牝獣(ひんじゅう)となりて女史哭(な)く牡丹の夜 ——日野草城
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25-11-05 08:51
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「ほら、そんなに慌てて食べないの。ちゃんと噛んで食べるのよ」 千里が、優しい口調で息子に注意をしている。息子は、可愛らしくハイと返事をし、ちゃんと噛みながら食べ始めた。朝の、いつも通りの光景だ。そんな様子を、洋介は微笑みながら見つめている。幸せを噛みしめているような、穏やかな表情だ。 「パパ、いってきます!」 元気いっぱいに出ていく息子に、洋介は手を振って見送った。 「パパ、コーヒーもう一杯飲む?」 千里に聞かれて、洋介はありがとうと答えた。そして、二人でコーヒーを飲みながら、週末の予定を話し始めた。週末、3人で動物園に行く予定だ。息子が触れ合い広場でヤギやモルモットと遊ぶのが好きで、かなり頻繁に遊びに行っている。 「楽しみだね。じゅんくん、ヤギ飼いたいって言い出さないかな」 おどけたように言う千里。 「え? ヤギって、飼えるの?」 洋介は、驚いた顔で言う。 「飼うわけないじゃん。冗談だよ」 千里は、いつもの洋介の天然ぶりに、呆れたように笑っている。夫婦仲も、良好だ。ほとんど夫婦げんかもなく、仲良く過ごしてきた。さすがに夜の生活の方は少なくなってきていたが、先日の事があってから、昔に戻ったように回数が復活していた。 今日は、洋介も千里も仕事が休みだ。二人は、出かける準備を終えると、家を出た。仲良く手を繋いで駅を目指す二人。幸せそうで、楽しそうに歩いている。美男美女、そんな言葉がピッタリくるようなペアだ。 そして、電車に乗り、新宿で降りると、二人は新大久保の方を目指す。ただ、立ちんぼがいるエリアを目指すわけではなく、そのままホテルが乱立しているエリアに移動した。 ホテルに入り、部屋を選んで入室すると、二人は抱き合ってキスを始めた。自宅では、息子が寝ている事もあってなかなかセックスができていない。しても、声を出さずにこっそりとするようなやり方になる。 「パパ、さっきからずっと大きくなってたでしょ。ヘンタイみたいだよ」 千里は、洋介の股間をズボン越しにまさぐりながら言う。洋介は、 「千里だって、興奮してるでしょ。立ちんぼしたくなった?」 「しちゃう? それとも、あの人に連絡してみる?」 千里は、妖艶な表情を浮かべている。朝の優しい母親の顔はどこにもなく、その瞳も濡れたように光って見える。 「そんなのダメだよ」 洋介は即答するが、どこか迷っているような顔だ。 「本当に? 寝取られ性癖なんじゃないの?」 千里は、妖艶に微笑みながら洋介の股間をまさぐり続ける。すると、洋介が千里のスカートの中に手を差し込み始めた。千里は、抵抗しない。さらにとろんととろけた顔に変わる。 「千里だって、興奮してるじゃん。なにこれ」 スカートから手を引き抜きながら言う彼。その指先は、あきらかに濡れている。 「だって……色々想像しちゃったから……」 千里は、恥ずかしそうだ。そして、二人は服を脱ぎ始めた。すぐに全裸になると、抱き合いながらキスをし、もつれるようにベッドに倒れ込んでいく。二人とも、すでに息遣いが荒い。 すると、千里が上になり、洋介の乳首を舐め始める。快感にうめく洋介を、興奮した顔で見つめながら舐め続けている。 「あのまま、ホテル入ったら良かった? そうして欲しかった?」 洋介のいきり立ったペニスをしごきながら、挑発的な言葉を口にする千里。彼女自身も、言いながら興奮しているようだ。 「そんなことない」 快感にうめきながら答える彼。でも、千里の言葉で、さらにペニスは固くいきり立つ。どう見ても、興奮しているのは隠せていない。 「そうなんだ……本当に? 私が他の人とエッチするの、見たいんでしょ?」 千里は、まるで痴女になったように洋介を責め立てる。千里の言葉と手コキで、洋介はすでに射精感が高まってしまっている。すると、千里は彼のペニスを舐め始めた。カリ首に舌を絡みつかせ、上目遣いで見つめている。 「こんな風に、舐めて欲しかった? 違う人の、口でして欲しかった?」 千里は、さらに挑発する。その声も興奮しているのがわかるほどだ。 「そ、それは……」 口ごもる洋介に、千里はさらに言葉を重ねる。 「口だけなら、しても良いんじゃない? 私は、しても良いって思ってるよ」 千里は、本心なのかわからない事を言いながら手コキを続けている。 「本気で言ってる?」 洋介も、千里の真意がわからず戸惑う。 「さぁ? でも、パパのもっと固くなったよ。想像してるんでしょ?」 「……してる。想像してる。千里が、他の男のをくわえてる姿を……」 洋介は、絞り出すように言う。かなりの迷いと戸惑いがあるようだ。 「パパが興奮してくれるなら……ヤキモチ焼いてくれるなら、しても良いかなって思ってるよ。本当に」 千里は、そんな会話を続ける。濡れたように光る瞳に見つめられ、洋介はさらに口ごもる。 「じゃあ、いまから立ってみようかな? 