この話は続きです。はじめから読まれる方は「美優夫人の飼い犬」へ
「去勢済みの大人しい犬を2匹連れてきなさい。」
女がインターホンで告げた。
女と入ったのは落ち着いたバーの様な部屋だった。
磨き込まれた無垢材の床に真っ白なカーペットが敷かれ,壁の棚には高級な銘柄の酒が並んでいた。
小さなテーブルを囲む様にコの字型にソファーが並び女の隣に座らされた。
「坊やも何か飲もうか。」
女が立ってグラスに氷を入れて話しかけた。
「ママ‥」
「大丈夫よ。怖がりさんなんだから。」
反対の壁に吊られたガラスケースの中に飾ってある何本もの鞭や拘束具が普通のバーとは明らかに違っていた。
「どうしたの?坊や‥」
グラスに注ぎながら女が隣に座り,一つのグラスを渡してくれた。
「乾杯しようか。可愛い坊やとママの一つになれた記念日に。」
「ママ‥」
グラスを合わせた時,スーツを着た屈強な男が顔を出して,僕を見ると一瞬驚いた表情をした。
「小島,私の可愛い坊やよ。ご挨拶なさい!」
男が慇懃に頭を下げると
「ママの召使いだから大丈夫よ。怖くないからね。」
人前ではさすがに「ママ」と呼ぶ事ができなかった。
ただ答える様に女の手を握った。
男にリードを引かれて入ってきたのは,想像していた通り,二人の‥二匹の捕らわれの男だった。
首輪を掛けられ膝を付いて四つ脚で歩き男の後ろにお座りの様に左右に佇んだ。
股間に生えるペニスはただの排尿器官と化して退化していた。
驚くのは肛門に犬の尻尾の様な房が突き入れられている事だった。
犬と化した男達の目には何の感情もない様に,僕達を見て次の命令を待っている様にさえ思えた。
「ママ‥」
つい恐怖から声が漏れてしまった。
「大丈夫よ。可愛いでしょ。とてもお利口なワンちゃん達だから大丈夫よ。」
女が男に合図をするとリードを外して出て行った。
二匹の犬と化した男達は四つ足になり僕達の足下に這ってくると足の指を舐めた。
「ママ‥」
「ワンちゃんはね。飼い主の匂いを嗅ぎ分けるために匂いを嗅ぐのよ。」
足下の犬は足の指を丹念に舐め回していた。
と,突然女が犬の頭を力いっぱい叩いたのを驚いて見ると女に蹴りつけられていた。
それでも逆らう事なく女の足を舐め回していた。
「犬はね。たまにこうしてお行儀を教えてあげないとすぐ忘れちゃうのよ。だからママもかわいそうだけどそうしてるの。坊やもやってみなさい。」
「ママ‥」
「やって。」
つづく「美優夫人の飼い犬14」へ
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