女優 7_ハッピーライフ-官能小説(happylives-novel)

牝獣(ひんじゅう)となりて女史哭(な)く牡丹の夜 ——日野草城

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女優 7

22-06-03 01:43

この話は続きです。はじめから読まれる方は「女優」へ

翌日の撮影を貴子さんは休んだ。体調をこわして来れないとマネ-ジャ-に連絡があったそうだ。携帯にかけてみたが

「もう大丈夫よ。話はついたから。貴女は余計な心配しないでいいの。解決したわ。今日は体調がすぐれないの。また連絡するわ」

とだけ言って切れてしまった。まさか山口とケンカになって怪我でもしたんじゃないかしら、と心配になって山口に思い切って聞いてみた。

「貴子さんと何の話をしたのよ。なんで貴子さん、今日休んでるのよ」

山口は苦笑いしながらこう言った。

「フン。坂口に礼を言っておくのね。彼女、貴女のために今頃きっと腰が抜けて起き上がれずにベッドで寝てるわよ。私も寝不足なの。中止になってよかったわ。ふわぁ~あ」

大きな欠伸をし背伸びをした。

「まさか」

嫌な予感がした。

「ふふ、そのまさかよ。彼女すごく感度いいのね。あまりの快感に彼女、私に必死にしがみついてギューッと背中に爪を立てるの。ふふ、何十回と逝かせてあげたわ。おかげで今でも引掻き傷で背中がヒリヒリ痛いわ。その度にオイオイ泣いて
悦んで、挙句の果てには「いっそ殺してぇ、もう許してぇ」って謝りながら私に許しを請うていたわ。彼女がどんな風にのた打ち回ったか貴女なら想像がつくでしょ」

(あの凛々しくいつも毅然としてる貴子さんが、快楽地獄とも言える山口とのSEXに喘いでいたの?あの悪魔のような底無しの快感に貴子さんが身を投じたの?)
愕然とすると同時に、背中にゾクリと悪寒が走った。

「これ、聴いてみる?」

山口が小型のICレコーダーを取り出した。

「コピーしてあるから、それ貴女にあげるわ。事の顛末を最初から最後まで入れてあるから、帰ってよく聴くといいわ」

「くっ」

拳を握り締め殴ってやりたかったが、やめた。それこそ貴子さんの行為が無駄になる。こいつは殴ってはいけない人間なんだ。

「なにが望みよ」

「フン、私をコケにするからよ。私が大物女優相手になんの手立ても無しに乗り込むと思った?確かに約束だから私は貴女から手を引くわ。これから思う存分この世界で活躍すればいいのよ。この映画も公開させる。これは私にとっても勝負を賭けてるの。だけど坂口とだけは一緒にさせない。それだけは私のプライドが許さない。もしこれからも二人が付き合うって言うのなら、このICレコーダーの中身をマスコミに全部ぶちまけるわ。そうなれば私も終わりだけど、坂口も終わりよ。この業界、レズには厳しいから。あははははは」

山口の高笑う様を見ながらも何もできない自分が悔しかった。
家で一人ICレコーダーを聴いてみた。そして貴子さんが私の為にその体を投げ出してくれたことを知って涙がこぼれた。
(でも、いやっ、貴子さんが山口に抱かれるなんて)
しかし私はそれからも、昨夜起こったことが知りたくてICレコーダーを止めることは出来なかった。

「いいいいい~、おま○こ気持ちいい~、もっともっと舐めてぇ~、ああああ~」

「ふふふ。どうだい?最高だろ。最初は抵抗して嫌がってても私におま○こ舐められたら、どんな澄ました女でもヒーヒー泣いて悦ぶんだ。その体でしっかりと味わうんだね。今まで感じたこともない高みまで連れてってやるよ。覚悟をし」

「いやあ~、気持ち良すぎるうう、死ぬ死んじゃう、あああ~こんなの初めてぇぇぇ、やめてぇぇ、もう許してぇ~」

ICレコーダーをどれだけ早送りしてもいたぶる山口と貴子さんの喘ぎ声が聞こえてくる。

「りかがこんな触り方してくれたか?んん、あの娘がここまで感じさせてくれたか?ああ?ほらほらほら、何度でも逝きなよ」

「いぐう~、いぐう~いぐう~、もう殺してぇ~死ぬう~、だめだめだめえ~もう許して~ごめんなさい、やめてぇ~おかしくなっちゃうううう」

どこで再生しても延々と貴子さんが感じてる声が耳をつく。時にはけだものの様に快楽を貪り山口の愛撫をおねだりし、時にはあまりの快感に耐え切れず山口に許しを請い、時には抵抗しながらも女の性を嫌というほど思い知らされ、泣き叫びながら絶頂を訴える。

「本当淫乱だねぇ、大女優さまは。まだ足りないのかい?もう私無しじゃ満足できないんじゃないの。りかじゃ物足りないだろう。んん、どう?いっそ、りかの代わりに私の愛人になりなよ。そうすりゃ毎晩可愛がってやるよ。ほらほら、大女優さまはこうするのがいいんだろう」

「いやあ~やめてぇ~、またいっちゃうううう、もうゆるしてえええ~お願い、助けてぇ~りかあああ~いぐううう」

(いやっ、もう聴きたくない。でも私も同じだ。何十回と山口に抱かれてきたんだから。今までこのSEXに酔いしれていたんだから。ごめんなさい)
飛ばし飛ばし聞く貴子さんの声はどれも快感を訴えるものばかりだった。でも最後の最後に貴子さんは確かにこう言った。

「んふふ。かわいそうな人。もう2度と貴女に抱かれることはないわ。私にはもっと幸せをもたらしてくれる人がいるから」

ハッとした。そしてうれしかった。私も幸せだと思った。今にも貴子さんのところへ駆けつけて抱きしめたかった。

「ピンポーン」

チャイムが鳴り出てみると貴子さんだった。
私は貴子さんを見るなり泣き出しそのまま抱きしめた。夢のようだった。

つづく「女優 8」へ


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