二十三
良明は、月曜日出社すると、朝礼とE-メールの確認を終えると、九時から営業部会議に出席した。
良明は、十一時に会議を終えて営業部室に戻ると、佳子にメールを打った。
『[資料作成依頼]
to:営業第三課 西川佳子
from:営業第三課 鈴木良明
佳子
和樹と博和から、素晴らしい報告を聞いたよ。
一ヶ月前の佳子とは思えない素敵な女性になったことを大変喜んでいる。
今日、会社が、退けたら、話があるので、お茶でも飲みにいかないか。
六時半、四条西木屋町上ル、【ミューズ】辺りでどうだろう!?
佳子の主人より』
良明は、その後社外メールを二本打った。打ちながら、佳子の方をちらっと見ると、返信メールを打つのに集中している姿が見て取れた。
二十分後、佳子から、返信メールが、良明のもとに届いた。
『[資料送付]ワード・ファイル添付
to:営業第三課 鈴木良明
from:営業第三課 西川佳子
(ワード・ファイル)
ご主人様、
メールをいただき、嬉しい限りです。
佳子は、自分の心と身体が大きく変化していくことにびっくりしています。
最初、佳子は、ご主人様に、束縛されていることに不安と喜びが入り混じった複雑な心境になり、モラトリアム状態に陥りました。
また、ご主人様からのミッションを恨んだこともありましたが、今は、一人の女として、男性と正々堂々と自然体で接することが、苦にならなくなりました。
一ヶ月前の佳子は、大人の女に見られたいと、常に背伸びをしていたのが、今は、恥ずかしくてなりません。
ご主人様の佳子への愛を今は、十分理解できるようになりました。
時間を作って頂けるということですので、喜んでお受けいたします。
今日は、どのように虐めていただけるのかを楽しみにしています。
ご主人様の奴隷 佳子』
二十四
良明が、佳子と待ち合わせている『ミューズ』に着いたとき、佳子は、一番奥の窓際の席に座って、ホットコーヒーを飲みながら、文庫本を読んでいた。佳子は、白のブラウスにベージュのカーディガンを羽織っていた。店内は、モーツァルトの『フルートとハープのための協奏曲ハ長調』が流れていた。
良明が、
「お待たせ。」と言うと、
「私も、さっき着いたところです。」
良明が、席に着くと、主人である良明に服従の意を表する為に佳子は、カーディガンを脱いだ。すると、白のシースルーのブラウスを透して葡萄色の乳首と乳房の形が、露わになった。
隣の席の若い男性同士の客が、佳子のエロチックな姿に視線を釘付けにした。凝視し続けるわけにもいかないので、その後は、ちらちらと見る程度であった。
後から来た良明の分のオーダーを取りに来たウェイターもアイスコーヒーを注文する間、佳子の姿に見とれていた。
「佳子が、最近、神々しく見えるようになったよ。」
「嫌ですわ。そんなこと言わないでください。」
「メールを見て、嬉しかったよ。急に大人になったみたいだね。」
「ご主人様のおかげですわ。」
「最近、大下課長までが佳子の変貌振りにびっくりしていたよ。」
「男の方は、女をしっかりと見ておられるのですね。」
「パンティを履いているのか。」
「いいえ、ご命令どおり着けておりません。」
「パンストを脱いで来い。」
「はい、承知致しました。ところで、今日は、時間の余裕は有りますか。」
「もちろん、今日は、佳子の為にたっぷりと空けておいたよ。」
佳子は、立ち上がると、トイレに向かった。 隣の席の若い男性同士の客は、二人の会話に耳を傾けていたこともあり、立ち上がった佳子のシースルーの乳房を諸に見えたのであった。
良明は、注文したアイスコーヒーが運ばれてきたところで、セブンスターに火を点けた。窓の外には、高瀬川の流れていて、風情を醸し出していた。良明は、学生時代、この喫茶店によく来たのである。その当時の思い出に浸っていると、佳子が、トイレから、出てきて、良明の前に座った。生足が、色っぽい。
「佳子は、ポーリ-ヌ・レアージュの『O嬢の物語』を知っているか。」
「仏文科の同級生が、学生時代、その作品のことを話していたのを思い出しましたが、当時は、私とは、無縁の文学だと、思いました。」