昼間だけど、声かけられるかな?」 千里は、とんでもない事を言い始めた。でも、洋介はそれを止めない。千里が本気で言っているのかどうかを、探るようなめで見つめている。 「どうする? このまま、普通にエッチする? それとも、公園に立つ?」 千里は、究極の選択を迫る。洋介は、想定していなかった事態に戸惑いながら、真剣に考えている。 「フフ、考えちゃうんだ。普通にエッチしようって、即答してくれないんだね」 イタズラっぽく言う千里に、洋介はゴメンと謝った。 「良いよ、じゃあ、服着よっか。でも、昼間だから声かかるかな? 夜と違って、歳が誤魔化せないかも……」 弱気な事を言う千里。でも、すっかりとその気だ。洋介は、そんな心配をしている千里の言葉を無視して、自分が思った事を伝える。 「通話状態にしておいて欲しい……」 千里は、話が噛み合わずにキョトンとした顔だ。洋介の言葉の意味が理解できない……そんなりアクションをしている。 「通話?」 「うん。スマホ、繋がったままにしておいて欲しい」 「えっ!? 繋がったままに?」 目を丸くする千里。本当に驚いているような顔だ。 「うん。聞かせて欲しい」 「フフ、超ドヘンタイみたいだよ。良いよ、聞かせてあげる。いっぱいヤキモチ焼いてね」 千里は、無邪気にも見える顔で言った。 千里は、洋介の事が本当に好きだ。ルックスも良く、性格も良い彼の事を、自慢の夫だと思っている。ママ友にも羨ましがられる事が多く、千里は謙遜しながらも、いつも幸せな気持ちになっていた。 常に、もっと自分の事を見て欲しい……もっと愛されたい、もっと執着されたいと思っている。それが、こんな形で発露してしまっている。もちろん、千里も最後までしようとは思っていない。口でするというのも、なるべくしたくないと思っている。ただ、現実的に、手だけで男性が満足するはずがないと言う事もわかっているので、口でと言ったにすぎない。 まだ入室して30分も経っていない。しかも、セックスすらしていない。その状態で部屋を出ると、二人は公園を目指して歩き始めた。そして、到着して驚いた顔をする二人。昼間なのに、すでに立ちんぼはいた。もちろん、夜ほどの人数はいない。半分……5分の1もいないくらいの人数だ。それでも、昼間っから立ちんぼがいる現実に、衝撃を受けているようだ。 「結構いるんだね……日本、大丈夫かな?」 千里は、これから自分も立つのに、そんな心配をする。洋介は、主語のデカさに苦笑いをしながら、千里の事を可愛いと思っている。それなのに、これからとんでもない事をさせようとしている……。寝取られ性癖に気がついてしまった彼と、もっとヤキモチを焼いて欲しい妻……ある意味で、理想の組み合わせなのかもしれないが、そのせいで異常なことを実行するまでに至ってしまった。 「じゃあ、行ってくるね。あっ、スマホ」 そう言って、スマホを通話状態にする千里。電話代を気にしてか、facetimeアプリで通話を始めている。洋介は、音声が聞こえる事を確認し、気をつけてと声をかけた。 「女房に立ちんぼさせて、気をつけてって言うんだ」 千里は、笑いながら言う。確かに、言っている事は支離滅裂に感じる。洋介は、照れ笑いしながら千里を見送った。 千里は、女性達がいない場所に立った。この前は、隙間に等間隔で並ぶように立ったが、今日は自由にどこでも立てる状態だ。さすがに人通りも夕方ほどではなく、他の女性も含めて、なかなか声がかからない。 5分ほど経過したが、まだ声はかかっていない。それでも洋介は、ずっと興奮したままだ。勃起しすぎていまにも暴発してしまいそうになっているし、目立たないように車止めのバーに腰掛けて、股間を目立たないようにしている状態だ。 そして、10分が経過するタイミングで、声がかかった。洋介は、慌ててスマホを耳に当てる。すると、思いのほかクリアな音声が聞こえてきた。 「口だけなんだ。じゃあ、いいや」 男性のガッカリした声が響く。 「ごめんなさい」 千里は、申し訳なさそうだ。そして、声が緊張している。洋介は、申し訳ない気持ちになっているような表情を浮かべた。ただ、それでも動こうとはしていない。このまま継続させるつもりのようだ。 千里は、そのまま立ち続ける。さっきの男性は、他の女性と移動を始めている。話がまとまったようだ。そして、5分も経たないうちにまた声がかかる。今度は、洋介も最初からスマホを耳に当てていた。 「目茶苦茶美人ですね。マスクしてないんですか?」 そんなこをかける男性。洋介は、今さら千里がマスクもせずに立っている事に気がついた。そう言われてみれば、立っている女性はマスクをしている事が多い。中にはマスクをしていない女性もいるが、少数派だ。 プライバシー……いまは、勝手に撮影されてSNSなどのアップされる事もあると思う。こんなところに立っている姿をアップされたらマズい……洋介は、今さら慌て始めた。 「そ、そうするものなんですね。慣れてないので……」 「でも、おねえさんくらい美人なら、マスクしてたらもったいないよ。おねえさんなら、3でも良いよ」
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