ベルトである。その張型を膣に埋め込み、ベルトで腰部に固定し鍵が掛かるのである。トイレはできるが、セックスは不可能になる。この懲罰服二号は、年に一人か二人、数日しか使用されない。また、一ヶ月という事は、私服は、ロッカーに入れたまま、弥生の住んでいる東京の青山のマンションへ帰ることが出来なくなり、一階奥のバストイレ付の宿直室に泊まり込みになると言うことである。弥生は、一ヶ月間、貞操帯と同様の物だけを装着した格好で全館のトイレ掃除を一人でさせられることになったのである。通常、この館の全館のトイレ掃除は、二階の『虞美人草』の女達が一日交代で、一日三回定時になると、ミニスカートの作業服を着て行う事になっている。一階の『チャ!
ム・スポット』のスタッフには、させない。
良明は、
「弥生、今から一階へ降りろ。」
弥生は、
「はい。バロン様。」と言って、拷問部屋を後にした。
良明が直営店としている一階の『チャーム・スポット』は、大衆向きのセッティングをしている。誰もが気楽に楽しめる演出をしているのだ。
二階の『虞美人草』は、三十人の女達が、スタンバイしていて、五階のSMクラブ『男爵の館』のスタッフを兼ねている。SMクラブ『男爵の館』の客は、二階の『虞美人草』で『マゾ女』の品定めができるということになっている。ただし、二階の店ではSMの行為が禁止されているので、客達は、気に入った女を指名して出張させることになる。一般の『虞美人草』の客はそれをしるよしもない。
良明は、市内の数軒のSM行為ができるラブホテルと契約していて、SMクラブ『男爵の館』の会員がSM専用ルームを使用できるようになっている。また、『マゾ女性』の会員にも合理的に利用できるようになっている。
リッチな『サド男性』の会員の中には、自宅に専用ルームを持っているので、『マゾ女性』の会員を招いたり、SMクラブ『男爵の館』のスタッフを出張させることになる。
スタッフの出張料金は一時間三万円で、料金を『男爵の館』の銀行の指定口座に後で振り込ませる形式を取っているのである。これは、同業者より、高い料金であるが、『男爵の館』のスタッフは粒ぞろいであり、不満を言われた事が無い。
良明が、SMクラブ『男爵の館』を始めるとき、紹介業に徹する事にした。それぞれの会員は、同好の相手を探すことが極めて困難であることから、会員からの相談を受ける事を主体とし、各会員から、相手についての好みや要望を聞き、会員リストを精査して紹介する形を取っている。会費としては、男女とも入会金百万円、年会費として、三十万円を振り込ませる。会員は、相手を探す依頼をした時と『男爵の館』のスタッフを指名した時には一回一万円の紹介料を振り込ませる。相手として指名の連絡を受けた会員からは、一切、都度払いの料金は請求しない。
ただ、『男爵の館』を通さずに会員間で密約が生じる可能性はあるが、それに関しては放置した。と言うのは、特定の『マゾ女性』の会員だけを相手とするのは、必ず飽きると考えたからである。また、契約している各ラブホテルから、SM専用ルームの利用状況について報告がくるようになっているので、ほとんどの会員の動向が把握できるからである。
それだけ、『男爵の館』のスタッフには、自信を持って磨きをかけてきたのである。
現在、『男爵の館』には、『サド男性』会員二百六十三名、『マゾ女性』会員百七十四名合わせて、四百三十七名の会員が登録されている。
良明は、この会員登録情報管理については、守秘を徹底し、CRM(顧客属性管理システム)を導入しているので非常に短時間で安全確実に各会員の要望に応えることができるのである。この紹介業務を行えるのが、山野と柴田である。東京の山野と京都の柴田は、常にモバイルPCと携帯電話を携帯しており、四六時中会員の対応をする。二人のPCは、ひとつのサーバーに接続されているので、お互いに情報交換もできるようになっている。
また、一階の『チャーム・スポット』と二階の『虞美人草』の会計も入金と同時にサーバーに入り、『ERP』で集計処理が行われる。
良明は、定期的に二人のサーバー接続状況のログを確認するのである。
良明は、この事業での一番のリスクは、人間の持つ嫉妬心であると考えており、スタッフには特に厳しく指導しているのであった。
弥生が、それに背いたので、徹底した処置をしたのである。
良明は、明日の東京出張の準備を始めた。来週、佳子を東京吉原の『島原』へ出張させることになっており、山野と打ち合わせすることが目的である。
良明は、出張の準備を終えると、二階の『虞美人草』の画面に遷移させ、カメラを佳子の方に向けて佳子の仕事振りを見た。佳子は、六十前後の男の砲身を懸命にむさぼっているところだった。その男の満足げな表情からも性技を磨いたことが分かった。
良明は、佳子の調教が進んでいることに満足して、店が引けた佳子を迎えに行かずにそのまま自宅に帰った。
-つづく-


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