「実は、日本の『源氏物語』と並んで、世界的なベストセラー作品だよ。小説と同じようなことを今の日本で行うと、社会から、弾き飛ばされてしまうがね。男と女の肉体と精神は、この作品の中に十二分に内包されていると思うよ。」
「一度、読んでみたくなりました。どんな物語ですか。」
「一度、自分で読んでみるといいよ。男女関係において、君の教科書となるかも知れないね。」
「是非、読んでみます。ところで、今日は、私をどのように喜ばせて頂けるのですか。」
「えらく短絡的だなあ。佳子は、どのようにされたいんだ。」
「それを私に言わせる気ですか。」
「佳子の口から、聞いてみたい気もするが。」
「元来のサディストなんですね。」
「俺は、サディストではないと思うがねえ。」
「これから、私の部屋に来て頂けますか。少し、手料理を覚えましたので、一度、味見をしてください。」
「俺を毒見役にしようというのかね。」
「ほんまにご主人様は、意地が悪いんですね」と言って、佳子はすねた。
「ところで、俺が来るまで何を読んでいたの。」
「渡辺淳一さんの『化身』です。こういうのを読んでみたくなったので。」
「それは、随分と急成長したね。」
「ご主人様のせいですよ。」
「佳子自身が、目覚めたのだよ。俺の所為じゃないよ。自ら、大人に成ったのだよ。」
「私一人では、不可能でしたわ。」
佳子が、コーヒーを飲み終えた頃、良明が、言った。
「それじゃ、佳子の手料理と言うやつを食わせてもらいに行くとするか。」と言って、良明は、レシートを掴んで立ち上がった。
佳子も、立ち上がって、良明の後を追った。
良明は、レジを済ませると、店の外で待っている佳子に
「腕を組んで歩こうか。」
「嬉しいですけど、誰かに見られたら、ご主人様が、お困りになりませんか。」
「こんなプリティな女を連れて歩けるなって、男の花道と言うもんだ。」
佳子は、良明の左腕に密着するように自分の腕を絡めて、言った。
「こんなに幸せなこと有っていいんでしょうか。」
二人は、河原町通りの東側の歩道を腕組みをして歩いた佳子は、良明の心のぬくもりを肌で感じていた。
すれ違う人々は、仲のよさそうな二人を羨ましそうに見つめるのであった。
二人は、河原町通りを西側に渡り、タクシーに乗って、佳子のワンルームマンションへ向かった。堀川通りのマンションの前に着いた時には、夕日が、落ち、真っ暗になっていた。
二十五
佳子は、良明を自室に迎えいれると、良明にソファに座ることを勧めると、テレビを点け、自分は着ている服を脱いで、全裸になり、エプロンをした。
佳子の後姿は、はちきれんばかりのヒップが、丸見えで、食器を取り出す為にしゃがんだりすると、ヒップのあわいから、菊の御門と蚯蚓色の花びらまで見えた。
「佳子、今日は、何を食わしてくれるんだ。」
「それは、出来上がってからのお楽しみということです。お口に合うか、心配ですが。」
「佳子の愛情が篭っていれば、俺は、それだけで幸せだよ。」
佳子は、鍋に水を入れ、コンロに架け、火を点けた。ジャガイモを用意し、厚揚げ、ひろうす、糸こんにゃく、玉ネギ、にんじん、牛肉などを冷蔵庫から、取り出して生板で、玉ネギを切り、ジャガイモの皮を剥き、コンロに架けた鍋が煮立った頃に昆布を一枚浸した。
どうやら、肉じゃがかなと良明は、思った。
良明が、佳子の方ばかりを見ているので、佳子は、
「あまり見ないで下さい。テレビでも見ていて下さい。先にビールでも、飲みますか。」
「そうだなあ。ウーロン茶か、何か無いか。」
「有りますよ。」と言って、冷蔵庫から、ペットボトルを取り出し、氷を入れたグラスにウーロン茶を注いで、良明の座っている前にテーブルに置いて、
「どうぞ。少し時間が、掛かりますから、シャワーでも浴びて、ゆっくりして下さい。」と言った。
「シャワーは、いいよ。」と、断った。
良明は、テレビを見ながら、たまに、台所に立っているエプロンをしただけの全裸の佳子の後ろ姿が、気になるようで、ちらちらと見ていた。
良明は、冷えたウーロン茶を飲みながら、テレビのチャンネルを変えて見たが、これと言って、興味を引くような番組は、ないなと思った。肉じゃがと思われる食欲をそそるにおいが、部屋中に充満してきた。
この一ヶ月間の佳子の変化が、嘘のようだとあらためて思った。
「この一月で、色っぽケツになったなあ。」
「意地悪ですね。ご主人様は。」
そうこうしている内に、佳子は、テーブルに夕食を並べだした。
「さあ、出来ました。飲み物は、ビールで宜しいですか。」
「ああ、ビールでいいよ。」
テーブルに食事を並べ終わった佳子は、
「出来上がりましたので、こちらへ。」と良明を誘った。
「了解。」と言って、良明はソファから、テーブルへ、移動した。
小さな食卓テーブルを挟んで、良明と佳子は、差し向かいになって座った。食卓には、予想した肉じゃがと、秋刀魚の塩焼き、ひろうすと厚揚げの煮物と、レタスとトマトのサラダが、並べられていた。
佳子が、缶ビールのプルリング引いて、開け、良明のグラスに注いだ。良明は、注がれたグラスが、ビールで満たされると、缶を佳子から、取り上げ、佳子のグラスに注ごうとすると、佳子は、両手で、グラスを持ち上げ、良明が、注ぎやすいように前へ差し出した。
良明は、佳子に注ぎ終わって、
「一段と、色っぽさを増した佳子の美しさに乾杯。」と言った。
「嫌ですわ。そんな言い方。お口に合うかどうか、分かりませんが、どうぞ。」と佳子が、言った。
「それじゃ、まず、毒見をしてみよう。」
「意地悪やわー。ご主人様は、」
良明は、まず、大好物のひろうすの煮物に手を出した。口に入れて、味わって見る。
「美味い。これなら、死ぬことはない。」
「もう、イジワルー。」
「どうして、俺が、ひろうすが、好きなのを知ったのだ。」
「会社の食堂で、ご主人様が、美味しそうにひろうすを食べているところ、見たのです。」
「そうか。見られていたのか。子供のころからの大好物や。それと、肉じゃが。こっちは、どうだ。」と言って、肉じゃがに箸を付けた。良明は、下味に昆布を使ったなあと、思った。
「何処で、この味付けを覚えたんだ。」
「この一ヶ月、悪戦苦闘したんです。」
「一ヶ月で、この味を出せるようになったのか。すごいよ。佳子は。」
「そんなにほめても、何にも出ませんよ。」
「これだけで、十分だ。」
二人の会話は、弾み、ビールも、食事もすすんだ。
「お前は、いい奥さんに成れるよ。俺が、もっと、若かったら、お前にプロポーズしていただろう。」
「私は、ご主人様に喜んで頂ける事でしたら、何でも、出来るようになると思います。」
「大変、嬉しい事だよ。」
「そんなこと言われると。」
「実は、今日、お前にじっくりと、話したいことがあったんだ。」
「あらためて、何ですか。「ご主人様からの命令でしたら、何事でも従います。今日は、佳子を抱いて下さい。お願いですから。」
「そのエプロンを取って、佳子の裸を見せてくれないか。」
佳子は、立ち上がって、エプロンを取り、全てを露にした。
「可愛いおっぱいだなあ。張りが、あって、乳首が、上を向いている。最近、佳子が、可愛くて仕方が無い。こっちへ、おいで。」と、良明は、佳子を呼び寄せた。椅子を引いて、膝の上に載せ、佳子の唇を奪った。
長いベーゼを交わした。左手で、佳子の右乳房を手の中に入れ、軽く揉んだ。佳子は、軽く、喘いだ。今度は左手を無毛のクレバスに突っ込んだ。佳子は、唇を外し、仰け反った。
「ええ反応やなあ。」と言いながら、佳子の首筋にキスをすると、佳子は、
「あ~ん。電気が走ります。ご主人様。」
「素晴らしい身体になってきた。」と言うと、佳子を起こし、立ち上がらせ、自分の席に戻るように促した。
佳子は、
「もう、おしまいですか。今夜は、約束を必ず守ってくださいね。」と、慎ましやかだが、さりげなく、誘いを掛けてきた。
「随分、心境の変化が、あったみたいだね。」
「女としての、身のゆだね方が、少し、分かって来たような気がします。」
「実は、俺は、遊び金やデート代を捻出しようと思って、サラ金に手を出したことから、今では、借金が三百万円近くに膨らんでしまった。この一ヶ月というものタチの悪い町金融の手先の取立て屋に追っかけられているんだ。」
「私の貯金では、三百万円ものお金を都合がつけられないし、丹後のお父さんに頼んでみます。」
「それが、だめなんだ。」
「実は、その町金融の社長が、俺と佳子がデートしているところを見かけて、佳子の目を付けたらしいんだ。それで、二週間前から、借金を棒引きする代わりに、佳子を抱かせろと言ってきているんだ。俺は、断り続けているんだが、借金の回収が目当てではなくて、佳子が目当てらしいんだ。抱かしてくれないのなら、二人の関係を会社の連中にばらすと言っているんだ。俺には、他にも女がいるし、誰とも結婚できるわけではないし、困り果てているんだ。このままでは、会社を辞めなければならないだろう。」
佳子は、良明の『遊び金やデート代』という言葉に負い目を感じてしまい。自分とのことで良明が借金したことは否めないと思った。
「分かりました。一回だけですか。」
「いや、奴の条件は、週に一度、四回抱かせろといってきているんだ。こんな条件を飲めるわけは無い。それに奴は、サディストだと言う噂を聞いているんだ。何人もの女が弄ばれて捨てられたらしい。そんな奴にお前を渡せるわけが無いだろう。」
「分かりました。私は、ご主人様の奴隷ですから、ご主人様が、命令されたら、私は、ほかの男にでも抱かれます。でも、後生ですから、今日は、抱いてください。」と言って、涙ぐんだ。
「分かってくれるのか。ありがとう。それでは、奴に抱かれてきてくれ。」
「承知しました。」
二十六
良明は、抱き上げると、ベッドに運び、自分も、全裸になり、佳子の全身をくまなく長い時間を掛けて愛撫した。佳子の、喘ぎ声は、隣まで、届くかと思うほど、激しかった。
佳子が、二度ほど、良明の愛撫で、行った後、耐えられなくなり、
「もう、早く、ご主人様のあれを佳子に下さい。」と催促したので、
「それでは、入れるぞ。」と言って、佳子の鳥羽口に亀頭冠をあてがうと、砲身を迷わず、一気に奥の奥まで、突き入れた。
佳子は、ずぶ濡れの膣洞の痙攣を繰り返し、仰け反って、激しく頂上を迎えた。
「はあ~ん。辛いです。」と泣きながら、膣洞を各所で痙攣させながら、エクスタシーを継続させていた。
良明は、少し、引き潮になったところで、コイッスを開始し、腰を回しながら、突きまくった。
佳子は、またもや、頂上を向かえた。
今度は、良明は、仰向けに寝ると、
「上から、やってくれないか。」と言った。
佳子は、良明の腰に跨ると、女芯で、良明の砲身を捕らえると、一気に腰を沈めて行き、上下運動を開始した。ベッドが、上下に跳ねたと同時に佳子の激しい息遣いが、激しさをました。
良明が、下から思い切り突き上げると、佳子は、
「あがーん、あがーん、あぐーー。」と言って、激しく果てた。
良明は、行かなかった。
佳子の興奮が、醒めるのを待って、横に仰向けに寝かせ、しばらく佳子の乳首を右手の人差し指で、こね回した。
佳子は、乳首を刺激され、
「忘れられなくなりそうです。」
「俺を忘れるな。奴に抱かれても、俺を忘れるんじゃないぞ。」
良明は、佳子を寝かせると、起き上がり、ライトを消して、全裸で、ソファに座り、タバコに火をつけた。
堀川通りの街頭が、まぶしかった。この部屋には、闇がないのだと感じた。
良明は、衣服を整えると、残ったビールを飲んで、喉の渇きをいやした。
部屋の中は、静まり返っていた。しばらく、ソファに掛けて、セブンスターを吸いながら、一息ついた。
三十分して、佳子にキスをして起こし、
「それじゃ、後日、奴と会う日を連絡するよ。俺、帰るよ。鍵を掛けるのを忘れずにね。」と言った。
佳子は、
「ありがとうございます。」と言ったが、一筋の涙を流していた。
良明は、佳子の部屋を後にして、夜の堀川通りを今出川まで散歩して、タクシーで帰宅した。
-つづく-
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